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ボラー連邦(ボラーれんぽう)は、『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する架空の恒星間国家。

目次

概要編集

強大な科学力をもった伝説的な恒星間国家シャルバートの統一が消失した後、一時は、オリオン腕の反対側に、銀河系の1/2以上の恒星系を支配する恒星間国家をつくり上げた。多数の植民地惑星や流刑惑星を持ち、オリオン腕方面ではバース星に総督ボローズを派遣して支配、流刑地にしていた。23世紀初頭、銀河系中心部で元ガミラス帝国総統デスラーが主導したガルマン人の解放戦争で、ガルマン・ガミラス帝国が建国されたことで、ボラー連邦はこの領域の支配権を失ったため、全体の支配領域は銀河系の30〜40%ほどになった。

作中において登場するボラー連邦の最上位者は、首相のベムラーゼである。「首相」という地位は現実の国家では元首の肩書きではなく、作中世界においても地球連邦の首相は大統領よりも下位の存在である(『宇宙戦艦ヤマト2』)が、ボラー連邦におけるベムラーゼの上位者は作中では未登場、かつ言及は無い。

人名はロシア人風、連邦のネーミング、酷寒の本星、ソルジェニーツィンの『収容所群島』を想起させるような酷寒な流刑惑星などの設定となっており、劇中で使用された宮川泰作曲によるボラー連邦のテーマ曲(BGM)にも、ロシア民謡(サウンドトラックのライナーノーツに拠れば「スラブ民謡」)風の曲調が採用されている。

なお、ガルマン・ガミラス帝国では一応宗教らしきものがあるらしい(デスラーが自らを神に擬している)が、ボラー連邦の宗教は不明である。デスラーは葬儀をあげる都合上、ベムラーゼの宗派を尋ねたが、ベムラーゼはそれについて回答していない。

ボラー連邦本星編集

地球とは銀河系中心を挟んで正反対の位置する。厚い雲に覆われた酷寒の惑星。

なお、本星を含めたボラーの勢力圏内の宇宙空間は赤紫色となっており、緑色になっているガルマン・ガミラスの星域と差別化されている[1]

また、ヤマトシリーズにおいては例外的に、本星が戦場となったことがない。

ボラー連邦人編集

肌の色は灰白色であり、大半の人物は紅瞳を持つ。ベムラーゼ、ボローズ、レバルスなどの初期設定のネーミング(ベムーリン、ボロゾフ、バルスキー)はロシア人風である。

なお女性キャラクターはまったく登場せず、ボラー人に女性が存在するかどうかさえも不明である。

ボラー連邦軍編集

赤軍風の、物量に物を言わせた力押しの正面攻撃を基本戦術とする。

兵器編集

宇宙艦艇の塗装は基本的に紫色で、旗艦のみ赤色である。戦艦の形状は、紡錘状とイモムシ状の中間の形態で水色のA、B 2タイプがある。装備されている光線砲には、ボラーチウム100という放射線が含まれており、光弾色は黄緑。砲は平時は艦内に格納されており、戦艦Aタイプなどの無砲身のものと、戦艦Bタイプなどの有砲身のものとがある。格納式砲塔は使用する時にのみ外部へ展開するが、左右に旋回できないため、上下方向以外へ発射角度を変えるには艦体ごと傾ける必要がある(そのため正確には「砲塔」ではない)。

本国艦隊には、高級幹部専用旗艦や惑星破壊ミサイルを搭載する大型戦艦、長射程ミサイル『スペース・ロック』を装備するデストロイヤー艦などの新鋭艦が配備されている一方、植民星に配備されている艦船の規模は本国艦隊より劣っているような描写がある。なお、個艦性能の描写に関しては各話ごとにばらつきが見られるが、攻防ともにさほど強いという描写はない。

メカデザインは主にサブマリンが担当しており、直線を好む板橋克己がデザインしたガルマン・ガミラスのメカとは対照的な曲線を主体としたメカが多い[2]。しかし、ガルマン・ガミラスのメカデザインが一段落して以降ボラー側のメカも板橋が担当したため、シリーズ後半から登場したメカは直線主体のものが多くなっている[2]

軍人編集

連邦軍の標準軍服は灰色を基調としており、両肩を膨らませたパフスリーブが特徴となっている。兵士と士官は上下つなぎでブーツと長手袋を着用し、上級将校は短手袋になり緋のマントが付く。襟の色は統一されていない様で、バース星警備隊長のレバルスとハーキンス中将が非常に酷似した赤地、黄一本線付、黄縁V字型詰襟を着用している。ただし、バース星艦隊等、保護国の軍隊は独自の制服を着用している。

