ディビジョン (ゲーム)

ディビジョン』(原題:Tom Clancy's The Division) は、ユービーアイソフトより2016年3月10日に発売されたコンピュータゲーム。対応プラットフォームはPlayStation 4Xbox OneMicrosoft Windows7/8.1/10。

ディビジョン
Tom Clancy's The Division
Tom Clancy’s The Division – Game logo.svg
ジャンル オンラインRPG
対応機種 PlayStation 4
Xbox One
Microsoft Windows 7/8.1/10
開発元 Massive Entertainment
発売元 ユービーアイソフト
人数 オンライン時1人-24人
メディア BD-ROM/ダウンロード
発売日 日本の旗 2016年3月10日
対象年齢 CEROD(17才以上対象)
売上本数 日本の旗13万6,233[1]
その他 オンライン専用
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トム・クランシーシリーズ初のオープンワールドゲームかつ、オンラインRPG[2]

概要編集

ウイルステロによって荒廃したニューヨークを舞台にしたオンライン専用RPG。オンライン専用ゲームであり、協力プレイやダークゾーンへの侵入はPS4版ではPlayStation Plusへの加入が、Xbox One版ではXbox Liveのゴールドメンバーシップへの加入が必要となる。成長要素があるため「RPG」と銘打たれているが、サードパーソン・シューティングゲームの要素が強い[3]

舞台となる荒廃したニューヨークはオープンワールドでリアルに再現される。

オンラインでは基本的には1人から4人までの協力プレイだが、「ダークゾーン」と呼ばれる特に汚染された隔離地域では対人対戦が可能となっている。ここでは他のプレイヤーを攻撃し金品を奪えるが、「ローグ」に認定されてしまう。ローグに認定されると賞金が設定され、他のプレイヤーから狙われやすくなる。

シーズンパスが同梱された「ゴールドエディション」もダウンロード版限定で発売された。

2016年2月に行われたオープンベータテストでは全世界で640万人が参加し、新規IPでは最大規模だとユービーアイソフトの公式サイトで発表された。

2018年6月のE3において、続編となる「ディビジョン2」が発表された。

ストーリー編集

ある年のブラックフライデー、平和なニューヨークで突如、新型ウイルスによるバイオテロが発生した。何者かがドル紙幣にウイルスをしみ込ませてばら撒いたため、「ドルインフル」と名付けられたウイルスは瞬く間にニューヨーク中に拡散し、感染が急拡大。パンデミックとなる。その後、ニューヨークは危険地帯として隔離され、やがて食料や水が尽き、インフラも停止。治安も悪化して完全に都市機能が喪失した。

ニューヨークの秩序を取り戻すためにJTF(統合任務部隊)が奔走するが、事態は悪化する一方で苦境に追い込まれる。そこで政府と法執行機関は、切り札であるスリーパーエージェント「ディビジョン」の派遣を決め、その第一波をニューヨークに派遣する。しかし、第一波のメンバー全員が消息を絶ってしまう。事態を重く見た政府は「ディビジョン」の第二波の派遣を決め、プレイヤーはその第二波のエージェントとして招集され、ウイルスによって崩壊したニューヨークの復興と事件の真相解明を目指す。

組織編集

ディビジョン
プレイヤーが所属する組織。正式には Strategic Homeland Division で頭文字を取ったSHDや、そのままディビジョンと呼ばれることが多い。
構成員は市民から選ばれて訓練され、平時は一般市民に紛れて暮らしているスリーパー・エージェントがほとんどである。問題が起こった時に大統領令により活性化・招集され任務を開始する。プレイヤーは任務途中で突如として連絡が途絶えた「第一波」のエージェントたちに続く「第二波」として派遣される。ディビジョン・エージェントの行動にはある程度の自由裁量が与えられているようで、NYでの任務を遂行するために何をどうするかは現場での各自の判断に任されている。
ディビジョン・エージェントにはSHDテックと呼ばれる一連の装備としてSHDウォッチ/スマートウォッチ、通信機器、ISAC(アイザック)という行動支援AI、HUD機能を内蔵したコンタクトレンズ、高性能な戦闘支援機材、そして基本的な銃火器類などが支給されているようだ。
なお、ディビジョンの設定は「ニューヨークに細菌テロが起きた場合、最悪の場合90%の人命が失われる」という軍事シミュレーションOperation Dark Winterに対応するために発令されたDirective 51(即応部隊の設立)という現実世界で起きた事象が生かされている。
JTF(ジョイントタスクフォース)
統合任務部隊。ニューヨークの街の治安維持や物資の輸送、医療や仮設住居の提供など、市民のために様々な活動をしている。ディビジョンエージェントと協力関係にある。
ニューヨークに展開しているJTFメンバーは警察、医療関係者、州軍などから構成されており、黄緑色のジャケットを目印としている。
クリーナーズ
ニューヨークの清掃局員や消防士の生き残り等によって組織された集団。街やウイルスを浄化するためと称して火炎放射器を手に全てを焼き払おうとしている。
ライカーズ
ライカーズ島に収容されていた重犯罪者によって組織された集団。ララエ・バレットが彼らをまとめ上げ、病的なまでの反権威主義の下で略奪や不法占拠、JTF隊員やディビジョンエージェントらの惨殺を繰り返す。自らの居場所を求めている。
LMB(ラスト・マン・バタリオン)
元米国陸軍中佐のチャールズ・ブリス率いる民間軍事会社。元々はウォール街の証券会社を守るためにマンハッタンに送り込まれた部隊だったが、事態を収拾できないJTFの惨状に失望し、治安回復を名目に自分たちによる街の「統治」を開始した。

