スリークォーターthree-quarter) は、野球における投手投法の一つである。直訳すると4分の3であるように、オーバースローサイドスローの中間であり、ややサイド気味に肩口からボールを投げる投法である。

 
スリークォーターで投球している杉内俊哉

概要 編集

オーバースローサイドスローの中間ではあるが、投法としてはサイドスローの亜流であるという説がある[要出典]。ただし、オーバースロー気味のスリークォーターで投球を行う投手も存在し、他の投法との区別はやや曖昧である。オーバースローやサイドスローに比べて、肩や肘への負担を軽くしながら、コントロールとスピードを両立させる方法としてこの投げ方をするピッチャーがいる[要出典]

投手として最初からスリークォーターだった者はあまりおらず、例えば肩痛をかばっているうちに腕が下がりスリークォーターになったり、また、オーバースローやサイドスローではコントロールが良くなかったが、コントロールを良くするためにボールを離す(リリース)ポイントを上げた(下げた)結果スリークォーターになったという選手が多い[要出典]

スリークォーターではオーバースローと同様にフォークボールは投げやすい[要出典]。また、腕が斜めなのでサイドスローほどではないがスライダーカーブシュートといった横に変化する球種の効果が強くなり、シンカーもオーバースローよりは投げやすい(投げやすさや掛かりやすさは個人差がある)[要出典]

米国のバイオメカニクス研究者の定義では、投手を後ろから見た時に時計の1時から2時の間の位置からリリースされる投法(やや腕を下げたオーバーハンド)をスリークォーター・オーバーハンドと呼び、前腕を垂直に立ててサイドスローのようにリリースする投法をスリークォーター・アームと呼ぶ事で明確な区別を行っている。バイオメカニクスの定義においては、前者は純粋にオーバーハンドの変形であるのに対して、後者は横方向の回転力を利用するサイドアームの要素に、肘を用いた縦回転の要素を組み合わせた全く別のフォームとして取り扱われている[1]

スリークォーター投手の例 編集

以下の投手は日本プロ野球のいずれかのリーグで最優秀防御率を受賞。

脚注 編集

  1. ^ ジェームス・H・ブラーツ、プレム・P・ゴギア『The Mechanics of Pitching』「ジャーナル・オブ・オーサペディック&スポーツ・フィジカル・セラピー英語版 Vol.9 No.2」1987年8月、64-66頁。

関連項目 編集