ブラックフライデー (買い物)
ブラックフライデー(英語: Black Friday)とは、感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日の金曜日のことである。小売店などで大規模な安売りが実施される。

アメリカ合衆国では感謝祭(11月の第4木曜日)の翌日は正式の休暇日ではないが休暇になることが多く、ブラックフライデー当日は感謝祭プレゼントの売れ残り一掃セール日にもなっている。買い物客が殺到して小売店が繁盛することで知られ、特にアメリカの小売業界では1年で最も売り上げを見込める日とされている[1][2]。また、年末商戦の幕開けを告げるイベントでもある[2][3]。
アメリカ 編集
1961年ごろから、フィラデルフィアで始まり、1975年にはかなり広まった比較的新しい言葉で、当日は買い物客で道路が混むことからそう呼ばれている。名付けたのはフィラデルフィアの警察で、人が外に溢れて仕事が増えるために「真っ暗な金曜日」と呼んだことがきっかけとされる。当初、小売店などはこの言葉に不快感を示して「ビッグフライデー」という言葉を作ったが、一般には「ブラックフライデー」で広まった。その後、フィラデルフィアの新聞が「小売業者が儲かり黒字になる」という解釈を発表してからは、良い意味で使われるようになった[4]。「ブラックマンデー」(1987年の世界的株価大暴落の開始日)などという言葉との連想で使われている。
日本 編集
日本でも11月は年末商戦を控えて売り上げが伸び悩むため、消費喚起を狙って、ブラックフライデーのセールが開催されるようになった。2014年に外資系企業の日本トイザらスが初めてブラックフライデーのセールを開催した[5]。その後、2016年に流通大手のイオンが国内資本企業としては初の本格的なブラックフライデーを開始し[1][6][7][8]、アマゾンジャパンも2019年からブラックフライデーによるタイムセールを行った[9]。
日本の場合、感謝祭に類似する祝日である勤労感謝の日(11月23日)にあわせて[10]、あるいは冬物ニーズが高まる二十四節気の一つ・小雪(11月21日頃)にあわせて[注釈 1]実施されることが多く、アメリカの「ブラックフライデー」より1週間程度早いことが多い。
日本には感謝祭の習慣がなくアメリカに比べ盛り上がりが限定的との声もあり、「年末需要の先食いになるだけ」との意見もある[13][14]。
イギリス 編集
イギリスでは、クリスマス翌日から行われる一斉セール、ボクシング・デーという年末商戦があるが、イギリス国内でも約1か月早く始まるブラックフライデーが浸透しつつあり、2019年のボクシング・デー商戦が不振に終わった理由の一つとして挙げられるようになった[15]。
脚注 編集
注釈 編集
出典 編集
- ^ a b c 売上高7割増の好発進 北陸でもブラックフライデー 北国新聞 2016年11月26日閲覧。
- ^ a b c 日本でもブラックフライデー=米国発商戦、イオンなど実施 時事通信、2016年11月26日閲覧。
- ^ a b 「ブラックフライデー」日本でも…黒字の金曜 読売新聞、2016年11月26日閲覧。
- ^ 方顕哲 (2015年10月3日). “【萬物相】「韓国版ブラックフライデー」、人気商品は割引対象外”. 朝鮮日報. オリジナルの2015年10月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ 日本トイザらス株式会社 (2014年11月26日). “日本トイザらス、「ブラック・フライデー」キャンペーンを初開催”. PR TIMES. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “【ノジマ】ブラックフライデーセール開催! – PS VRが当たるブラックボックスをGETする方法]”. usedoor (2016年11月25日). 2016年11月28日閲覧。
- ^ “イオン最強のネットセール「サイバーウィーク」が11月25日から開催!〜店舗では「ブラックフライデー」も日本に導入”. ネタとぴ (2016年10月28日). 2016年11月27日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2022年11月25日). “ブラックフライデーとは 日本でも定着?”. NHKニュース. 2022年11月27日閲覧。
- ^ アマゾンジャパン合同会社 (2019年11月15日). “「Amazonブラックフライデー」を日本で初開催”. PR TIMES. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “日本でも広がるブラックフライデー 22日からセール”. 朝日新聞. (2019年11月21日) 2019年11月21日閲覧。
- ^ “アマゾンもセール前倒し 米発祥のブラックフライデー、日本でなぜ早い?”. 共同通信(神戸新聞配信). (2019年11月19日) 2019年11月21日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 田沢梓門 (2020年11月24日). “「狙い目を逃さない」「本当にお得に買う」Amazonのブラックフライデー・サイバーマンデーの勝ち方 : リストの活用15分の判断”. Engadget日本語版. 2020年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月26日閲覧。
- ^ 『中日新聞』、2019年11月22日、9面(朝刊)。
- ^ 「ブラックフライデー広がる 年末商戦「先食い」懸念も」『日本経済新聞』、2018年11月22日。
- ^ “英伝統の「ボクシング・デー」、米ブラック・フライデー普及で不振”. BBC (2019年12月27日). 2020年1月6日閲覧。