用語編集

ISAC(アイザック)
ディビジョンのエージェントが運用している、コンピュータネットワークの管理AI。「Inteligent System Analytic Computer」の略。音声対話型インターフェースを持つプログラムで、感情や自我はない。移動経路や戦闘状況の提示、敵味方の識別、ウイルス汚染の検知、各種装備の制御、立体映像の記録など、多岐にわたる機能が搭載されている。
SHDテック
ディビジョンが使用する機器全般の名称。ウェアラブルデバイスを始め、プレイヤーの武器やスキル、SHD関連のネットワーク機器なども含まれる。
第一波
ディビジョンがマンハッタンに最初に送り込んだエージェントの一団。この第一波の全員が消息を絶ったため、主人公らが所属する「第二波」が招集された。組織の規模は第二波よりも大きい。
汚染エリア
レーダー上に表示される、バイオハザードマークで埋め尽くされた危険地帯。ドルインフルによって汚染されている場所で、この場所で活動するためには除染フィルター付きのマスクを装着しなければならず、マスクなしでは瞬く間に人体に異常をきたしてしまう。また、エリアの汚染レベルが高ければ高いほど、より高性能なフィルターを搭載したマスクが必要になる。大規模な仮設死体安置所や埋葬所、無造作に遺体が詰め込まれた裏路地など、一見して明らかに危険だと判断出来るような場所が汚染エリア指定されていることが多い。
ダークゾーン
マンハッタンのミッドタウン中央に位置する、特に汚染と治安の悪化が深刻な地域。JTFが感染の進行と暴動に対処し切れなくなり、そこにいた人々や物資全てを置き去りにして高い壁を築き、封じ込めた場所。そのため、中には貴重な装備や物資が大量に残されている。
中では取り残された者たちが暴徒と化し彷徨っており、その貴重な物資や装備を目当てに、感染の危険を冒して壁面の破損部位などから侵入する者が後を絶たない。ディビジョンのエージェントは、SHDテックを使用して検疫所から出入りすることになり、内部の情報や物資を収集するために侵入する。
ゾーン内のエリアは、汚染の深刻度に応じてDZ01~DZ09とランクが設けられており、最深部であるDZ09に近付くほど、この世の地獄とも言える光景が広がっていく。また、情報規制のためゾーン全域に極めて強力な妨害電波が流されており、それによりSHDテックがネットワークから遮断されてしまう。これによって特に敵味方の識別機能が不調になり、その結果としてエージェントの同士討ちが起こってしまうようになる。
ドルインフル
ブラックフライデーにおけるバイオテロに使用され感染が急拡大した、ウイルス性の伝染病。症状はかつて世界を震撼させた天然痘に酷似しているが、天然痘を遥かに凌ぐ驚異的な感染力の強さと致死率の高さを併せ持っている。何者かがドル紙幣にしみ込ませてウイルスをばら撒いため「ドルインフル」という名で呼ばれるようになり、瞬く間に感染が市中に広がり、ニューヨークをインフラ停止や治安喪失といった社会機能マヒ状態にした。ゲーム開始時点ではある程度沈静化しているが、治療法は確立されておらず各所に汚染エリアが残っているなど、依然脅威となっている。
正体は、天然痘をベースにインフルエンザなど他のウイルスの遺伝子を組み込んで生み出された、人造ウイルス。天然痘に比べて潜伏期間が非常に短く、感染からわずか2~3日で発症する(体質によっては即日発症する場合もある)。また、潜伏期間中に二次感染することもあり、接触感染や空気感染で拡散する。さらに、天然痘のワクチンが効かない上に適応性が高く、ワクチンや抗体の発見が難しい。ただし、強い紫外線を浴びると不活化するという弱点もある。
ウイルスの製法が特徴的で、デジタル化されたゲノムデータを直接加工し、コンピュータ上でシミュレーションを繰り返して調整を重ね、最終型のデータを「産業用タンパク質レプリケータ」と呼ばれる3Dプリンターのような機械で出力するという、工業的な方法で作られた。この手法により、時間がかかる「培養」の工程を省き、従来よりも遥かに速くウイルスの改良が可能になった。
オペレーション・ダークウィンター
9.11同時多発テロ事件をきっかけに、アメリカ政府において現実に行われた軍事訓練。作中でもベニテス隊長が言及している。
ニューヨークにおいて生物兵器や化学兵器によるテロが発生した場合の影響をシミュレーションしており、「ウイルスの致死性が十分に高ければ瞬く間に人口の90%が死亡し、数週間以内に都市の機能が完全に失われる」という結果がはじき出された。この結果に基づいて大統領令「Directive51」が正式に発令され、その下で自己裁量によって活動する特殊部隊が創設された、という部分までが現実の話で、「その特殊部隊がSHDである」という部分からがフィクションとなっている。

