ポリュカステー古希: Πολυκάστη, Polykastē)は、ギリシア神話の女性である。長音を省略してポリュカステとも表記される。主に、

ヘンリー・ハワード英語版の絵画『ネストルの王宮を発つテレマコス』。

が知られている。以下に説明する。

リュガイオスの娘 編集

このポリュカステーは、アカルナーニアー地方の王リュガイオスの娘である。ストラボーンによると、スパルタから亡命してきたイーカリオスと結婚し[1]アリュゼウスレウカディオスペーネロペーの母となった[2]

ネストールの娘 編集

このポリュカステーは、ピュロスの王ネストールの娘で[3][4][5]、母親についてはクリュメノスの娘エウリュディケー[3]、あるいはクラティエウスの娘アナクシビアーと言われている[4][5]

トロイア戦争で戦死したアンティロコスをはじめ、トラシュメーデースペイシストラトスストラティオスエケプローンペルセウスアレートス[3][4][5]、姉妹のペイシディケーと兄弟[4][5]

ホメーロス叙事詩オデュッセイアー』によると、ネストールに会うためにピュロスを訪れたテーレマコスをもてなし、テーレマコスを入浴させた後、オリーブオイルをテーレマコスの肌に塗り、衣服を着せてやった[3]。後代の伝承によると、ポリュカステーはテーレマコスと結婚し、ペルセポリスの母になったという[6]

脚注 編集

  1. ^ ストラボーン、10巻2・24。
  2. ^ アルクメオーニス』断片(ストラボーン、10巻2・9による引用)。
  3. ^ a b c d 『オデュッセイアー』3巻。
  4. ^ a b c d ヘーシオドス断片33(オクシュリュンコス・パピュルス、2481 fr. 3)。
  5. ^ a b c d アポロドーロス、1巻9・9。
  6. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.264b。

参考文献 編集