将棋 > 将棋の戦法 > 一間飛車
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一間飛車(いっけんびしゃ、いちげんびしゃ)とは、将棋における飛車を用いた戦法の一つである。英語名称はFirst File Rook。

先手の際、1筋の歩を1五まで突き越してから飛車を1八~1六と中段に移動させ、その後にを囲う戦法である。

概要

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初手から▲1六歩△3四歩▲1五歩△8四歩▲1八飛△8五歩▲1六飛と、端の浮き飛車を作る形である。

囲いは、通常は穴熊を用いる事が多いが、美濃囲い・片美濃囲いを用いる例もある。ひねり飛車のように石田流に組みかえる形や、向かい飛車のように飛車をぶつけるなど、低い陣形からのカウンターが狙いである。

図は2001年7月1日の JT杯日本シリーズ、佐藤康光vs先崎学戦。ここから▲7九玉△6二玉▲7七角△4二銀▲4六歩△3四飛と進んでいる。

△ 持ち駒 なし
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プロの実戦でのデータベースによると、先崎学九段が公式戦で採用した実績以外で公式戦で現れた例は清野静男八段や神吉宏充の例など、一間飛車のコンセプトによる将棋はいくつか指されている。

元々は昭和の末頃には既に考案されていたようであり、市販の定跡書(『奇襲大全』)で公開されたこともあり、比較的知名度は高い戦法である。しかし四間飛車三間飛車と同じ感覚で命名するとしたら「一間飛車」ではなく九間飛車や右一間飛車が最適で、一間飛車という名称が正しくない、という意見もある。

戦法

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一間飛車穴熊
一間飛車にした後穴熊囲いに組む。
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端飛車(左一間飛車)

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9筋(後手なら1筋)の端歩を突き越して位を取り、相掛かりや横歩取り(もしくは横歩取らず)から、ひねり飛車で9筋(後手は1筋)まで飛車を振り、右玉にする[1]

相手が端を受け、位取りが不成立の場合は、7七角(後手なら3三角)と上がって飛車先の歩を受けた後、9筋(後手なら1筋)まで飛車を振る。または地下鉄飛車で一段目を走り、飛車を9筋(後手は1筋)まで移動させる。プロ棋士では、土佐浩司八段が用いる[2]

脚注

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  1. ^ 2019.9.25 第68期王座戦一次予選 渡部愛土佐浩司 戦など
  2. ^ 「将棋ジャーナル観戦記」横田稔 1987年

関連項目

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