プレーリー・オイスター
プレーリー・オイスター(英: Prairie Oyster)は、鶏卵の卵黄を主材料としたノンアルコールカクテル。
プレーリー・オイスター | |
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基本情報 | |
種別 | ノンアルコールカクテル |
作成技法 | ビルド |
グラス | オールド・ファッションド・グラス |
アルコール度数 | |
度数 |
0度 |
レシピの一例 | |
ベース | 卵黄 |
材料 |
卵黄 …… 1個分 |
ウスターソース …… 小さじ1 | |
トマトケチャップ …… 小さじ1 | |
ビネガー …… 2ふり | |
コショウ …… 1ふり |
概要
編集名称は直訳すれば「大草原のカキ(牡蠣)」となる。イギリスのカクテルレシピ本『The flowing bowl』によれば、かつてアメリカのテキサス州の草原で、病気で死に瀕した男がカキを食べたいと言い出し、仲間が苦心の挙句にソウゲンライチョウの卵を入手し、カキに似せて調味して与えたという話が由来とされる[3][4]。味ではなく喉ごしをカキに似せたとの解釈もあり、生ガキを好むニューヨーカーが、カキのない季節に代用で飲むともいう[5]。
二日酔いに効くともいい[1][2][6]、特にアメリカ西部では有名な二日酔い対策である[7]。テレビアニメ『カウボーイビバップ』にも、二日酔いに効くカクテルとして登場している[8]。この効果の根拠としては、卵に含まれるシステインが、二日酔いの原因の一つであるアセトアルデヒドの分解を促進するとの説がある[8][9]。一方で、アセトアルデヒドは二日酔いには関連しないとして、この効果を否定する説もあり[10]、専門家からは、二日酔いへの効果はほとんど無いとの意見も寄せられている[11]。
レシピ
編集作り方
編集卵黄を崩さないように注意しながらグラスに入れ、そこへほかの材料を加える[2][12]。逆に、ソース、ケチャップ、ビネガーを混ぜた中に卵黄を落とし、コショウを振るという作り方もある[1]。飲む際には、卵黄を崩さないように一気に飲むのが正しいとも[2][12]、卵黄を砕いても構わないともいう[1]。
バリエーションとして、ケチャップではなくトマトジュースを用いることもあり[13]、唐辛子の粉末[2]、タバスコ[2][6]、セロリソルト[2]、塩などが用いられることもある[7][14]。ウォッカ[6][7]、ブランデー[2]、バーボン・ウイスキーなどを用いてアルコール仕立てにする場合もあるが[14]、これは二日酔い対策として飲む際、迎え酒の効果を高めるためともいわれる[13]。
脚注
編集- ^ a b c d 荻野 2010, p. 109
- ^ a b c d e f g h ビッグズ 1997, p. 40
- ^ Edward Spencer (1899). The flowing bowl. Stanley Paul. p. 167. NCID BA32329280
- ^ 城アラキ『バーテンダー』 Vol.16、長友健篩画、集英社〈ジャンプ・コミックス デラックス〉、2012年8月24日、43-47頁。ISBN 978-4-08-859827-7。
- ^ 「何でも食べるぞッ 変わり種カクテル・材料は酢、ケチャップ…」『熊本日日新聞』熊本日日新聞社、1993年8月23日、夕刊、5面。
- ^ a b c ナリタノゾミ (2013年8月11日). “お盆休みの朝に、二日酔い対策にピッタリのドリンクを”. Ha Ma Wo. 2014年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月21日閲覧。
- ^ a b c Brent Rose (2012年8月29日). “古今東西の変わった二日酔い対策、19個”. ギズモード. ゴーカー・メディア. 2014年4月26日閲覧。
- ^ a b Ashlie Stevens (2016年3月7日). “The Prairie Oyster: A Survey of 100 Years in Pop Culture” (英語). Eater. Vox Media. 2024年3月13日閲覧。
- ^ “Hangover cure #4: The Prairie Oyster” (英語). NOW Toronto. GMI PUBLICATIONS INC. (2012年11月17日). 2024年3月13日閲覧。
- ^ Veronique Greenwood (2018年12月31日). “No, you can't eat your way out of a hangover” (英語). BBC Online. 英国放送協会. 2024年3月13日閲覧。
- ^ “Hangover 'Cures': What Helps and What Hurts” (英語). ABCニュース. アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー (2010年1月1日). 2024年3月13日閲覧。
- ^ a b 中村 1995, p. 368
- ^ a b Catherine Zuckerman (2013年1月4日). “二日酔いの治療法、世界でさまざま”. ナショナルジオグラフィック ニュース. ナショナルジオグラフィック協会. 2016年6月12日閲覧。
- ^ a b “女性お断り、男が飲みたい「男の酒」TOP10”. ロケットニュース24 (2011年1月28日). 2011年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月26日閲覧。
参考文献
編集- 荻野修一『おうちカクテル150』主婦の友社、2010年7月2日。ISBN 978-4-07-272796-6。
- 中村健二『カクテルポケット図鑑』主婦の友社〈生活シリーズ〉、1995年4月。ISBN 978-4-07-216616-1。
- デイビッド・ビッグズ『カクテル ベストセレクション132』佐々木なおみ訳、駿台曜曜社、1997年3月。ISBN 978-4-89692-143-4。