ラヨ数
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ラヨ数(ラヨすう、英: Rayo's number)とはアグスティン・ラヨにちなんで名付けられた巨大数であり、彼の手掛けた最大の数と主張されている[1][2] 。これは元々2007年1月26日にマサチューセッツ工科大学 (MIT) にて行われたイベント「巨大数決闘(big number duelもしくはLarge Number Championship)」にて定義された[3][4][5][6][注釈 1]。
定義
編集[注釈 2]この定義文は、ルール違反[注釈 3]を避けるために以下のように置き換えられた[7]。
数の正式の定義は以下の二階論理の式で定義された関数Sat([φ(x1)],s)を利用する。[φ]はゲーデルコード化(ゲーデル数によるナンバリング)された式であり、sは代入変数である[7]。
この式Sat([φ(x1)],s)を用いて、ラヨ数は次の様に定義された[7]。
厳密には、公理系が明示的に書かれていないため、定義が不完全である。[要出典]
説明
編集直観的には、ラヨ数は形式言語で次のように定義される:
- "xi∈xj" と "xi=xj" は原子論理式である。
- θ が式の際に、 "(~θ)" は式( θ の否定)である。
- θ と ξ が式の際に、"(θ∧ξ)" は式( θ と ξ の連言)である。
- θ が式の際に、 "∃xi(θ)" は式( θ の存在量化)である。
括弧を削除することは許可されていないことに注意が必要である。例えば、"∃xi(~θ)" では無く "∃xi((~θ))" と書かなくてはならない。
欠落している論理接続詞をこの言語で表現することは可能である。例えば:
- 論理和: "(θ∨ξ)" は "(~((~θ)∧(~ξ)))" と同等。
- 論理包含(含意): "(θ⇒ξ)" は "(~(θ∧(~ξ)))" と同等。
- 二条件: "(θ⇔ξ)" は "((~(θ∧ξ))∧(~((~θ)∧(~ξ))))" と同等。
- 全称記号: "∀xi(θ)" は "(~∃xi((~θ)))" と同等。
この定義は、この言語の式の 1 つしかない自由変数、 x1 に関するものである。 x1 が有限の フォン・ノイマン順序数 k と 長さ n の式が同値の際、その様な式は k の "ラヨ文字列" であり、k は n 個の記号で "ラヨ命名可" であると言える。
注釈
編集- ^ このイベントは、計算能力理論、無限序数、高次言語、表現システムの表現限界、そして数学と哲学の間の領域について興味を持つ学生を集める目的で行われた。2人の哲学者、MIT准教授アグスティン・ラヨとプリンストン大学准教授Adam Elgaの間でどちらがより巨大な有限数(the largest finite number)を作れるかを競った。
- ^ 巨大数決闘当日対決の終盤ホワイトボードにまず書かれた定義は
であり[5]直ぐに上記の定義文に改められた。
- ^ "決闘"には"Primitive semantic vocabulary is not allowed."(原始意味論語彙は許されない)というルールがあった。
出典
編集- ^ “CH. Rayo's Number” (英語). The Math Factor Podcast. 2017年11月29日閲覧。
- ^ Kerr, Josh (7 December 2013). “Name the biggest number contest”. 20 March 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。27 March 2014閲覧。[リンク切れ]
- ^ Elga, Adam. “Large Number Championship”. 24 March 2014閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Large Number Championship” (英語). MIT (23 jan 07). 2018年1月19日閲覧。
- ^ a b Manzari, Mandana; Nick Semenkovich (31 January 2007). “Profs Duke It Out in Big Number Duel” (英語). The Tech 2017年11月29日閲覧。
- ^ フィッシュ『巨大数論 第2版』インプレス R&D、東京、2017年。ISBN 9784802093194 。
- ^ a b c Rayo, Augustin. “Big Number Duel” (英語). 2017年11月29日閲覧。
外部リンク
編集- “ラヨ数 | 巨大数研究 Wiki | FANDOM powered by Wikia”. 2021年12月14日閲覧。
- “宇宙一でかい数を目指して--「ロマンティック数学ナイト」で語られた、巨大数をめぐる熱き戦い”. ログミー株式会社. 2017年12月9日閲覧。