劇中での描写編集

宇宙戦艦ヤマトIII編集

序盤は属国であるバース軍のみが登場し、ボラー連邦本体は全く登場しなかったが、第1話の時点で「バース星艦隊(ボラー連邦系)」というテロップが入っている。

ヤマトがバースに立ち寄った際に、地球側にもボラーの存在が知られることになる。ラジェンドラ号の一件もあり、当初は両者とも友好的な関係を築こうとしていたが、反乱を起こしたシャルバート信者の処遇に関しての対立と、ベムラーゼが地球を属国として扱ったことに古代が反発したことにより、両者の関係は悪化し、敵対することになる。

主要会戦(海戦)編集

バース星系会戦(前哨戦)
ダゴン将軍率いるガルマン・ガミラス帝国東部方面軍第18機甲師団と、ボラー連邦バース星艦隊の戦闘。
第18機甲師団とバース星艦隊の序盤戦は砲撃戦で幕をあける。双方に被害及ぶ頃になって、ダゴン将軍は惑星破壊ミサイル母艦3隻を戦線に投入、バース星艦隊の後方にある無人惑星に向けて発射させる。放たれた惑星破壊ミサイルは、その頑丈さを持ってバース星艦隊をなぎ払いつつも惑星に2発が着弾。強制的に惑星は地殻変動などを引き起こされて爆発、その衝撃派と破片群によってバース星艦隊は大打撃を受け、壊滅する。
この戦闘で惑星に着弾しなかった残り1発の惑星破壊ミサイルが、流れ弾となって太陽に命中し、地球の危機を招くことになる。
バース星系会戦(本星)
先の戦闘に勝利したガルマン・ガミラス東部方面軍第18機甲師団と、ラム司令(艦長)率いるバース星本国艦隊との戦闘。
ダゴン将軍は、バース星艦隊よりも砲撃の先手を取る。初撃で被害を受けるバース星艦隊に対し、第18機甲師団は2列縦隊を二手に分けてバース星艦隊を左右から挟撃。バース星艦隊は大打撃を受けて敗退する。
α星系会戦
引き続き、第18機甲師団と、バース星本国艦隊との戦闘。
先のバース星系での戦闘に勝利した第18機甲師団はそのまま進撃して、地球の開拓宙域であるα星系へと攻撃を開始する。主に戦闘衛星との戦闘を繰り広げ、難なく殲滅する手前まで来た頃に、半壊に近い損害を受けたバース星本国艦隊が態勢を整えて追撃して来た。損害が著しく、数で劣勢な状況にもかかわらず、ラム艦長は攻撃を命令。初撃では上手く第18機甲師団の向背を奇襲出来たものの、ダゴン将軍の素早い対応によって、形成は逆転。バース星艦隊は不利な体勢に置かれる中で、ラム艦長はワープによる離脱を指示。ダゴン将軍も、止めを刺そうとしてワープ追撃を命令。中には、両艦隊の艦どうしがワープ・アウト時に遭遇し、相討ちになるケースもあった。しかし、結果としてバース星艦隊は、ラム艦長の旗艦『ラジェンドラ』号を残して壊滅する。
バース星上空戦
ヤマトとバース星艦隊(警備艦)との戦闘。
敵と認識されたヤマトを、バース星本国に残る艦隊(警備艦隊)が攻撃した戦い。バース星艦隊は向背から攻撃をかけるも、植民星であったバース星に配備されていた艦船は、本国艦隊に比べて装備も数も貧弱であったため、ヤマトの砲撃により全滅させられた。その醜態に激怒したベムラーゼはバース星そのものを惑星破壊ミサイルで破壊し、「醜態」を消し去った。
対ボラー連邦デストロイヤー(駆逐艦隊)戦
ハーキンス中将率いる第8打撃艦隊所属のデストロイヤー艦と、ヤマトの交戦。
ボラー連邦本国からヤマト撃破の命令を受けた第8打撃艦隊司令官のハーキンス中将は、艦隊に所属する13隻のデストロイヤーからなる戦隊を率いてヤマトと交戦。シャルバート信者の乗る宇宙船もろとも撃破しようと試みる。戦闘では、3隻のデストロイヤー艦をシャルバート信者の乗る宇宙船へと差し向け、残る7隻の艦がヤマトへと接近しつつ遠距離から長射程ミサイル『スペース・ロック』で攻撃を加える。ヤマトは波動爆雷によりミサイルを防ぎつつ、ボラー艦隊に接近して砲撃戦を展開。戦闘の結果、別働隊はコスモタイガー隊により全滅し、本隊も大きな打撃を受けて敗退。ただし、ハーキンス中将は辛くも生還する。
スカラゲック海峡星団会戦(前哨戦)
