別府海浜砂湯
別府海浜砂湯(べっぷかいひんすなゆ)は、大分県別府市上人ヶ浜の上人ヶ浜公園内に設置された別府市営の共同温泉である。
「上人ヶ浜公園整備運営事業」に伴い、2023年(令和5年)3月31日で廃止となる[1][2]。設備は一部を除いて取り壊され、跡地には民間事業者によって新たに砂湯や宿泊施設の整備の工事が行われる[1][2]。
概要
編集別府国際観光港の隣、別府八湯の一つ亀川温泉の上人ヶ浜にある。この浜は、1276年(建治2年)に一遍上人が九州を訪れた際に上陸したという伝承が残る海岸で、上人ヶ浜という名称もこの伝承に因むものである[3]。
ミシュランガイドの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星の評価を受けている[4]。
沿革
編集市による整備
編集別府では古くから海岸の砂浜に温泉が湧き出し、別府湾沿岸の浜脇温泉、別府温泉、亀川温泉の砂浜には、いくつもの天然砂湯が整備され、大勢の湯治客で賑わっていた。
しかし、国道10号の拡幅などで海岸が埋め立てられ、天然の砂湯を体験できる砂浜はなくなったために、1986年(昭和61年)に唯一自然の海岸線が残る上人ヶ浜に現在の別府海浜砂湯が設けられた。その後、別府海浜砂湯は2002年(平成14年)に改築され、可動式屋根を設置するとともに休憩所を増設している[3]。
パークPFI方式の採用と市営施設の廃止
編集利用者が増加傾向にあり、ゴールデンウィークや週末等の繁忙期には最大3時間の順番待ちが生じている。また、予約ができない、多人数の同時利用が難しい、駐車場が少ないといった運用上の問題がある。このため、別府市では拡張を検討し[5]、2017年度(平成29年度)に民間事業者から意見・提案を求めるサウンディング調査を実施して[6]、隣接する旧別府市美術館[注 1]を解体して、跡地を含めて一体的に整備する方針を固めた。
その後、別府市では2021年から事業者を公募し、ティーケーピー(東京都)の提案した民間事業者が公園を整備・運営するパークPFI方式を採用することになった[1]。
市営の砂湯施設は2023年(令和5年)3月31日で廃止される[2]。設備は一部を除いて取り壊され、跡地には砂湯の拡張や宿泊施設の整備などの工事が行われる[1][2]。
施設
編集砂湯は、最大で12人が同時に利用できる槽が2区画あり、交互にお湯を満たして砂を洗い、いつでも清潔に保たれるようになっている。2016年度の砂湯の利用者は53,374人[9]。
所在地
編集- 大分県別府市上人ヶ浜[3]
温泉概要
編集交通
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d “愛され36年「別府海浜砂湯」31日で営業終了 民間事業者がリニューアルへ”. 大分合同新聞 (2023年3月22日). 2023年3月23日閲覧。
- ^ a b c d “別府海浜砂湯”. 別府市 (2023年3月22日). 2023年3月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g “別府海浜砂湯”. 別府市. 2018年3月11日閲覧。
- ^ “日本ミシュランタイヤ、「ミシュラン・グリーンガイド 大分 WEB版」を公開”. 日本ミシュランタイヤ (2017年12月19日). 2018年3月11日閲覧。
- ^ “「海浜砂湯」の拡張検討 待ち時間や駐車スペースに課題”. 大分合同新聞. (2017年9月3日) 2018年3月11日閲覧。
- ^ 山田雅子 (2017年11月14日). “最大3時間待ち、人気市営温泉の拡張で別府市が民間意見を募集”. 新・公民連携最前線 PPPまちづくり (日経BP社) 2018年3月11日閲覧。
- ^ “別府市美術館が休館へ 再開の見通し立たず”. 大分合同新聞. (2014年6月14日). オリジナルの2016年6月14日時点におけるアーカイブ。 2018年3月11日閲覧。
- ^ “別府市図書館・美術館整備基本構想策定への取り組み”. 別府市. 2016年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月11日閲覧。
- ^ a b “「海浜砂湯」を拡張 20年度の再開目指す 別府海浜砂湯”. 大分合同新聞. (2018年3月6日) 2018年3月11日閲覧。
- ^ “別府八湯温泉道 別府海浜砂湯”. 別府八湯温泉道事務局. 2018年3月11日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 別府海浜砂湯 別府市
座標: 北緯33度18分42.9秒 東経131度30分5.2秒 / 北緯33.311917度 東経131.501444度