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労働者党(ろうどうしゃとう、ポルトガル語: Partido dos Trabalhadores [1]、略称:PT[1])は、ブラジル左派政党[1]。2003年から2016年にかけてルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァジルマ・ルセフの二人の大統領を輩出し、ブラジル共産党(PCdoB)や民主労働党(PDT)、民主運動党(MDB)などの左派・中道左派政党と連立を組んだ。現在の党首(総裁)は、ルイ・ファルカンRui Falcão[2]

ブラジルの旗 ブラジル政党
労働者党
Partido dos Trabalhadores
PT (Brazil) logo.svg
党章
総裁 ルイ・ファルカン
成立年月日 1980年2月(政党登録は1982年2月)
連邦下院議席数
55 / 513   (11%)
(2019年1月)
連邦上院議席数
6 / 81   (7%)
(2019年1月)
政治的思想・立場 左派[1]
独自の社会主義[1]
民主社会主義(1991年以前)[1]
社会民主主義[要出典]
マルクス主義[要出典]
キリスト教社会主義[要出典]
公式サイト PT Partido dos Trabalhadores
シンボル
国際組織 ラテンアメリカ・カリブ政党常設会議
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目次

概要編集

 
黒猫に扮した労働者党がブラジル社会民主党のマスコットであるツカーノ(オオハシ科の鳥の一種)を追い掛け回している風刺漫画(カルロス・ラトゥッフ

軍政下の1980年2月、様々な労働運動家や知識人が結集して結成され、1982年2月に正式な政党登録がなされた[3]。規約では「民主的社会主義を建設することを目標としている」とした上で、「搾取、支配、抑圧不平等、不正義、貧困を一掃するために闘う」と明記している。政治的には社会民主主義マルクス主義トロツキストキリスト教社会主義など、中道左派から極左までの幅広い政治勢力を結集している。また労働運動以外にも、環境保護人権など多彩な分野の市民運動社会運動活動家の参加もみられる。

PTの政党登録がなされたのと同じ年の11月に行われた国会議員選挙では党首のルーラは落選、下院で8議席を得るに留まった(得票率3.5%)。1988年の憲法改正により大統領直接選挙制が復活後、初めて行われた89年12月の大統領選挙では、ルーラが立候補したが決選投票でフェルナンド・コロール・デ・メロに敗れた(決選投票の得票率38%)。その後、1994年の議会選挙では前回(1990年)より得票と議席を大幅に増やしたが、同時に行われた大統領選挙ではフェルナンド・エンリケ・カルドーゾブラジル社会民主党、略称:PSDB)に大差で敗れた。

1998年の大統領選挙でもルーラはカルドーゾ大統領に再び敗れたが、2002年10月の大統領選挙で6割余の得票を得て初の勝利を収めた。また同時に行われた国会議員選挙でも91議席を獲得し最大政党となった。そして、2006年10月の大統領選挙でもルーラが再選を果たし、PTは与党の座を維持した。この間、ルーラは貧困層向け家族手当「ボルサ・ファミリア」(Pragrama Bolsa Familia:PBF)[4][5]の創設を柱とした社会政策を実施する一方、現実的な経済政策を採用し、ブラジル経済の成長を維持した。

2010年10月の大統領選挙では、ルーラ大統領の後継候補としてジルマ・ルセフ官房長官を擁立。決選投票でPSDBのジョゼ・セラ(サンパウロ州前知事)を抑えて勝利し、引き続き政権与党の座を維持[6]。2014年10月の大統領選挙でもルセフ大統領が対立候補であるアネシア・ネベス(PSDB)を僅差で抑えて再選を果たし、ルーラ政権も含めると4期続けて政権与党の座を占めることになった[7]。しかしルセフは弾劾訴追され2016年8月に失職、副大統領でブラジル民主運動党のミシェル・テメルが大統領となった。

