タイマー
一定の時間が経過するとアラームを鳴らす道具
タイマー(英: timer)は、
概説編集
単体のカウントダウン式のタイマーだけでなく、家電機器に組み込まれた <予約動作機能> もタイマーである。多機能時計の場合、経過時間測定機能だけでなく、目覚まし機能や、正時ごとの時報音もタイマーに分類されうる。
なおベルやブザーなどの音で知らせるものだけでなく、音がしない砂時計もタイマーである。
単体のキッチンタイマー(en:Egg timer)などは50年ほど前までは、ゼンマイ式でベル(鈴)を鳴らして知らせる装置ばかりだったが、その後、電池とエレクトロニクス技術を使いブザーや発光で知らせるものが一般的となり、近年ではデジタル表示までついたものが百均で売られるような状況になっている。
なおコンピュータでは「クロック」とは時計機能そのものではなく、時刻の単位であり内部動作を同期する基準であり、そのクロックを数えることで一定時間の経過を測っている。さまざまなレベル、ハードウェアレベルからソフトウェアのレベルまで、たとえばマザーボードやBIOSやOSやプログラミング言語、アプリケーションソフトウェアなどでさまざまなレベルでタイマ機能が組み込まれていて、それにより多種多様、きめ細かな動作を実現している。
なお以前は古いJIS規則の影響でタイマという表記も併存したことがあった[2]が、その後規則が変更になったので、現在では技術系でも通常はタイマーと「ー」をつけることが増えている。
作動方式による種別編集
- オンディレイタイマー
- 入力信号がオンし続けた場合に、セット時間が経過すると作動するタイマーの方式。
- オフディレイタイマー
- 入力信号がオンからオフに変わった場合に、セット時間が経過すると作動するタイマーの方式。
- フリッカータイマー
- 入力信号がオンの場合に、セット時間でオンとオフを繰り返すタイマー方式。
単体のタイマー編集
- キッチンタイマー
- 調理時間の目安とするためのタイマーである。設定時間が経過した後にブザーが鳴る。電子回路を用いたデジタル式の製品が普及しているが、ぜんまいばねを応用した、簡単なダイヤル操作だけで使用できるアナログ式の製品も使われている。デジタル式はカウントアップによる簡易ストップウォッチになる物が多い。また、デジタル式でリセット・ボタンのない物には、“分”設定ボタンと“秒”設定ボタンを同時押しすることによって設定時間をゼロ・リセットできるものがある。
- 24時間繰り返しタイマー
- 照明や生物の飼育などのために、1日のうち決まった時間に動作を繰り返すタイマー。登場初期には時計のような文字盤の周りの爪を動かすことで時間を設定する製品が多く見られたがこれは内部に可動部分(電動時計)を持っており、半導体技術の発達に伴い可動部を持たない低原価の電子式が登場した。
- 表示盤付きタイマー
- スポーツの試合や、持ち時間が決められている口頭発表などで、遠く離れた位置でも見えるよう、大型の表示盤に残り時間などを表示するもの。スポーツの試合用のものでは、タイマー表示(試合時間表示)のほか、得点表示、サーブ権表示などができるものが多い。
機器組み込み型のタイマー編集
コンピュータ内部のタイマー編集
以下のいずれか、あるいはワンショットなど、いろいろ設定可能なものも多い。
- インターバルタイマ
- 一定間隔で何らかのシグナルをシステムに対し発生する(一般には割り込みのことが多い)機構。一般にオペレーティングシステムはリアルタイムクロックで時刻を取得した後はこのインターバルタイマの割り込みを使って内部時刻をアップデートしていく。オペレーティングシステム(以下、OS)がプリエンプションの契機として使用したり、OS自身のさまざまな定期処理(ページ置換アルゴリズム、デーモンの定期的処理など)や、デバイスドライバなどにOSが提供するタイマ(例えば、機器の故障により処理要求がタイムアウトしたと判断するためなど)の元としても使われる。
- ウォッチドッグタイマー
- コンピュータシステムの正常動作を確認するための機構。オペレーティングシステムがウォッチドッグタイマに対して一定間隔で書き込みを行い、万が一その書き込みが規定期間内に一定回数以上行われなかったときには、システムがハングアップ(具体的にはインターバルタイマからの割り込みがマスクされた状態で動作し続けている)と判断してシステムをリセットする。組み込みシステムなどで使われることが多い。
- タスクスケジューラ
- WindowsのOSレベルのタイマー機能。設定された日時、曜日時刻などにタスクが自動的に起動する。