チャンプ』(Chuck、別題: The Bleeder)は2016年アメリカ合衆国伝記映画。 監督はフィリップ・ファラルドー、出演はリーヴ・シュレイバーエリザベス・モスナオミ・ワッツなど。 主演のシュレイバーが製作と脚本(共同)を担当している。 1976年の映画ロッキー』の主人公ロッキー・バルボアのモデルとなったヘビー級プロボクサーであるチャック・ウェプナーを描いている。

チャンプ
Chuck
監督 フィリップ・ファラルドー
脚本 ジェフ・フォイヤージーク英語版
ジェリー・スタール英語版
マイケル・クリストファー
リーヴ・シュレイバー
製作 マイケル・トーリン英語版
カール・ハンプ
リーヴ・シュレイバー
クリスタ・キャンベル
ラティ・グロブマン英語版
製作総指揮 アヴィ・ラーナー
トレヴァー・ショート
ジェフ・ライス
ジェフ・フォイヤージーク
マーク・ギル
出演者 リーヴ・シュレイバー
エリザベス・モス
ナオミ・ワッツ
ジム・ガフィガン英語版
ロン・パールマン
マイケル・ラパポート
音楽 コリー・アレン・ジャクソン
撮影 ニコラ・ボルデュク
編集 リチャード・コモー英語版
製作会社 Millennium Films
Mandalay Sports Media
キャンベル・グロブマン・フィルムズ英語版
Jeff Rice Films
配給 アメリカ合衆国の旗 IFCフィルムズ英語版
公開 イタリアの旗 2016年9月2日ヴェネツィア国際映画祭
アメリカ合衆国の旗 2017年5月5日
上映時間 98分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $320,725[1]
世界の旗 $502,518[1]
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2016年に開催された第73回ヴェネツィア国際映画祭の非コンペティション部門に選出されて初上映されたのち、2017年5月5日に一般公開された。 日本では劇場未公開だが、2018年2月8日WOWOWで『チャック 〜“ロッキー”になった男〜』のタイトルで放映された[2][3]後、同年7月4日にアメイジング D.C.から『チャンプ』のタイトルと「もうひとつの、ロッキー。」のキャッチコピーでDVDが発売されている[4]

ストーリー 編集

ニュージャージー州ベイヨンヘビー級プロボクサーであるチャック・ウェプナーはボクシングだけでは生活できず、副業の酒のセールスでなんとか生計を立てている。しかし、白人であるという理由で世界チャンピオンであるモハメド・アリと対戦することとなり、チャックの人生は一変する。アリの圧倒的な勝利が予想される中、最終ラウンドまで戦い続けたチャックは、試合には負けたものの、映画『ロッキー』の主人公のモデルとなり、映画の大ヒットとともに全米の人気者となる。これに有頂天となったチャックの生活は華やかだが荒んだものとなり、妻フィルと娘キンバリーからは愛想を尽かされてしまう。そもそも映画のヒットでチャック自身の収入が増えたわけではなく、結局、薬物の売人にまで落ちぶれたチャックは逮捕されて刑務所送りとなる。収監中、冷静に自分と向き合ったチャックは改心し、妻とは正式に離婚、娘とは手紙などを通じて誠実に接するようになる。その後、模範囚として刑期を早めに終えたチャックはかねてより付き合いのあった女性リンダと再婚し、夫婦で酒のセールスを続けながら幸せに暮らしている。

キャスト 編集

製作 編集

2011年5月10日、ジェフ・フォイヤージーク英語版がチャック・ウェプナーの伝記映画『The Bleeder』の監督に起用され、クリスティーナ・ヘンドリックスが出演するとの報道があった[5]2015年10月7日、リーヴ・シュライバーとナオミ・ワッツが起用されたと報じられた。シュライバーは長らくウェプナーを演じることを望んでおり、本作に出演したことでその念願が叶った[6]。22日、エリザベス・モスがキャスト入りした[7]。30日、ジム・ガフィガン、プーチ・ホール、モーガン・スペクターの出演が決まった[8]。11月11日、ロン・パールマンが本作の出演契約にサインしたという報道があった[9]

本作の主要撮影は2015年10月26日にニューヨーク州サファーンで始まり、同年12月4日に終了した[10]

