ニューイヤーズデイ (競走馬)

ニューイヤーズデイNew Year's Day2011年4月22日 - )は、アメリカ合衆国生産のサラブレッド競走馬種牡馬2013年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルに優勝したが、その後怪我により引退に追い込まれた。その後種牡馬として、マキシマムセキュリティなどを出している。

ニューイヤーズデイ
欧字表記 New Year's Day
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2011年4月22日[1]
Street Cry
Justwhistledixie
母の父 Dixie Union
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Clearsky Farms[2]
馬主 West, Gary and Mary[2]
調教師 Bob Baffert[2]
競走成績
生涯成績 3戦2勝[3]
獲得賞金 1,154,000ドル[4][5]
勝ち鞍
GI BCジュヴェナイル 2013年
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馬名は日本に輸入されるまでは、「ニューイヤーズデ」と表記されることがあった。

経歴 編集

ケンタッキー州のクリアスカイファームで生産されたサラブレッドの牡馬である。父はドバイワールドカップなどに勝ったストリートクライ、母ジャストウィッスルディキシーはダヴォナデールステークス(G2)などの勝ち鞍がある馬であった。ニューイヤーズデイは2012年のキーンランドイヤリングセールに上場され、ベン・グラスの仲介のもと、425,000ドルでウェスト夫妻に落札された[2]

ボブ・バファート調教師のもとで競走馬として馴致された。そして2013年8月18日のデルマー競馬場で行われた9頭立ての未勝利戦(ポリトラック5.5ハロン・約1105メートル)でデビューを迎え、ギャレット・ゴメス騎手のもとで3着に入った[6][7]。2週間後、ニューイヤーズデイは同じくデルマーで行われた未勝利戦(8ハロン・約1609メートル)に出走し、単勝オッズ1.9倍の1番人気に支持され、それに応えるように1馬身3/4差をつけて初勝利を挙げた[8][7][注 1]

ニューイヤーズデイ陣営が3戦目に選んだのは、この年はサンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(8.5ハロン・約1709メートル)で、鞍上をマルティン・ガルシアに乗り替えて登録された。同年のこの競走にはシャンペンステークス勝ち馬のハバナや、ホープフルステークス勝ち馬ストロングマンデートなどが出走しており、ニューイヤーズデイは単勝オッズ11倍と穴馬扱いであった。ゲートが開くとコンクエストタイタンという馬が先手を取り、それにハバナやストロングマンデートなどが後ろにつけて追いかけ、ニューイヤーズデイは中団に位置する展開になった。6ハロンが過ぎて第3コーナーに差し掛かる頃合いでハバナやストロングマンデートらが先頭を奪おうと動き出していた。ニューイヤーズデイとガルシアも進出し始めるが、ガルシアはこのペースで争うのはニューイヤーズデイに得策ではないと判断し、チャンスが来るのを慎重に待っていた。内側と前方で壁ができて、前が開かない状況のまま直線に入っていったニューイヤーズデイであったが、残り1ハロンを迎えたときに、内側の馬が後退したその瞬間を見計らってすり抜け、ハバナとストロングマンデートの2頭を交わしてゴール、2着のハバナに1馬身1/4差をつけて優勝を手にした[7]

しかし、同年のクリスマスイヴの頃の調教中に怪我し、左後肢の種子骨が欠けてしまった。このため12月26日に引退を発表し、ヒルンデールファームで種牡馬入りすることとなった[9]。翌年の年初にエクリプス賞の投票が行われ、ニューイヤーズデイも最優秀2歳牡馬の候補となったものの、同年無敗で連勝を重ねたシェアードビリーフに敗れて受賞はならなかった[10]

種牡馬入り後 編集

2014年よりケンタッキー州のヒルンデイルファームで種牡馬となり、初年度の種付け料は12,500ドル[11]、翌年2015年には7,500ドル[12]に設定されていた。

2018年、ニューイヤーズデイはブラジルオーナーブリーダーであるルイス・フェリペ・ブランドン・ドス・サントスによって購入され、同氏の持つエテルナメンテリオ牧場へと輸出された[4][5]。2019年5月、アメリカの競馬情報誌ブラッド・ホースはニューイヤーズデーが日本の牧場から購入されたと報じた[4][5]。その後10月18日に北海道安平町社台スタリオンステーションに到着、同地で繋養されている[13]

日本における種牡馬繋養1年目に、158頭の繁殖牝馬と交配され、103頭が出産、102頭が血統の登録をされた[14]。2023年の種付け頭数は157頭となった[14]

