ドック
船の建造、修理、係船、荷役作業などのために築造された設備及び施設
ドック(蘭: dok、英: dock)は、船の建造、修理、係船、荷役作業などのために海岸、河岸、湖岸等を掘り込みまたは埋め立てて築造された湾入状・袋状の平面形の土木構造物である。また、同様な目的の浮体構造物である浮ドックも含まれる。船渠(せんきょ)ともいう。単にドックと言った場合は乾ドック(ドライドック)を指すことが多い。船体を水から上げることは「上架」(じょうか)と呼ばれ、その際に船体を載せる台は「船台」(せんだい)と呼ばれる[1]。

1874年の完成当時の原形をほぼとどめている現役ドライドックである横須賀海軍施設四号ドック
ドッグ(=犬)は誤記。
ドックの種類編集
荷役用ドック編集
荷役用ドックは、潮汐による干満差の大きな港湾に設けられ、満潮時に船をドック内に入れてから扉を閉じて水を閉じ込めておき、干潮時にも船底がつかないようにして、船を安定させた状態で岸壁に繋ぎ留めて旅客の乗降や貨物の積み卸しを行うドックである。一般に欧州域は干満差が大きいため、輸送船などが小型であった時代には港湾荷役施設として広く普及していた[2][3]。「係船ドック」「係船渠」「湿ドック」「ウェットドック」などは同様や類似のものである。
参考文献編集
- 川崎豊彦著、『船舶の基本と仕組み』、秀和システム、2010年6月1日第1版第1刷発行、ISBN 9784798025940