選挙結果編集

大統領選挙編集

候補者 第1回投票 決選投票
得票数 得票率(%) 得票数 得票率(%)
1989 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ 11,622,673 16.1 (第2位) 31,076,364 47.0 (第2位)
1994 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ 17,122,127 27.0 (第2位)
1998 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ 21,475,211 31.7 (第2位)
2002 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ 39,455,233 46.4 (第1位) 52,793,364 61.3 (第1位)
2006 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ 46,662,365 48.6 (第1位) 58,295,042 60.8 (第1位)
2010 ジルマ・ルセフ 47,651,434 46.9 (第1位) 55,752,529 56.1 (第1位)
2014 ジルマ・ルセフ 43,267,668 41.6 (第1位) 54,501,118 51.6 (第1位)
2018 フェルナンド・ハダッド 31,341,997 29.3 (第2位) 47,040,380 44.8 (第2位)
出典: Election Resources: Federal Elections in Brazil – Results Lookup

連邦議会選挙編集

連邦下院 連邦上院
得票率(%) 得票数 議席数 +/– 得票率(%) 得票数 議席数 +/–
1982 3.5% 1,458,719
8 / 479
 8 3.6% 1,538,786
0 / 25
 0
1986 6.9% 3,253,999
16 / 487
 8
0 / 49
 0
1990 10.2% 4,128,052
35 / 502
 19
1 / 31
 1
1994 13.1% 5,959,854
49 / 513
 14 13.8% 13,198,319
4 / 54
 3
1998 13.2% 8,786,528
58 / 513
 9 18.4% 11,392,662
7 / 81
 3
2002 18.4% 16,094,080
91 / 513
 33 21.3% 32,739,665
14 / 81
 7
2006 15.0% 13,989,859
83 / 513
 8 19.2% 16,222,159
10 / 81
 4
2010 16.9% 16,289,199
88 / 513
 5 23.1% 39,410,141
15 / 81
 5
2014 14.0% 13,554,166
68 / 513
 20 17.0% 15,155,818
12 / 81
 3
2018 10.3% 10,126,611
56 / 513
 12 14.5% 24,785,670
6 / 81
 6
出典: Georgetown University, Election Resources, Rio de Janeiro State University

文献解題編集

脚注編集

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  1. ^ a b c d e f ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 コトバンク. 2018年10月27日閲覧。
  2. ^ O PARTIDO Diretório Nacional(PTホームページ)2012年11月10日閲覧
  3. ^ O Partido(政党)
  4. ^ PBFは、カルドーゾ政権(1995年-2002年)において一世帯あたりの月収が最低賃金の半分未満の低所得家庭を対象とした「条件付現金手当て」として実施されていた就学手当て(7~15歳の子どもを持つ家庭に学校への通学を条件として支給)、食糧手当て(妊婦や乳母、0~6歳の子どもを持つ場合において保険医療活動への参加を条件として支給)、ガス手当て(前2つと同じ所得条件の貧困家庭に家庭用ガス購入費用として支給)に加え、ルーラ政権で実施された食糧カードプログラムの4つを統合したものである。近田亮平 (2013年). “4章「ブラジルにおける現金給付政策」 (PDF)”. 『現金給付政策の政治経済学(中間報告)』. アジア経済研究所. 2014年10月28日閲覧。
  5. ^ PBFでは対象となる低所得者世帯を、極貧家庭(月収が70レアル以下の家庭)と貧困家庭(70~140レアル以下の家庭)の二つに分け、子どもの通学や妊婦の予防接種を条件として現金給付する。なお支給額は子どもの数や年齢によって異なってくるが、極貧家庭の場合は子どもや妊婦の有無に関係なく、基礎的扶助として70レアルが支給される。
  6. ^ “ブラジル、初の女性大統領誕生へ 与党ルセフ氏当選”. AFPBB. (2011年11月1日). http://www.afpbb.com/article/politics/2771121/6395008 2012年11月10日閲覧。 
  7. ^ “ブラジル大統領 再選 ルセフ氏 革新政権4期目”. しんぶん赤旗. (2014年10月28日). http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-28/2014102808_01_1.html 2014年10月28日閲覧。 

参考文献編集

外部リンク編集