中村 勝宏(なかむら かつひろ、1944年 - )は、日本の料理人会社役員鹿児島県阿久根市波留出身。祖父は阿久根温泉の父ともいわれ、医学博士代議士でもあった中村静興(せいきょう)[1]

日本人で初めてパリミシュランガイドの1つ星を獲得した。2008年の北海道洞爺湖サミットでは総料理長を務めた。

略歴

編集
  • 1962年 - 鹿児島県立阿久根高等学校(現、鹿児島県立鶴翔高等学校)卒業。
  • 1970年6月 - 渡欧、チューリッヒの「ホテル・アスコット」をかわきりに、フランスの「ルレ・ガストロノミック」「オー・ザルム・ド・フランス」「ロアジス」「ラ・マレー」「ローラン」「ラセール」「トロワグロ」などの有名店で約15年間研鑽を積む。
  • 1979年3月 - パリ「ル・ブールドネ」で日本人として、初めてミシュランの1つ星を獲得、以後4年間保持。
  • 1984年12月 - 帰国。ホテルエドモントの開業とともに、フレンチレストラン「フォーグレイン」の料理長を含め、レストラン部門の統括料理長となる。
  • 1989年7月 - 取締役調理部長に就任。SOPEXA(フランス食品振興会)、FFCC(フランス料理文化センター)への協力などを通して業界発展に寄与するかたわら「各地の地産地消」におけるプロデュース、料理セミナー、講演会、雑誌、テレビなどで活躍。
  • 1994年6月 - ホテルメトロポリタンエドモント常務取締役総料理長に就任。
  • 2005年7月 - 日本ホテル株式会社取締役、JR東日本チエーンホテル特別料理顧問、ホテルメトロポリタンエドモント名誉総料理長に就任。
  • 2007年12月 - ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ総料理長[2]
  • 2008年7月 - 北海道洞爺湖サミットでは総料理長として指揮をとる[2]
  • 2008年11月 - 「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」退任
  • 2009年1月 - 日本ホテル株式会社取締役、ホテルメトロポリタンエドモント名誉総料理長に就任。
  • 2009年5月 - 「社団法人全日本司厨士協会」総本部副会長に就任。

渡欧時代の主なレストランの職歴

編集

(星は当時のもの)

  • ホテル「アスコット」スイス・チューリッヒ/シェフ・ソーシエ
  • ★★「オー・ザルム・ド・フランス」アルザス/シェフ・ソーシエ
  • ★★「ルーレイ・ガストロノミック・パリ・イースト」パリ/ シェフ・ド・パルティ
  • ★★★「ロアジス」プロヴァンス/シェフ・ソーシエ
  • ★★「アルケストラート」パリ/研修
  • ★★★「ラセール」パリ/キュイジニエ
  • ★★「ラ・マレー」パリ/ガルドマンジェ・シェフ
  • ★★★「トロワグロ」ロアンヌ/研修
  • ★★「ローラン」パリ/ ガルドマンジェ・シェフ
  • ★「ラ・ブールドネ」パリ/グランシェフ
  • 「エスカルゴ・モントルグイユ」パリ/グランシェフ

受賞および受章

編集
  • 1972年 Concours National de Poele d’Or (France)
    • ポワル・ドール(金のフライパン)コンクール/名誉グラン・ディプロム受賞
  • 2001年 東京都優秀技能者都知事賞(江戸の名工)受賞
  • 2003年 フランス共和国農事功労章シュヴァリエ受章
  • 2005年 東京都優良調理師知事賞受賞
  • 2010年 フランス共和国農事功労章オフィシエ受章[3]
  • 2017年 フランス共和国農事功労章コマンドール受章

主な在籍会

編集
  • 「ゴブラン会」会長
  • 「フランス農事功労章受章者協会」終身名誉会長[4]
  • 「料理ボランティアの会」理事長
  • 「公益社団法人全日本司厨士協会」[2]総本部副会長
  • 「フランス料理文化センター(FFCC)」シェフアソシエ特任講師
  • 「リエゾン・デ・ルシェルシャー・ド・グ(美味追求者の絆)」副会長
  • 長野県「おいしい信州ふーど(風土)」大使
  • 「フランスチーズ鑑定騎士の会」理事
  • 「東京誠心調理師専門学校」評議員理事
  • 新調理システム推進協会」特別技術顧問
  • 「八重洲会」会員
  • 「アカデミー・キュリネール・ド・フランス」会員
  • 「日本エスコフィエ協会」会員
  • 「クラブ・ガストロノミック・プロスペール・モンタニエ」日本支部会員
  • 「良い食材を伝える会」会員

著書

編集
  • 1991年『フォーグレインで考える 私のフランス料理』中央公論社
  • 1993年『ポワルの微笑み』講談社
  • 1996年 朝日新聞 日曜版「プロの一品」連載
  • 1997年『キノコ料理』(共著) 婦人画報社
  • 1998年『プロが教える新・おかず』(共著)柴田書店
  • 2000年『完全理解 フォンとソース』柴田書店
  • 2001年『完全理解 フランス料理技術教本』柴田書店
  • 2003年『完全理解 フランスの地方料理』柴田書店
  • 2004年『中村勝宏の「酒の肴83」-ワインから日本酒、焼酎まで合わせて』柴田書店
  • 2005年『オマール海老大全』監修・執筆 旭屋出版
  • 2005年『2005 La Cuisine Française au Japan』全4巻 監修・執筆 桐朋出版
  • 2007年『テリーヌとパテ 教則本』監修・執筆 旭屋出版
  • 2008年『じゃがいも料理大全』監修・執筆 旭屋出版
  • 2009年『中村勝宏シェフのこども味覚教室』全3巻 ほるぷ出版
    1. 味ってなに? ISBN 978-4-593-58611-0
    2. おいしさはどこから ISBN 978-4-593-58612-7
    3. チャレンジしよう!たのしい料理 ISBN 978-4-593-58613-4
  • 2008年 - 『交通新聞』エッセイ連載中 交通新聞社
  • 2012年 - 『週間ホテルレストラン』連載企画 オータパブリケイションズ

主な料理コンクール審査員履歴

編集
  • FFCC(フランス料理文化センター)フランス料理コンクール
    • 「メートル・キュイジニエ・ド・フランス」杯 審査委員長
  • 「ポキューズ・ドール国際大会 日本国内予選料理コンクール
  • 「ピエール・テタンジェ国際料理コンクール」日本代表選考会
  • 「全国メルパーク(郵便貯金会館)料理コンクール」
  • ニュー豆料理プロフェッショナル選手権(財)日本豆類基金協会
  • 全JRホテルグループ料理コンテスト 審査委員長
  • SOPEXA(フランス食品振興会)
    • 「フランス食材を使った全国料理コンクール」

脚注

編集
  1. ^ [1]
  2. ^ a b “サミット総料理長に中村氏 会場のウィンザーから起用”. 共同通信社. 47NEWS. (2008年5月10日). https://web.archive.org/web/20140814155707/http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008051001000491.html 2013年7月10日閲覧。 
  3. ^ 大沢、クルアン、小山、中村、服部、三國6氏が農事功労章を受章”. 駐日フランス大使館 (2019年1月17日). 2021年6月18日閲覧。
  4. ^ MOMAJ役員構成 組織・運営体制 Organisation”. フランス農事功労章協会. 2021年6月22日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集