ミツカドコオロギ(三角蟋蟀、Loxoblemmus doenitzi)は、バッタ目(直翅目)コオロギ科の昆虫の一種。

ミツカドコオロギ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: バッタ目(直翅目) Orthoptera
亜目 : キリギリス亜目(剣弁亜目) Ensifera
上科 : コオロギ上科 Grylloidea
: コオロギ科 Gryllidae
亜科 : コオロギ亜科 Gryllinae
: オカメコオロギ属Loxoblemmus
: ミツカドコオロギ
L. doenitzi
学名
Loxoblemmus doenitzi
Stein, 1881
和名
ミツカドコオロギ

分布 編集

日本本州四国九州)、中国

形態 編集

体長15-20mm。他の多くのオカメコオロギ属と同様、オス成虫の頭部顔面は扁平で、かつ前傾し、さらにその輪廓の左右、上方、口器の四方が突出し十文字を形成している。また背面からみると、左右前方の三方に角(かど)が出ているようにみえる。本種の標準和名はこれに由来する。

生態 編集

農耕地や空地、草地などに生息する。出現期は8-10月。「キッキッキッキ」と歯切れのよい声で鳴く。

昼間、草の根際に潜み、夜になると出歩いて餌を探す。雑食性で、植物小動物死骸などを食べる。 コオロギの中では比較的乾燥した環境を好み、草原での個体数が最も多い種である。また、オスは闘争心がかなり強く、同種のオスはもとより、自分より大きなエンマコオロギなどにも果敢に挑む。

メスの気配を感じたオスは誘い鳴きでメスを誘う。オスの誘いに応じたメスはそのままオスの背に乗り、交尾が行われる。 オスからメスに精球が渡されると、交尾は終了する。受精卵が成熟するとメスは土中に産卵し、卵は翌年の5-6月に孵化する。 孵化したばかりの幼虫は頭部が黄色く、触角が白い。一見目立ちそうだが地面にいると溶け込んでしまう。

参考文献 編集

  • 海野和男、筒井学、高嶋清明 『虫の飼いかた・観察のしかた4近所の虫の飼いかた(2) - スズムシ・バッタ・カマキリほか』 偕成社、1999年、10頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 昆虫』 小学館、2002年、36頁。