ドーセット

イングランドの州
ドーセット州から転送)

ドーセット(Dorset)は、イングランド南西部の地域で、ドーセット州(the county of Dorset、Dorset county)とも呼ばれる。かつてはドーセットシャー(Dorsetshire)とも呼ばれていた。州都はドーチェスター(Dorchester)である。西にデヴォン州、北西にサマセット州、北東にウィルトシャー州、東にハンプシャー州と接している。州のモットーは"Who's Afear'd"である。

ドーセット
カウンティカウンシルモットー Who's afear'd
地理
様態 典礼および非都市カウンティ
リージョン イングランド南西部
面積
総面積
行政区画
行政面積
20 位
2,653 km2 (1,024 sq mi)
21 位
2,542 km2 (981 sq mi)
カウンシル所在地ドーチェスター
ISO 3166-2GB-DOR
ONSコード 19
NUTS 3 UKK22
人口統計
人口
総人口 (2005)
人口密度
行政区分
31位
772,268
265/km2 (690/sq mi)
[[List of non-metropolitan counties of England by population|]]
民族構成 98.1% 白色人種
政治

ドーセット州議会
https://www.dorsetcouncil.gov.uk/
国会議員
ディストリクト
  1. ウェイマス・アンド・ポートランド英語版
  2. ウェスト・ドーセット英語版
  3. ノース・ドーセット英語版
  4. パーベック英語版
  5. イースト・ドーセット英語版
  6. クライストチャーチ
  7. ボーンマス(単一自治体)
  8. プール(単一自治体)

隣接カウンティ (A–D): デヴォンサマセットウィルトシャーハンプシャー

人口統計 編集

2001年の統計によると、ドーセット州の人口は390,980人である。かつては州の一部であったボーンマスに163,444人、プールに138,288人がいる。以下の統計は、この2つの地区を除いたものである。

州の人口の91.3%はイングランド内で生まれており、さらに95.2%は、イギリス内で産まれている。98.8%は白人であり、少数派民族の人口は極めて少ない。

78%はキリスト教徒であり、13.7%は特定の宗教を信仰していない。

ドーセット州はイースト・サセックス州の次に人口に占める高齢者の割合が多い州である。人口の25.9%が65歳以上であり、16歳から74歳までの人口の13.9%が引退している。イギリスの34州の中で最も低い出産率をもっており、わずか1000人当たり9.6である。イースト・サセックス州、デヴォン州についで、最も高い死亡率を示している。1996年には、その差が1056人に達し、人口が1000人当たり2.7人減少していた。しかし、1997年には7200人の移民がドーセット州とプール、およびボーンマスに移住している。これにより、1997年の人口増加率はケンブリッジシャー州についで高い、17.3%を示した。

主要な産業 編集

ドーセットの伝統的な産業は、農業であった。しかし、農業の機械化に伴い、農業従事者は数を減らしている。また近年、競争が激化するにつれ、州の経済で農業の占める割合は低下を続けている。2002年に190,271haが農業に使われているが、1989年には198,558haが使われていた。同じ期間に主要な産業の1つである食用牛の数は240,413頭から178,328頭に減少しており、乳牛の数も102,589頭から73,476頭に減少している。羊と豚の数も同じように減少している。

19世紀の始めから、観光がドーセットのもう1つの産業の柱となっている。2002年には420万人のイギリス人と26万人の外国人旅行客が州を訪れており、7億8600万ポンドを支出している。外国人旅行客は、1998年に41万人を記録しているが、1999年には31万人に減少し、2001年には32万人と少し回復したものの、翌年には大幅に減少している。これは地球温暖化イラク戦争などの影響が指摘されている。

ドーセットは特に目立った工業を持たず、平均の18.8%の雇用率に対し、イギリス全体で34州中30番目の14.6%に止まっている。

州の1人あたりのGDPは、平均の84%である。

市町村 編集

ドーセットには、数多くの小さな村があるが、大きな町はわずかしかなく、市と呼ばれているものはない。最も大きな町は、南西の海岸沿いのリゾート町のボーンマスと伝統的な港町であるプール、それにクライストチャーチとその周りの村をあわせた集合都市である。この集合都市は、市と呼ぶのに相応しい規模を持っているが、法律的には別々の町である。19世紀の半ばごろには、ここにはプール港を中心とした小規模な町しかなかったが。ビクトリア時代に海水浴が広まり、ボーンマスがリゾート地として発展しき、州の南西部は高級リゾート地として発展していくことになる。例えば19世紀ごろはプールのサンドバンクス地区は農民にさえ、利用する価値のない土地として見捨てられていたが、現在では世界で3番目に地価の高い地区である。1974年に州境の変更があり、隣のハンプシャ州から、ボーンマスとクライストチャーチが州に組み込まれた。

州には他にも2つの大規模な集落があり、1つは州都のドーチェスターであり、もう1つは観光地として有名で、ジョージ3世も頻繁に訪れていたウェイマスである。

ブランドフォード・フォーラムシェアボーンウェセックス王国の古都)、ギリンガムシャフツベリースターミンスター・ニュートンは、伝統的な市が開かれていた場所であり、ブラックモア・ヴェールやハーディズ・ヴェールの村や農家の交流地である。ブランドフォードに、ホール・アンド・ウッドハウス社所有のバッジャー醸造所がある。同州のブリッドポートライム・レジス、それにウェアハムもかつて市が開かれていた場所が町になっている。

ドーチェスターの西の端に、ポンドベリーというニュータウンが作られた。チャールズ3世(当時皇太子)が設計を手伝い、命名している。商業地区と居住区が一体となるように設計されており、郊外ベッドタウン化や車社会に一石を投じるものとなっている。

外部リンク 編集