四天王
仏教の世界観における四つの神
四天王(してんのう[注釈 1]、サンスクリット語:चतुर्महाराज caturmahārāja[要出典])は仏教観における須弥山・中腹に在る四天王天の四方にて仏法僧を守護している四神(東方の持国天、南方の増長天、西方の広目天、北方の多聞天)[1]。四大王(しだいおう)ともいう[2]。
概説編集
六欲天の第1天、四大王衆天(四王天)の主。須弥山頂上の忉利天(とうりてん)に住む帝釈天に仕え、八部鬼衆を所属支配し、その中腹で共に仏法を守護する。
須弥の四洲(東勝身洲=とうしょうしんしゅう、南贍部洲=なんせんぶしゅう、西牛貨洲=さいごけしゅう、北倶盧洲=ほっくるしゅう)を守護し、忉利天主・帝釈天の外臣である。この天に住む者の身長は半由旬、寿命は500歳で、その一昼夜は人間界の50年に相当する。
日本での信仰編集
四天王は早くから日本でも信仰されていた。『日本書紀』によれば仏教をめぐっておこされた蘇我馬子と物部守屋との戦いに参戦した聖徳太子は、四天王に祈願して勝利を得たことに感謝して摂津国玉造(大阪市天王寺区)に四天王寺(四天王大護国寺)を建立したとされる[注釈 2]。
像容編集
インドでは貴人の姿で表現されたが、日本では甲冑を着けて武器を持ち、邪鬼を踏みつける姿をとる[1]。像は須弥壇の四隅にそれぞれ配置される[1]。四天王像としては、東大寺の戒壇院のものが有名である[1]。
ギャラリー編集
- 中国北京十方普覚寺(臥佛寺)の四天王
東方持国天
南方増長天
西方広目天
北方多聞天
比喩としての用法編集
ある分野で有力な4人の人物を「四天王」と表現する。徳川四天王、長船四天王、ものまね四天王、Vシネマ四天王、平成四天王(囲碁)など。
脚注編集
注釈
出典