ヒト族
ヒト族 (Hominini) は、ヒト亜科に含まれる族の一つである。定義には諸説あり、ヒト亜科の大型類人猿をゴリラ族(ゴリラ系統)・チンパンジー族(チンパンジー系統)として区別し[1]、残りをヒト族(ヒト系統、すなわち人類[2])とするものと、ヒト族の下にヒト亜族、チンパンジー亜族とを並列にわける場合がある。後者のヒト族には、現生種はヒト属のヒト、チンパンジー属のチンパンジー、ボノボの3種のみが含まれる。
ヒト族 | |||||||||||||||||||||||||||
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チンパンジー Pan troglodytes
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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亜族(諸説あり) | |||||||||||||||||||||||||||
分子的な証拠では 656万年前±26万年[3]にヒト(人類)へと続く系統からゴリラ系統が分かれ、それから487万年前±23万年[3]にチンパンジー系統とヒト系統に分岐したとする[3]。ゴリラ系統との分岐を約1000万年前、チンパンジー系統との分岐を約700万年前とする研究もある[4][5][6]。
チンパンジー属に絶滅した種は見られず、ヒト属の方にだけ偏っているのは興味深い事実である。しかし種分化が起こった頃に絶滅したオロリン属とサヘラントロプス属は、ヒト属とチンパンジー属の共通の祖先であると考えられている。
脚注
編集- ^ 山田博之・中務真人・國松豊・濱田穣・石田英實「上顎犬歯形態からみた人類進化」『Anthropological Science (Japanese Series)』第130巻 1号、日本人類学会、2022年、21-54頁。
- ^ 諏訪元「ヒトの進化」、日本進化学会 編『進化学辞典』共立出版、2012年、436-441頁。
- ^ a b c “DNA人類進化学 ~ 3.ヒトがサルと分かれた日”. 遺伝学電子博物館. 国立遺伝学研究所. 2009年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月29日閲覧。
- ^ 池田清彦『38億年 生物進化の旅』新潮社、2010年、186頁。ISBN 978-4104231065。
- ^ “800万〜700万年前か=人類出現、DNA解析で―国際チーム”. WSJ日本版. 時事通信社. (2012年8月14日). オリジナルの2013年4月28日時点におけるアーカイブ。 2020年1月29日閲覧。
- ^ “類人猿:800万年前にゴリラ祖先 歯の化石「1000万年前に人類分岐」説補強 兵庫の博物館など解明”. 毎日新聞. (2016年2月11日) 2020年1月29日閲覧。
外部リンク
編集- ウィキスピーシーズには、ヒト族に関する情報があります。