ヴァイオリン協奏曲 (ハチャトゥリアン)

アラム・ハチャトゥリアンヴァイオリン協奏曲ニ短調は、1940年に作曲され、翌年のスターリン賞第2位を獲得したヴァイオリン協奏曲である。演奏時間は約35分。

音楽・音声外部リンク
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Khachaturian - Violin Concerto - 木嶋真優Vn独奏、セルゲイ・スムバチャン(Sergey Smbatyan)指揮State Youth Orchestra of Armeniaによる演奏。State Youth Orchestra of Armenia公式YouTube。
Khachaturian Violin Concerto - Kerson LeongのVn独奏、Peter Jaffe指揮Folsom Lake Symphonyによる演奏。Folsom Lake Symphony公式YouTube。

作曲の経緯

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1938年エレヴァン歌劇場のためのバレエ音楽「幸福」を作曲する中で、エレヴァン周辺の民俗音楽を調べていた。この調査は、1940年ルーザでヴァイオリン協奏曲を作曲するきっかけとなった。この作品はダヴィッド・オイストラフに献呈されている。オイストラフは、ヴァイオリン・パートに関して助言を行うとともに、ハチャトゥリアンとは別に自身でカデンツァも作っている。

この曲は、ジャン=ピエール・ランパルの編曲によるフルート協奏曲1968年)としてもよく知られている[1]。これには、ランパルがハチャトゥリアンにフルート協奏曲の作曲を依頼したところ、ハチャトゥリアンが新作ではできないが、代わりにヴァイオリン協奏曲の編曲を提案したという経緯がある。ランパルやジェームズ・ゴールウェイエマニュエル・パユといった世界的なフルーティストにより録音が行われている。

初演

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1940年11月16日モスクワのソヴィエト音楽祭にてダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン独奏、アレクサンドル・ガウクの指揮で演奏され、大成功であった[2]

楽器編成

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独奏ヴァイオリン(フルート)、ピッコロフルート2、オーボエ2、イングリッシュホルンクラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバティンパニタンブリン小太鼓大太鼓シンバルハープ弦五部

構成

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第1楽章 Allegro con fermezza ニ短調 4/4拍子 ソナタ形式

全合奏による短い導入部の後、ヴァイオリンがG線上で第1主題を提示する。管弦楽とヴァイオリンの経過部を経て第1主題が反復され、弦による経過句を経た後グリーグピアノ協奏曲を彷彿とさせるイ長調の第2主題が現れる。この主題は次の楽章でも使用される。

第2楽章 Andante sostenuto イ短調 3/4拍子 三部形式

A‐B‐A´の三部で構成される歌謡形式。短い導入の後、ヴァイオリンが歌謡的な主題を提示する。中間部は18小節の管弦楽による伴奏の後、弱音器を伴い、東方民族風の主題がハ短調で奏される。

第3楽章 Allegro vivace ニ長調 3/8拍子 拡大されたロンド形式

58小節の導入の後、民俗音楽的な主題が現れる。この主題は2回繰り返されて再度繰り返された後、嬰ヘ短調の主題が現れる。最後はニ長調で華やかに終止する。

脚注

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  1. ^ ランパルは新しいカデンツァ(第1楽章)を作っているが、それ以外はオリジナル版を尊重し改変を行っていない。
  2. ^ この音楽祭では、ミャスコフスキー交響曲第21番が同じ日に、ショスタコーヴィチピアノ五重奏曲11月23日に初演され盛況であった。

参考文献

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