評価編集

週刊ファミ通のクロスレビューでは、10点、9点、8点、9点の合計36点(40点満点)でプラチナ殿堂入りした[要ページ番号]

関連書籍編集

Tom Clancy's The Division New York Collapse
作中に登場する書籍「New York Collapse 」を実際に出版したもの。著者はアレックス・アーヴァイン

映画化編集

2016年6月、『The Division』の実写映画化が進行中であることが発表された。主役にはジェイク・ジレンホールがキャスティングされ、ユービーアイソフト・モーション・ピクチャーズのCEOであるジェラール・ギエモとの共同製作となった[4]。 8月までには、ジェシカ・チャステインが本作の共演者にキャスティングされた[5]

2017年1月にはスティーヴン・ギャガンが監督に就任していたが[6]、2018年にはプロジェクトを離れた。2018年4月にはデヴィッド・リーチが監督に就任した。ケリー・マコーミック、ギレンホール、ギエモ、リヴァ・マーカー、チャステイン、ケリー・カーマイケルが本作のプロデューサーを務める[7]

2019年6月、UbisoftのE3 2019プレゼンテーションの中で、レイフ・ジャドキンスが脚本を務めることが発表された。Netflixが同作の配信権を購入し、ストリーミングサービスで独占的にリリースするという。本作は、Nine Stories Productions、Freckle Films、87eleven、Ubisoft Motion Picturesの共同制作プロジェクトとなっている[8][9]

出典編集

  1. ^ 【週間ソフト販売ランキング TOP50】『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』12.8万本で1位(5月9日〜15日)”. 電撃オンライン. 2016年5月21日閲覧。
  2. ^ 『ディビジョン』開発者インタビュー ――“新しいRPG”で『トム・クランシー』シリーズに新たな風を吹かせた。ファミ通.com 2015年11月4日
  3. ^ TPSであってRPGでもある?『ディビジョン』がオンラインRPGと銘打たれている理由に迫る【特集第3回/電撃PS】 PlayStation.com 2016年3月2日
  4. ^ Kroll, Justin (2016年6月1日). “Jake Gyllenhaal to Star in Ubisoft’s ‘The Division’ Movie (EXCLUSIVE)”. Variety. https://variety.com/2016/film/news/jake-gyllenhaal-the-division-movie-1201742202/ 2016年6月2日閲覧。 
  5. ^ Nakamura, Reid (2016年8月2日). “Jessica Chastain Joins Jake Gyllenhaal in Tom Clancy Video Game Adaptation ‘The Division’”. The Wrap. 2020年5月18日閲覧。
  6. ^ Kroll, Justin (January 19, 2017). “Stephen Gaghan to Direct ‘The Division’ Movie Starring Jake Gyllenhaal and Jessica Chastain (EXCLUSIVE)”. Variety. https://variety.com/2017/film/news/stephen-gaghan-division-movie-jake-gyllenhaal-and-jessica-chastain-1201962733/. 
  7. ^ Kroll, Justin. “‘Deadpool 2’s’ David Leitch to Direct Jessica Chastain, Jake Gyllenhaal in ‘The Division’ (EXCLUSIVE)”. Variety. https://variety.com/2018/film/news/david-leitch-the-division-jessica-chastain-jake-gyllenhaal-deadpool-2-1202764110/ 2018年4月19日閲覧。. 
  8. ^ https://www.87eleven.net/
  9. ^ McNary, Dave. “Netflix Buys ‘Tom Clancy’s The Division’ Starring Jessica Chastain and Jake Gyllenhaal”. Variety. https://variety.com/2019/film/news/jessica-chastain-jake-gyllenhaal-the-division-movie-netflix-1203238700/ 2019年6月10日閲覧。. 

関連項目編集

外部リンク編集