バ・ヌダウ

マリ共和国の暫定大統領

バ・ヌダウフランス語: Bah Ndaw1950年8月23日 - )は、マリ共和国軍人。最終階級は大佐2020年のクーデターの後に移行政府の大統領を務めた[1]N'Daw[1]N'Dah[2]N'Daou[3]とも綴る。

バ・ヌダウ
Bah Ndaw
マリ共和国の旗 マリ共和国移行大統領
任期
2020年9月25日 – 2021年5月26日[note 1]
首相モクタール・ウアンヌ英語版(暫定)
副大統領アシミ・ゴイタ(移行)
前任者アシミ・ゴイタ(国家元首)
後任者アシミ・ゴイタ(移行)
マリ共和国の旗 マリ共和国国防大臣
任期
2014年 – 2015年
個人情報
生誕 (1950-08-23) 1950年8月23日(74歳)
フランスの旗 フランス領スーダン(現マリ共和国の旗 マリ)、セグー州サン
兵役経験
所属国マリ共和国の旗 マリ
所属組織マリ共和国軍
最終階級大佐

経歴

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1950年8月23日、フランス領スーダンセグー州サン生まれ。1973年に軍隊に入隊し、1976年からクリコロにある陸軍士官学校隊内選抜科英語版(EMIA)にて基礎訓練を受け、空軍を選択。ソビエト連邦にて訓練を受け、ヘリコプターの操縦を学んだ。1978年、EMIAを卒業[2]。軍では空軍参謀長を務めた[1]。このほか、軍事クーデターによって政権を掌握したムーサ・トラオレ大統領の補佐官も務めている[1]

2014年に国防大臣に就任、1年間務め退任。

2020年8月18日にアシミ・ゴイタ軍事クーデターを引き起こし、イブラヒム・ブバカール・ケイタ大統領が退陣[4][5]。新たな統治機構としてマリ国民救済委員会が樹立され[6]、その委員長に就任し首班格となったゴイタは9月21日、文民政権が発足するまで設置される18カ月限定の移行政権の大統領にバ・ヌダウを指名した[7]。9月25日に移行政権発足。旧ゴイタ政権に対する反対勢力連合『M5-RFP』はバ・ヌダウ支持を表明している[1]

2021年5月24日に内閣改造を行い、軍のメンバー2人を交代させたが、その数時間後に軍によりモクタール・ウアンヌ英語版暫定首相らと共に拘束された[8]。翌25日、ゴイタはヌダウとウアンヌの追放を発表し、権限を掌握した。ゴイタは追放の理由について、自身に内閣改造に関する相談がなかったためとしている[9]。ヌダウは26日にウアンヌと共にゴイタに辞任を表明し[10]、27日に軍から身柄の解放が発表され[11]、8月27日には自宅軟禁からも解放された[12]

人物

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身長が1m95cmと高身長であることから、ル・グラン(le Grand、フランス語で大きいものを指す)と呼ばれている[1]

註釈

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  1. ^ 2021年5月24日に逮捕され、政権は事実上崩壊。

出典

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  1. ^ a b c d e f “Bah N'Daw: The retired colonel chosen to return Mali to civilian rule”. ドイチェ・ヴェレ. (2020年9月26日). https://www.dw.com/en/bah-ndaw-the-retired-colonel-chosen-to-return-mali-to-civilian-rule/a-55016448 2020年9月28日閲覧。 
  2. ^ a b “Mali: Who is Bah N’dah, the new transitional president?”. The Africa Report. (2020年9月25日). https://www.theafricareport.com/43146/mali-who-is-bah-ndaw-the-new-transitional-president/ 2020年9月28日閲覧。 
  3. ^ “Mali Pronounces Ex- Defence Minister Ba N'Daou as Interim President”. アフリカニュース. (2020年9月21日). https://www.africanews.com/2020/09/21/mali-pronounces-ex-defence-minister-ba-n-daou-as-interim-president/ 2020年9月28日閲覧。 
  4. ^ “暫定政権トップに軍大佐 クーデター発生のマリ”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2020年8月20日). https://web.archive.org/web/20200821061329/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020082000165&g=int 2020年8月20日閲覧。 
  5. ^ “マリ陸軍大佐、自らを軍事政権トップと発表 国際社会はクーデター非難”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年8月20日). https://www.afpbb.com/articles/-/3300050 2020年8月20日閲覧。 
  6. ^ “Mali Coup Leaders Pledge Democracy After Deposing President”. ニューヨーク・タイムズ. (2020年8月19日). https://www.nytimes.com/2020/08/19/world/africa/mali-military-coup.html 2020年9月28日閲覧。 
  7. ^ “マリ、クーデター後の移行政権トップに元国防相を指名”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年9月22日). https://www.afpbb.com/articles/-/3305821 2020年9月23日閲覧。 
  8. ^ “西アフリカのマリ、軍が大統領・首相らを拘束 政情不安深まる”. ロイター通信. ロイター. (2021年5月25日). https://jp.mobile.reuters.com/article/amp/idJPKCN2D528P 2021年5月30日閲覧。 
  9. ^ “マリ大統領と首相追放、副大統領が権限掌握”. CNN. CNN. (2021年5月26日). https://www.cnn.co.jp/amp/article/35171303.html 2021年5月30日閲覧。 
  10. ^ “FULL CIRCLEMali: With Bah N’Daw resignation, Assimi Goïta becomes president”. The Africa Report. (2021年5月26日). https://www.theafricareport.com/92250/mali-with-bah-ndaw-resignation-assimi-goita-becomes-president/ 2021年5月30日閲覧。 
  11. ^ “マリ軍、暫定政府の大統領と首相を解放 拘束から3日”. AFP通信. フランス通信社. (2021年5月27日). https://www.afpbb.com/articles/amp/3348819 2021年5月30日閲覧。 
  12. ^ “Mali : levée des restrictions pour Bah N’Daw et Moctar Ouane”. Jeune Afrique. Jeune Afrique. (2021年8月28日). https://www.afpbb.com/articles/amp/3348819 2021年8月28日閲覧。 
公職
先代
アシミ・ゴイタ
マリ国民救済委員会委員長として
  マリ共和国移行大統領
2020 - 2021
次代
アシミ・ゴイタ