大津電車軌道1形電車(おおつでんしゃきどう1がたでんしゃ)は、大津電車軌道京阪電気鉄道の前身の一つ)が開業に備え、1913年(大正2年)に製造した電車である。

大津電車軌道1形電車
基本情報
製造所 名古屋電車製作所
主要諸元
軌間 1,435(標準軌) mm
車両定員 座席26・立席16
自重 8.64t (自重)
台車 マウンテンギブソン 21EM
主電動機出力 22.5kW×2
制御装置 AEG製直接制御
制動装置 電気ブレーキ、手ブレーキ
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概要 編集

大津電車軌道の大津駅(現・びわ湖浜大津駅) - 膳所駅(現・膳所本町駅)間の開業に向け、1913年(大正2年)に名古屋電車製作所で10両が製造された。前面非貫通3枚窓、側面の窓配置はD8D(新製当時はオープンデッキで京阪電気鉄道との合併後に乗降口に扉を設置)、モニタールーフというスタイルの木造の小型4輪単車で、ポール集電、救助網、ステップつきと路面電車スタイルであった。電装品はAEG製、台車はマウンテンギブソン21EMである。

1929年(昭和4年)の京阪電気鉄道との合併後の改番で80型(80 - 89)となり、引き続き石山坂本線で使用されていた。その後80は1930年(昭和5年)に廃車され、89は1935年(昭和10年)に京都市電気局京都市電)に譲渡され182となった[注釈 1]が、1940年(昭和15年)に廃車となっている。残る8両は70型京津線への大量投入により、押し出される形で20形30型が石山坂本線に転属してきたことで1948年(昭和23年)から1950年(昭和25年)にかけて廃車となり、本形式は形式消滅した。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ この譲渡は、伏見稲荷駅南側の京都市電稲荷線との平面交差で起きた衝突事故で全損した市電車両の代物弁済として行われた。

出典 編集

参考文献 編集