国際公務員

国際公務員(こくさいこうむいん)とは、国際連合及びその専門機関等の国際機関の事務局に勤める職員のことである。

目次

中立性編集

国際公務員には、出身国等の特定の国家の利益のためではなく、所属する国際機関及び国際社会の共通の利益のために、中立の立場で働くことが求められる。

特権編集

国際連合の職員は「国連の特権及び免除に関する条約」(国連特権免除条約)、国連専門機関の職員は「専門機関の特権及び免除に関する条約」の適用を受ける。その結果、国際連合及びその専門機関の職員は、これらの条約の締約国においては、条約で規定された特権・免除を享受する。その他の国際機関の職員に与えられる特権・免除は個別の条約等によって規定される。例えば、世界貿易機関(WTO)の職員については、加盟国によって「専門機関の特権及び免除に関する条約」同様の特権及び免除が与えられることが、WTO設立協定に規定されている。

国際連合及びその専門機関の職員にはレセ・パセ(Laissez-Passer)という一種の旅券が与えられる。レセ・パセには、赤と青の2種類があり、赤のレセ・パセを携帯する幹部職員には、外交官が有する外交特権と同一の便益が与えられる。

採用・勤務条件編集

国際連合及びその専門機関をはじめとする多数の国際機関は、United Nations Common Systemという服務規律、採用手続、給与制度等についての共通制度を採用しており、この制度に従って、採用が行われ、職員の処遇が定められる。

採用編集

国際機関においては、ポストに空席ができた際に、空席公告によって後任者を公募することが一般的である。このため、応募者には経験と実務能力が必要とされる。応募資格は各機関・各役職ごとに定められるが、一般に以下の要件を満たすことが求められる。

  • 語学: 英語またはフランス語で職務を行えること
  • 学位: 修士号以上の学位を有すること
  • 専門性: 学位取得分野での実務経験等を有すること

ただし、通常の採用形態のほかに、定期的な試験によって若年層を初級レベルのポストに採用する制度等も設けられており、そのひとつの国連職員採用競争試験は学士号以上の学位があれば応募可能である(年齢等の他の条件を満たす必要はある。)。加えて、専門職の場合、修士号を取得していても、文学・語学・芸術・体育などの修士号は国際機関の職務遂行に必要な専門性があるとは認め難く、その要件を満たさない(一般職の場合は可能なケースもある)。最後に、国際機関の多くは、開発途上国の経済的な開発援助などの活動を主眼としており、経済学、開発学関係の専門性を要するポストが比較的多い。 採用は、通常、書面審査及び面接によって行われる。

国際公務員の種類編集

レベルによる区分編集

  • SG(Secretary-General) - 事務総長
  • DSG(Deputy Secretary-General) - 副事務総長
  • USG(Under Secretary-General) - 事務次長(局長レベル)
  • ASG(Assistant Secretary-General) - 事務次長補(局次長レベル)
  • D(Director) - 管理職
    • D-2(Director) - 部長レベル
    • D-1(Principal Officer) - 部次長レベル
  • P(Professional) - 専門職
    • P-5(Senior Officer) - 課長レベル
    • P-4(First Officer)
    • P-3(Second Officer)
    • P-2(Associate Officer)
    • P-1(Assistant Officer)
  • G(General) - 一般職

勤務先による区分編集

  • 国際連合職員:国際連合及びその下部組織の職員
  • 国際連合専門機関職員:WHO等の国際連合の専門機関の職員
  • その他の国際機関職員:IAEAWTOOECD

国際機関における日本人職員編集

国連等の国際機関に勤務する日本人の職員数は、国際連合が拠出金等から算定した望ましい日本人職員数を大きく下回っている。このため、外務省では、国際機関人事センターを設置し、国際機関での日本人職員採用の支援を行っている。

外部リンク編集