ヒメカイウ(姫海芋、Calla palustris)は、サトイモ科の植物。本種のみでヒメカイウ属を構成する。和名はミズザゼン、ミズイモともいう。

ヒメカイウ
Calla palustris.jpg
保全状況評価
準絶滅危惧環境省レッドリスト
Status jenv NT.png
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉植物 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: サトイモ科 Araceae
: ヒメカイウ属 Calla
: ヒメカイウ C. palustris
学名
Calla palustris L.
和名
ヒメカイウ
ミズザゼン
ミズイモ
英名
Bog Arum[1], Marsh Calla[2]

目次

名称編集

ヒメカイウはカール・フォン・リンネ記載した植物である。ヒメカイウ属の学名 Calla の由来はよくわかっていないが、「意味のわかっていない古代の名前」(エイサ・グレイ)などとする解釈がある[1]。種小名 palustrisラテン語で「沼地を好む」の意で、本種が沼地などの湿った場所に生育することを示している[3]。なお、属名のカナ読みであるカラーは、通常別属のオランダカイウ属の種、あるいはオランダカイウのことを指す。

和名のヒメカイウは、小型のカイウ(オランダカイウ)であることを意味している。

分布編集

北半球の北部の湿地や沼などに分布し、北アメリカアラスカから五大湖にかけてや[4]、ヨーロッパ、アジアの一部に分布する[5]。日本では北海道や本州の中北部に分布し、低地から山地の湿地に生育する[6]

特徴編集

外観は小型のミズバショウといった形態をしている。葉は卵心形~円心形で大きさ5-15cm、10-20cmの葉柄をもつ[4]。花茎は長さ15-30cmで[6]、上部に花弁を欠く小さい黄色の雄花をつけ、その下に両性花があり、緑色の子房を6本の雄蕊が取り巻いている[4]。花期は6-7月で、花の外側には白色の長さ4-6cmの仏炎苞をもつ[6]

果実は赤色でベリー状になり、その中に数個の種子を生産する[4]。 ベリー状の果実にはサポニンなどの毒素が含まれているとされる[4]。また、植物体にはシュウ酸が含まれており、有毒である[4]

利用編集

スカンディナヴィアでは、本種の根を煮てすりつぶし、しばらく置くことで毒抜きをしてから食用とすることがある[4]。また、先住民族の間では、本種を薬草として風邪や発熱などに用いる[4]

脚注編集

  1. ^ a b Meehan (1878) p.105
  2. ^ Blanchan, Neltje (1901). Wild Flowers: An Aid to Knowledge of our Wild Flowers and their Insect Visitors. Doubleday.
  3. ^ Meehan (1878) p.108
  4. ^ a b c d e f g h Heinjo Lahring,University of Regina. Canadian Plains Research Center 2003. Water and Wetland Plants of the Prairie Provinces. Canadian Plains Research Center p.66
  5. ^ William Cullina 2000. Wildflowers a Guide to Growing and Propagating Native Flowers of North America. Houghton Mifflin
  6. ^ a b c 佐竹義輔大井次三郎北村四郎『フィールド版 日本の野生植物 草本』(1985年、平凡社)I-p.64

参考文献編集

  • Heinjo Lahring, University of Regina. Canadian Plains Research Center 2003. Water and Wetland Plants of the Prairie Provinces. Canadian Plains Research Center
  • Thomas Meehan 1878. The native flowers and ferns of the United States in their botanical, horticultural and popular aspects. L. Prang.