世界チェス選手権
世界チェス選手権(せかいチェスせんしゅけん、World Chess Championships)は、チェスにおける世界最高プレーヤーを決めるトーナメントである。
方式編集
現行の大会は2年周期で開催されている。出場する選手は現世界選手権者と、1.FIDE主催の主要大会の決勝進出者 2. FIDE世界ランキングの上位者 3. 主催者推薦選手からなる挑戦者候補8名である。挑戦者候補8名が2回戦総当りのラウンドロビン方式トーナメントを戦い、成績最優秀者が現世界選手権者と選手権試合を行う。
選手権試合は連続する18日間で最大12戦を戦う短期集中開催である。対局は1日に1試合行われ、第10戦までは連続する2日間で2試合を対局した後に1日の休養日、第11戦と第12戦は1試合ごとに1日の休養日となる。持ち時間は40ムーブ(先手後手が各40手指了まで。以下同様)まで100分、40ムーブ終了後に各自50分追加、60ムーブ終了後にさらに各自15分追加され、さらに初手から1手ごとに30秒が加算されるフィッシャークロックルールである。対局に勝利すれば勝ち点1、引き分けの場合は両対局者が勝ち点0.5点を得、対局者の一方が勝ち点6.5点以上を得ると選手権の決着となり、勝者が新たな世界選手権者となる。
第12戦を終了して6対6の引き分けとなったときは、休養日1日を挟んで大会20日目にタイブレークを行う。タイブレークはまず最大4試合の早指し戦で争われる。持ち時間は各25分に1手10秒加算のフィッシャークロックルールで行われ、先に勝ち点2.5点以上を獲得した者が選手権者となる。この早指し戦が2対2の引き分けとなったときは、さらに2試合を1セットとした超早指し戦を、サドンデス形式で最大5セット行って勝者を決する。持ち時間は各5分に1手3秒が加算されるフィッシャークロックルールであり、1セットで勝ち点1.5点以上を得た者が出た場合そこで決着とし、セットの勝者が選手権者となる。この超早指し戦も5セット連続で1-1の引き分けとなった場合は、1試合限りのハルマゲドンマッチを行い、勝者が選手権者となる。この対局は、それまでの対局で多く勝っている者が有利な先手番を持ち、持ち時間も先手5分後手4分と先手有利の条件だが(60ムーブ終了後1手ごとに3秒加算)、代わりにこの対局では引き分けを後手の勝利として取り扱い、後手番の不利を埋め合わせている。
歴史編集
それまでの世界チェス選手権は非公認大会であったが、公式の世界選手権は1886年からであった。しかしFIDEとPCAとの対立で分裂。1993年から13年間、別々の世界選手権が開催されたが、現在は1つに統一されている。
歴代チェスチャンピオン編集
公式チャンピオン (1886–1993)編集
# | 名前 | 年 | 国 | 年齢 |
---|---|---|---|---|
1 | ヴィルヘルム・シュタイニッツ | 1886–1894 | オーストリア=ハンガリー帝国 (ボヘミア) アメリカ |
50–58 |
2 | エマーヌエール・ラスカー | 1894–1921 | ドイツ | 26–52 |
3 | ホセ・ラウル・カパブランカ | 1921–1927 | キューバ | 33–39 |
4 | アレクサンドル・アレヒン | 1927–1935 1937–1946 |
フランス ソビエト連邦 |
35–43 45–54 |
5 | マックス・エーワ | 1935–1937 | オランダ | 34–36 |
6 | ミハイル・ボトヴィニク | 1948–1957 1958–1960 1961–1963 |
ソビエト連邦 (RSFSR) | 37–46 47–49 50–52 |
7 | ワシリー・スミスロフ | 1957–1958 | ソビエト連邦 (RSFSR) | 36 |
8 | ミハイル・タリ | 1960–1961 | ソビエト連邦 (ラトビアSSR) | 24 |
9 | チグラン・ペトロシアン | 1963–1969 | ソビエト連邦 (アルメニアSSR) | 34–40 |
10 | ボリス・スパスキー | 1969–1972 | ソビエト連邦 (RSFSR) | 32–35 |
11 | ボビー・フィッシャー | 1972–1975 | アメリカ | 29–32 |
12 | アナトリー・カルポフ | 1975–1985 | ソビエト連邦 (RSFSR) | 24–34 |
13 | ガルリ・カスパロフ | 1985–1993 | ソビエト連邦 (アゼルバイジャンSSR) ロシア |
22–30 |
クラシカル(PCA)世界チャンピオン (1993–2006)編集
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FIDE 世界チャンピオン (1993–2006)編集
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統一チャンピオン (2006–現在)編集
# | 名前 | 年 | 国 | 年齢 |
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14 | ウラジーミル・クラムニク | 2006–2007 | ロシア | 31–32 |
15 | ビスワナサン・アナンド | 2007–2013 | インド | 38–43 |
16 | マグヌス・カールセン | 2013–現在 | ノルウェー | 22–25 |