ヤマトとグスタフ中将率いるガルマン・ガミラス北部方面艦隊、ハーキンス中将率いるボラー連邦第8打撃艦隊との戦闘。
ルダ王女を保護しているとして、グスタフ中将が臨検しようとするもデスラーに止められ、迫り来るボラー艦隊からヤマト死守せよとの命令を受ける。直後に、ボラー前衛艦隊(第8打撃艦隊)が出現、ヤマトに攻撃を加える。グスタフ中将はボラー前衛艦隊の斜め前から砲撃を加え、砲火をヤマトから自艦隊に向けさせるようにする。グスタフ艦隊はヤマトの前に出て、ボラー前衛艦隊の砲火をまともに受ける中、防ぎきることは不可能と判断したグスタフ中将は全艦による体当たり攻撃を指示。最後の1艦となったグスタフ艦も、抱え込んでいた惑星破壊ミサイルごとハーキンス艦に体当たりし、そのミサイルの爆発によって周囲を巻き込み双方共に全滅する。
スカラゲック海峡星団会戦
ヤマトと、バルコム率いるボラー連邦本国第1、第2主力艦隊との戦闘。
前衛艦隊の5倍の戦力を保持するボラー主力は、その物量に任せた砲撃を開始。ヤマトに反撃の隙を与えようとせず、コスモタイガー隊の援護でも止められない。しかし、ヤマトは小惑星帯を利用して一気に距離を詰め、近距離からの波動カートリッジ弾による砲撃を開始。この第一撃で、バルコムは乗艦に命中させられて戦死。上方から下方へと潜り込む間にも第2斉射を行い、最後にはヤマトの波動カートリッジ弾煙突ミサイル波動爆雷の乱射で全滅させられてしまった。
シャルバート星会戦
デスラー総統率いるガルマン・ガミラス艦隊と、ゴルサコフ総参謀長率いる空母艦隊との戦闘。
ゴルサコフ総参謀長は、空母部隊の大量投入による電撃作戦でシャルバート星の制圧、及びデスラー艦隊の殲滅を企てる。戦力は戦艦3隻、空母8隻とされてはいるが、異次元の門に入る手前ではその数倍の戦力がいる描写があった。艦載機攻撃でデスラー艦隊に打撃を成功させるも、その直後にハイパーデスラー砲による攻撃で全滅する。
太陽系会戦
デスラー総統率いる艦隊&ヤマトと、ベムラーゼ首相率いる艦隊との戦闘。
太陽制御を目前としたヤマトに対して、ボラー艦隊が出現して攻撃を開始。ベムラーゼ首相も機動要塞『ゼスパーゼ』に乗って現れ、ブラックホール砲をヤマトに向けて発射。身動きの出来ないヤマトであったが、デスラー総統率いる艦隊100隻が出現。デスラー砲艦による一斉砲撃で、ボラー艦隊は壊滅するも機動要塞は健在。この時、ベムラーゼ首相は直接通信でデスラー総統を誘い出すためにヤマトを襲ったと説明する。デスラー砲を受け付けないゼスパーゼは、倍返しと言わんばかりにブラックホール砲の連続発射でデスラー艦隊をほぼ全滅させる。旗艦同士になる中、ヤマト艦載機(揚羽)がゼスパーゼの砲門の1つに特攻。誘爆の影響で、ゼスパーゼの一部が爆発する中、その隙を突いてデスラーはハイパーデスラー砲を発射。ゼスパーゼをベムラーゼ首相ごと葬りさった。

宇宙戦艦ヤマト 完結編編集

銀河系全土に発生した異変(異次元に存在する別の銀河系が、突如次元断層を破って出現、我々の銀河系と衝突。原因は不明)によってボラー連邦も壊滅的打撃を受けたとのナレーションがある。上記の太陽系会戦でベムラーゼ首相は死亡したものの、国家としては存続していたことが窺える。

なお完結編本編、そしてその続編にあたる『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』にはまったく登場しない。

主要人物編集

保護国バース星編集

所有艦艇編集

宇宙要塞編集

航空機・宇宙艇編集

陸上兵器・地上部隊編集

兵器・関連技術編集

脚注編集

  1. ^ 「宇宙戦艦ヤマトIII DVDメモリアルボックス 保完ファイル」P29。
  2. ^ a b 「宇宙戦艦ヤマトIII DVDメモリアルボックス 保完ファイル」P28。

参考文献編集

  • 『宇宙戦艦ヤマトIIIDVDメモリアルボックス 保完ファイル』(バンダイビジュアル〈株〉・2001/5/25発行)