レゲエパンチ英称: Reggae Punch略称: レゲパン)は、宮城県仙台市発祥とされるカクテル日本各地で、様々な別称も見られる(参照)。

レゲエパンチ
基本情報
種別 ロングカクテル
作成技法 ビルド
褐色透明
グラス   タンブラー
度数 4度(オエノングループの製品の場合)
レシピの一例
ベース ピーチリキュール
装飾材料 レモンスライス
備考 仙台市歓楽街国分町」発祥。略称は「レゲパン」。
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作り方・特徴 編集

を入れたタンブラーピーチリキュール(クレーム・ド・ペシェ[注 1]など)を入れ、適量の冷たい烏龍茶で割る。レモンスライスを添える例もしばしば見られる。

烏龍茶の苦味の部分がピーチリキュールによってほとんど相殺され、フレーバーティー(紅茶)のような味になり、ウーロンハイよりも飲み易い。

派生カクテル 編集

発展型 編集

亜流 編集

(呼称には任意性あり)

  • 「なんちゃってレゲパン」
    ピーチリキュール持ち合わせていない場合に、味のない蒸留酒果物ジュースとを組み合わせて「レゲエパンチ風」にする方法。すなわち、味のない焼酎ジンウォッカなどをベースにして、烏龍茶で割り、ピーチリンゴなどのサラッとした果物ジュースを少量加える。学生たちが店以外で飲み会をする時にレゲエパンチの代用として飲んでいる。
  • 「ハードレゲエ」「ハードレゲパン」「レゲエパンチ・ストロング」
    一般にレゲエパンチはアルコール度数が低いので、レゲエパンチに味のない焼酎・ジン・ウォッカなどを加えてアルコール度数を上げたもの。
  • 「ホットレゲエ」「ホットレゲパン」
    レゲエパンチの製法において、氷を除き、烏龍茶を熱いものにして作る。

名称が似ているが基本材料が異なるもの 編集

烏龍茶の代わりに別の茶を使用 編集

  • 「ブラックレゲエパンチ」
    烏龍茶の代わりに、サントリーが発売している黒烏龍茶を用いる。
  • ゲイシャパンチ」
    烏龍茶の代わりに緑茶を用いる。すなわち、ピーチ風味の緑茶カクテル。
  • マイコパンチ」
  • 「ジャンピーパンチ」または単に「ジャンピー」
    烏龍茶の代わりにほうじ茶を用いる。すなわち、ピーチ風味のほうじ茶カクテル。

ピーチリキュールの代わりに別の酒類を使用 編集

  • 「沖縄レゲエパンチ」
    チョーヤ梅酒が販売している「黒糖梅酒」を烏龍茶で割ったカクテル。

歴史 編集

1991年(平成3年)[1]1989年頃との説もある[2])、仙台市歓楽街である国分町のショットバー「サウサリートカフェ (Sausalito Cafe)」のバーテンダー・黒澤亮一が、酒の苦手な常連の女性客のためにつくったのが最初とされている。この女性客が、当時流行していたレゲエミュージックのファンだったため「レゲエパンチ」と命名された。その飲み口の良さや簡便な製法がうけ、国分町の飲食店の間に広まった。

若者の間に爆発的に広がったのは、1990年代後半の(ダンス)クラブブームの時で、踊ってのどが渇いたところでバーで頼む飲み物として市民権を得た。すなわち、汗をかいたからといって安易にビールを飲むと腹が張ってだぶついてしまい、一晩中踊るような時には都合が悪いが、レゲエパンチならそのようなことはなかったからである。このような背景もあって、地元仙台では、短期間のうちに非常に知名度の高い飲み物となった。

現在では、仙台の飲食店における一般的なメニューとなっており、メニューに載っておらずとも大抵は頼めば作ってもらうことができる。中にはわざわざ「裏メニュー」にしている店も見られる。

2006年(平成18年)の定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台において、黒澤亮一が「オリジナルレゲエパンチTシャツ」をせんだいメディアテーク前の定禅寺通りでのアートイベントで企画販売した。

製品化 編集

合同酒精株式会社(本社: 東京都オエノングループ)から、瓶入りの「レゲエパンチ」が発売されている[2]。味は似ているが、ピーチリキュールを用いていないため「なんちゃってレゲパン」に属する。

  • 2003年(平成15年) - 「レゲエパンチ」を宮城県限定で発売。
  • 2004年(平成16年) - レモン果汁を加えて「レゲエパンチ レモン」とし、全国発売。
  • 2007年(平成19年) - レモン果汁を除き、中身とパッケージを一新した「レゲエパンチ」を全国発売(9月11日秋田県で先行発売、9月18日南東北3県で発売、その後、全国発売)。

レゲエパンチの別名 編集

このカクテルは各地に急速に広まったが、ローカルな独自名称が付いているケースが見られる。

例えば、烏龍茶から連想される中国のイメージから、北海道では「クーニャン[注 2]関西では「上海ピーチ」という名前で認知されている。また、「チャイニーズピーチ」「チャイナピーチ」「ピンクドラゴン」という名称も存在する。ただし、ストロベリー味のオリジナルカクテルを「ピンクドラゴン」として出している店も存在するため、すべての「ピンクドラゴン」がすなわちレゲエパンチと同一というわけではない。

他方、使われる材料を組み合わせた名称も存在する。鹿児島県では「ペシェ[注 1]ウーロン」、その他の地域では、「ウーロンピーチ」「ウーロンピー」「ウーピー」あるいは「ピーチウーロン」「ピーロン」などとも呼ばれている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b crème de pêcheフランス語: クレーム・ドゥ・ペーシュ): 「桃のリキュール」という意味。crèmeは「甘口のリキュール」のこと。deは英語のof、日本語の「の」にあたる。pêcheは「」のこと。
  2. ^ 「クーニャン」とは、日本語においては、中国の少女、中国娘の意味。中国語においては、若い娘の意味。漢字は「姑娘」。

出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集