唯名論(ゆいめいろん、Nominalism)は、主に哲学形而上学における立場の一つ。対義語は実在論Realism)。文脈によって様々な意味をもつ[1]

  1. 普遍論争における唯名論。普遍者実在論(実念論・概念実在論とも)に対する唯名論。
  2. 様々な抽象的対象についての唯名論[1]

普遍論争編集

中世西欧スコラ哲学において、「人間」とか「イヌ」あるいは「薔薇」などは、類の概念として形相存在として実在するのかどうかという議論(普遍論争)があり、これに対し唯名論は、類の概念は実在しないと答えた。

唯名論の立場は、類の概念(普遍概念、普遍者)は、名前としてのみ存在するのであり、実在するのは類の概念の形相(フォルマ)ではなく、具体的な個物(レース)、つまり個々の具体的な人間やイヌや薔薇であると考えた。これに対する考えが実念論(普遍者実在論)で、「薔薇」とか「ネコ」などの類の概念が形相として実在するとした。

西欧では、13世紀末以降に、理性信仰から独立して行くのと並行して唯名論が優勢となる。フランシスコ会士であるオッカムなどは唯名論の立場をとった。

唯名論を表すにvia modernaとすることがある。

関連項目編集

出典編集

  1. ^ a b Rodriguez-Pereyra, Gonzalo (2019). Zalta, Edward N.. ed. Nominalism in Metaphysics (Summer 2019 ed.). Metaphysics Research Lab, Stanford University. https://plato.stanford.edu/archives/sum2019/entries/nominalism-metaphysics/ 

外部リンク編集