世宗実録地理志
『世宗実録地理志』(せいそうじつろくちりし、セジョンじつろくちりし)は『世宗実録』に載せられた地理誌である[1]。 1454年(端宗2年)に編纂され、朝鮮半島における各道の沿革・古跡・物産・地勢等が詳細に記録されている[1]。『世宗実録』163巻中、第148巻から第155巻に収録されているもので(8巻8冊)、その後に現れた『東国輿地勝覧』の淵源になった[1]。実録中に「地理志」を詳細に記録しているのは異色であるとされる[2]。
世宗実録地理志 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 세종실록 지리지 |
漢字: | 世宗實錄地理志 |
発音: | セジョン シルロク チリチ |
日本語読み: | せいそう じつろく ちりし |
文化観光部2000年式: マッキューン=ライシャワー式: |
Sejong Sillok Jiri‑ji Sejong Sillok Chiri‑chi |
本書は、成立の22年前である世宗14年(1432年)に撰進された『新撰八道地理志』を元に改修整備されて編集されたものだと言われているが、『新撰八道地理志』が亡失した今日において貴重な資料である[2]。
1938年、朝鮮総督府中枢院から[1]、索引を付して[2]『校正世宗実録地理志』という題で出版された[1]。さらに、1957年に学習院東洋文化研究所からも刊行されている[2]。
内容
編集世宗実録の附録として別に編纂された「地理志」には、序文と現京である京都漢城府、旧京である開城留後司、そして京師周辺である京畿・忠清道・慶尚道等が歴史的説明と共に記述されている[3]。
その詳細な内容は、8道各々に属する府・州・郡・県それぞれの沿革・領域・戸数人口・姓氏・人物・産物・上納品・古址古跡などを項目別に記したものである[2]。
- 序文
「 | 我が国地理志が大略『三国史』にあるが、他には参考にしうるものがなく、我らが世宗大王が尹淮・申檣らに命じて州郡の沿革を明らかにし、この文を作らせ、壬子年(1432年)に成ったもので、その後の州郡の離合が一様でない。特に、両界に新たに設置した州・鎮を入れて、その道の終わりに附す。[4] | 」 |
脚注
編集- ^ a b c d e 『グローバル世界大百科事典』世宗実録地理志
- ^ a b c d e “世宗実録地理志(せいそうじつろくちりし)”. コトバンク. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 朝日新聞社. 2020年1月30日閲覧。
- ^ “지리지” [地理志] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “지리지 / 서문” [地理志 / 序文] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “경도 한성부” [京都漢城府] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “구도 개성 유후사” [旧都開城留後司] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “경기” [京畿] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “충청도” [忠清道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “경상도” [慶尚道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “전라도” [全羅道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “황해도” [黄海道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “강원도” [江原道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “삼척 도호부” [三陟都護府] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “평안도” [平安道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “함길도” [咸吉道] (朝鮮語/古典中国語). 朝鮮王朝実録. 国史編纂委員会. 2019年12月29日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
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