大谷グローブ
大谷グローブ（おおたにグローブ）は、プロ野球選手の大谷翔平によって日本全国の小学校に送られた野球のグローブの俗称。
2023年（令和5年）11月9日、大谷とニューバランスは、日本国内の約20,000校の小学校に約60,000個のニューバランス製ジュニア用グローブを寄贈することを発表した。グローブの寄贈は同年12月から2024年（令和6年）3月を目途に順次行われ、対象は義務教育学校や特別支援学校を含む全国の小学校とした[2]。内訳としては右利き用2個と左利き用1個であり、児童どうしでのキャッチボールが想定されている[2]。
この寄贈は大谷が幼少期より野球好きであったことから行われ、このグローブによって野球に興味を持つきっかけになってほしいとコメントした。
経済面 編集
このグローブは1個で3万円、総額で18億円の費用が掛かったと想定されている[3]。
神田敏晶によると、大谷翔平の年俸は56億円のため18億円分のグローブ寄贈で38億円の収入になり、年収の半分が税金とすると、このグローブ寄贈で9億円もの節税になると試算した。また、ニューバランスが18億円もの売上を計上できることから、アメリカではなく日本国内への経済効果も期待できるとした[3]。
大谷翔平は2023年1月からニューバランスとスポンサー契約を結んでおり、寄贈されるグローブは同社製品のため、このグローブの寄贈はニューバランスのプロモーションの一環と見るのが自然という見解もある。この場合、全額がニューバランスの負担で、「大谷翔平は受け取るはずだったスポンサー料の一部を寄贈に回して直接的には支払っていないが、数億円の身銭を切っている」との意見を『アサヒ芸能』が報じた[4]。
問題行為 編集
大分県別府市長の長野恭紘は、SNS上で「キター！！」「私が見るだけではもったいない！という事で、市役所正面入口に当面飾ります！」という投稿を行い、グローブを市役所の玄関ロビーのガラスケースに置いて飾った。これに対して、「なぜ子どもに届けず、展示をするのか」など批判の声が寄せられた。グローブは1月30日に行われる校長会で配布を予定していたが、批判を受け1月26日に前倒して配布を行った[5]。
その他、小学校によっては校長の判断でケースに入れられ、他のトロフィーなどと共に展示されたり、校長室に飾られたりと、本来の意図に反するケースも見られた[6]。また、グローブに付属していたタグや[7]、グローブに付属していた手紙の転売目的のフリマアプリへの出品も発見された[8]。
反応 編集
小学校の中には校庭で野球をすることが禁止のところもあり、このような小学校では贈られたグローブをどのように扱っていいのか悩んでいる[9]。
トミーズ雅はこのような物を贈られたら学校は困るだろうと推測。使うために贈られたから飾ってはいけないだろうし、どの3人にあげるかなど扱いに苦慮するだろうと推測[10]。
小籔千豊はグローブ寄付に対して、自らが校長だったら頭を抱える問題になると述べる。貸したけど返ってこなかったり、盗難されたりするリスクを心配する[11]。
西村博之は野球は9人でするものだから、グローブを3つだけ渡されたら困るのではないかとする。サッカーならばボールを1つのみ渡されてもみんなで遊べるが、この場合のグローブを3つだけ渡されたらあとの6人分はどうするのかと疑問の声を上げる[12]。
へずまりゅうは大谷のグローブ寄付を受けてグローブ3つだけなのが少ないようなコメントをしたところ非難される。このため自身の母校に13万円相当の野球道具一式を寄贈した[13]。
脚注 編集
- ^ 「全小学校へボール寄贈 「大谷グラブ」で練習して 道野球協 ／北海道」『毎日新聞』2024年3月8日。2024年3月8日閲覧。
- ^ a b “ニュースリリース - 大谷翔平選手 日本全国の小学校へ６万個の野球グローブを寄贈”. ニューバランス (2023年11月9日). 2024年1月31日閲覧。
- ^ a b “6万個のグローブ推定コストは18億円 大谷翔平を選手ではなく現在価値をM&AのDCF法で算出してみる（神田敏晶） - エキスパート”. Yahoo!ニュース (2023年12月25日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “大谷翔平「小学校にグローブ6万個寄贈」で関係者が明かす「本人の本当の負担額」”. アサ芸プラス. アサヒ芸能 (2023年11月14日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “大谷翔平が小学生に贈ったグローブ なぜ市役所に展示？ 市長は興奮も…批判が殺到”. テレ朝news (2024年1月26日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “「大谷グローブ」市役所展示で大騒動、“私物化” 批判も…「うちの学校は校長室展示」「使わせてもらえない」報告続々”. SmartFLASH (2024年1月25日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “大谷翔平の小学校への寄贈グラブがまさかの〝転売騒動〟「こんな出品はやめて」と批判が殺到”. 東スポWEB (2024年1月22日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “大谷翔平止まらぬ〝転売連鎖〟 今度は寄贈グラブに同封の手紙が「９並び」で出品か”. 東スポWEB (2024年1月23日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “大谷翔平の『寄贈グローブ』で全国の小学校に広がる混乱 “使用ルール”決まらないなか、保護者からの要求がエスカレートすることも”. NEWSポストセブン (2024年1月25日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “トミーズ雅 大谷翔平のグラブ寄贈に「困るで学校も。どうすんの？」”. 東スポWEB (2023年11月11日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “嬉しいけど…小籔千豊「ぼくが小学校校長だったら頭抱える」 大谷グローブ取り扱い問題勃発!?”. スポニチ Sponichi Annex (2023年11月10日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “子供たちの「野球観」を変えていく大谷の“グラブプレゼント作戦”。（鷲田康）”. Number Web (2023年12月5日). 2024年1月28日閲覧。
- ^ “へずまりゅう、大谷翔平よりはやく「母校に野球セットを寄付」良い行いを報告も風当たりきびしく”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2023年11月12日). 2024年1月28日閲覧。