チャップリンの船乗り生活
『チャップリンの船乗り生活』(Shanghaied) は、1915年公開の短編サイレント映画。エッサネイ社による製作で、主演・監督はチャールズ・チャップリン。チャップリンの映画出演47作目にあたる[注釈 1]。
チャップリンの船乗り生活 | |
---|---|
Shanghaied | |
![]() | |
監督 | チャールズ・チャップリン |
脚本 | チャールズ・チャップリン |
製作 | ジェス・ロビンス |
出演者 |
チャールズ・チャップリン エドナ・パーヴァイアンス ウェズリー・ラッグルズ ジョン・ランド バド・ジェイミソン ビリー・アームストロング パディ・マグワイア レオ・ホワイト |
撮影 | ハリー・エンサイン |
配給 | エッサネイ・スタジオ |
公開 | 1915年10月4日 |
上映時間 | 30分 |
製作国 |
![]() |
言語 |
サイレント映画 英語字幕 |
「道具と装置が十分にそろっていれば、チャップリンはたちどころに上手く作品を作る」という一つの例を示した作品であり、チャップリンは撮影のために船を借りて巧みな作品を作り上げた[1]。
あらすじ編集
チャーリーは船のオーナー(ウェズリー・ラッグルズ)に雇われて船乗りをかき集めるが、なぜか自分も船乗りにさせられてしまう。チャーリーはオーナーの娘(パーヴァイアンス)に片思いであるが、オーナーは保険金を得るために娘を乗せたまま持ち船を沈めようと企んでいた。陰謀を耳にしたチャーリーは、船長(ローレンス・W・ボウズ)と結託して娘を助けようと無理に連れてこられた船乗り(レオ・ホワイト)を身代わりにたてる。やがてチャーリーは娘を連れて船から抜け出し、直後に船は爆発して間一髪のところで助かる[1][2][3]。
背景編集
カメラマンのハリー・エンサインは、撮影に際してカメラに錘をつけ、それを揺り動かして船が(必要以上に)揺れている様子を再現した[1]。船内シーンの撮影は撮影所内でも行われ、こちらはセットの下に振り子を取り付け、これを動かして嵐と格闘する船内を表現した[1]。この2つの表現技法は、『チャップリンの移民』(1917年)にそのまま流用された[1][4]。また、「娘を質にとって保険金目当てで所有財産を爆破する」という設定は『チャップリンの消防夫』(1916年)に転用された[5]。
キャスト編集
- チャールズ・チャップリン:チャーリー
- ウェズリー・ラッグルズ:船のオーナー
- エドナ・パーヴァイアンス:オーナーの娘
- ローレンス・W・ボウズ:船長
- ジョン・ランド:コック
- バド・ジェイミソン:航海士
- ビリー・アームストロング:船乗り
- パディ・マグワイア:船乗り
- レオ・ホワイト:無理やり連れてこられた船乗り
etc
脚注編集
注釈編集
- ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を含む。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャップリンのフィルモグラフィーの整理システムでは46作目(#大野 (2007) p.252)
出典編集
- ^ a b c d e #ロビンソン (上) p.190
- ^ #Imdb
- ^ #BFI
- ^ #大野 (2007) pp.175-176
- ^ #大野 (2007) p.68
参考文献編集
- チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫(訳)、新潮社、1966年。ISBN 4-10-505001-X。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』上、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347430-7。
- デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』下、宮本高晴、高田恵子(訳)、文藝春秋、1993年。ISBN 4-16-347440-4。
- 大野裕之『チャップリン再入門』日本放送出版協会、2005年。ISBN 4-14-088141-0。
- 大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年。ISBN 978-4-14-081183-2。
外部リンク編集
- Shanghaied - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- チャップリンの船乗り生活 - インターネット・アーカイブ
- “46. Shanghaied (1915)” (英語). BFI Homepage - Chaplin Home. 英国映画協会. 2013年5月9日閲覧。