公開 編集

2016年9月2日、本作は第73回ヴェネツィア国際映画祭でプレミアを迎えた[11]。10日には第41回トロント国際映画祭のスペシャルプレゼンテーションで上映された[12]。14日、IFCフィルムズとショウタイム・ネットワークス英語版が本作の北米配給権を購入したと報じられた[13]。2017年4月、本作はトライベッカ映画祭で上映された[14]

評価 編集

本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには80件のレビューがあり、批評家支持率は80%、平均点は10点満点で6.8点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『チャンプ』にはスポーツ選手の伝記映画特有のクリシェが少ないながらもある。しかし、全体の出来はワンランク上のものである。そうなったのはリーヴ・シュライバーの濃密な演技のおかげである。」となっている[15]。また、Metacriticには29件のレビューがあり、加重平均値は68/100となっている[16]

出典 編集

  1. ^ a b Chuck” (英語). Box Office Mojo. 2022年4月22日閲覧。
  2. ^ チャック 〜“ロッキー”になった男〜”. WOWOW. 2018年2月9日閲覧。
  3. ^ 2018年2月 月間番組表” (pdf). WOWOW. 2018年2月9日閲覧。
  4. ^ チャンプ”. 株式会社アメイジング D.C.. 2019年7月24日閲覧。
  5. ^ Lodderhose, Diana (2011年5月10日). “Watts, Schreiber to star in ‘Bleeder’” (英語). Variety. https://variety.com/2011/film/markets-festivals/watts-schreiber-to-star-in-bleeder-1118036732/ 2018年2月8日閲覧。 
  6. ^ Fleming, Mike Jr (2015年10月7日). “‘Ray Donovan’s Liev Schreiber, Naomi Watts To Star In Chuck Wepner Underdog Ring Saga ‘The Bleeder’” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2015/10/liev-schreiber-naomi-watts-chuck-wepner-ray-donovan-muhammad-ali-philippe-falardeau-1201568670/ 2018年2月8日閲覧。 
  7. ^ Hipes, Patrick (2015年10月22日). “Elisabeth Moss Joins ‘The Bleeder’s Corner With Schreiber & Watts” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2015/10/elisabeth-moss-the-bleeder-movie-chuck-wepner-liev-schreiber-1201591083/ 2018年2月8日閲覧。 
  8. ^ Pedersen, Erik (2015年10月30日). “‘The Bleeder’ Coagulates Cast With Jim Gaffigan, Michael Rapaport, Pooch Hall & Morgan Spector” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2015/10/the-bleeder-cast-jim-gaffigan-michael-rapaport-pooch-hall-morgan-spector-1201598911/ 2018年2月8日閲覧。 
  9. ^ Fleming, Mike Jr (2015年11月11日). “Ron Perlman Joins ‘The Bleeder’” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2015/11/ron-perlman-the-bleeder-chuck-wepner-liev-schreiber-1201618534/ 2018年2月8日閲覧。 
  10. ^ Christine (2015年10月31日). “First look at Liev Schreiber and Elisabeth Moss on the set of ‘The Bleeder’” (英語). On Location Vacations. オリジナルの2021年10月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211015144245/https://onlocationvacations.com/2015/10/31/first-look-at-liev-schreiber-and-elisabeth-moss-on-the-set-of-the-bleeder/ 2018年2月8日閲覧。 
  11. ^ Ritman, Alex (2016年7月28日). “Venice Film Festival Unveils Lineup for 73rd Edition” (英語). The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/news/venice-film-festival-unveils-lineup-915213 2018年2月8日閲覧。 
  12. ^ The Bleeder” (英語). TIFF. 2018年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月8日閲覧。
  13. ^ Fleming, Mike Jr (2016年9月14日). “IFC & Showtime KO Deal For Liev Schreiber-Starrer ‘The Bleeder’ – Toronto” (英語). Deadline.com. https://deadline.com/2016/09/the-bleeder-liev-schreiber-ifc-showtime-toronto-deal-1201819787/ 2018年2月8日閲覧。 
  14. ^ Cox, Gordon (2017年3月8日). “Emma Watson and Tom Hanks’ ‘The Circle’ to Premiere at 2017 Tribeca Film Festival” (英語). Variety. https://variety.com/2017/film/news/tribeca-film-festival-2017-the-circle-the-godfather-1202004481/ 2018年2月8日閲覧。 
  15. ^ "Chuck". Rotten Tomatoes (英語). 2018年2月9日閲覧
  16. ^ "Chuck" (英語). Metacritic. 2018年2月9日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集