そして、2023年8月27日の新潟競馬場で行われた2歳新馬(芝1600m)において、ベストオブユー(美浦久保田貴士厩舎)[15]が勝利を飾り、JRAとしての産駒初勝利を飾った[14]

主な産駒 編集

2016年産

血統表 編集

ニューイヤーズデイ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

Street Cry
アイルランド 1998 黒鹿毛
父の父
Machiavellian
アメリカ 1987 黒鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Coup de Folie Halo
Raise the Standard
父の母
Helen Street
イギリス 1982 鹿毛
Troy Petingo
La Milo
Waterway Riverman
Boulevard

Justwhistledixie
アメリカ 2006 黒鹿毛
Dixie Union
アメリカ 1997 黒鹿毛
Dixieland Band Northern Dancer
Mississippi Mud
She's Tops Capote
She's a Talent
母の母
General Jeanne
アメリカ 1999 鹿毛
Honour and Glory Relaunch
Fair to All
Ahpo Hel Mr. Leader
Tiy
母系(F-No.) 8号族(FN:8-c) [§ 3]
5代内の近親交配 [§ 4]
出典
  1. ^ equineline.com[1]、JBISサーチ[16]
  2. ^ 競馬ラボ[17]
  3. ^ JBISサーチ[16]
  4. ^ equineline.com[1]

血統背景 編集

  • 母 Justwhistledixie は現役時代にG2を2勝した活躍馬[18]。母としては今までに送り出した5頭中4頭(ニューイヤーズデー含めて)がグレードレース勝ち馬という非常に優秀な繁殖成績を収めている[19][20][21]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ このとき2着に破ったボンドホルダーBond Holder)という馬は、のちにフロントランナーステークスに優勝している(bloodhorse.com)。

出典 編集

  1. ^ a b c New Year's Day”. equineline.com. 2019年5月23日閲覧。
  2. ^ a b c d New Year's Day - Horse Profile”. bloodhorse.com. 2019年5月22日閲覧。
  3. ^ New Year's Day(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2019年5月22日閲覧。
  4. ^ a b c Eric Mitchell (2019年5月10日). “New Year's Day Headed to Japan”. bloodhorse.com. 2019年5月22日閲覧。
  5. ^ a b c マキシマムセキュリティの父ニューイヤーズデー、日本の牧場が購買”. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2019年5月22日閲覧。
  6. ^ DEL MAR - August 17, 2013 - Race 6”. equibase.com. 2019年5月22日閲覧。
  7. ^ a b c Evan Hammonds (2013年11月2日). “New Year's Day Pops Cork in BC Juvenile”. bloodhorse.com. 2019年5月22日閲覧。
  8. ^ DEL MAR - August 31, 2013 - Race 4”. equibase.com. 2019年5月22日閲覧。
  9. ^ Ron Mitchell (2013年12月26日). “New Year's Day Retired Due to Injury”. bloodhorse.com. 2019年5月23日閲覧。
  10. ^ Ron Mitchell (2014年1月18日). “Shared Belief Defies History to Win Eclipse”. bloodhorse.com. 2019年5月23日閲覧。
  11. ^ BloodHorse Staff (2014年1月1日). “Hill 'n' Dale Sets Fee for New Year's Day”. bloodhorse.com. 2019年5月23日閲覧。
  12. ^ BloodHorse Staff (2014年10月9日). “Hill 'n' Dale's 2015 Roster, Fees Released”. bloodhorse.com. 2019年5月23日閲覧。
  13. ^ ニューイヤーズデイが社台SSに到着”. netkeiba.com (2019年10月21日). 2019年10月22日閲覧。
  14. ^ a b c ニューイヤーズデイ産駒がJRA初勝利”. 競走馬のふるさと案内所 (2023年9月8日). 2023年9月18日閲覧。
  15. ^ 競走馬情報 ベストオブユー”. 日本中央競馬会. 2023年9月18日閲覧。
  16. ^ a b 血統情報:5代血統表|New Year's Day(USA)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2019年5月22日閲覧。
  17. ^ ニューイヤーズデイの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2020年7月24日閲覧。
  18. ^ Justwhistledixie (KY)”. EquiBase. 2020年3月10日閲覧。
  19. ^ Mohaymen (KY)”. EquiBase. 2020年3月14日閲覧。
  20. ^ Kingly (KY)”. EquiBase. 2020年3月14日閲覧。
  21. ^ Enforceable (KY)”. EquiBase. 2020年3月14日閲覧。

外部リンク 編集