少年ノート』(しょうねんノート)は、鎌谷悠希による日本漫画。副題は「Days of Evanescence」。

モーニング』増刊『モーニング2』(→『月刊モーニングtwo』)講談社)にて32号(2010年)に『オクターヴ』の題名で読切掲載された後、設定を仕切り直して40号(同)より2014年5月号(80号)まで毎月連載された。2014年7月号には番外編「ウラジーミル少年の音」が掲載された。単行本は全8巻。話数は「の音01」という風に数が付けられている。

あらすじ 編集

音に対しての感受性が人一倍豊かな主人公・蒼井由多香。ボーイソプラノの声の持つ彼が中学校の合唱部に入り、少しずつ周りの人間に変化をもたらしていく。

登場人物 編集

河海東(かわみひがし)中学校 編集

1年 編集

蒼井 由多香(あおい ゆたか)
河海市に引っ越してきた少年。合唱部の歌声を聞き、入部を決意する。父は船乗り・兄・(みのる)は海外放浪中のため、雑誌編集者の母と2人暮らし。ボーイソプラノ。
鞆 知也(とも ともや)
蒼井が引っ越ししてきてからできた親友。別役とは幼馴染。背が高く穏やかな性格。元アマチュアのバリトンで、現在は音楽喫茶ミューズを営む祖父・耕次郎と双子の妹がいる。バス/アルトパート。
田所(たどころ)
いがぐり頭の男子。最初は合唱をバカにしていたが、蒼井に勧誘され入部する。バスパート。
柴山(しばやま)
メガネの男子。囲碁部に入部希望だったが廃部になっていたため、蒼井に勧誘され合唱部に入部する。バスパート。
伊勢 まり子(いせ まりこ)
ウェーブのかかったロングヘアーの女子。引っ込み思案で内向的。ソプラノパート。
水戸(みと)
オソヴェイラ 高橋 ジョアン(- たかはし -)
姫川 柚子葉(ひめかわ ゆずは)
海原 陽菜(うなばら ひな)
古城 アキラ(こじょう -)
上村 真梨(うえむら まり)

2年 編集

町屋 翠(まちや みどり)
副部長。哲学的な思考をし、謎めいた雰囲気を醸し出す。普段はコンタクトレンズを着用している。両親は海外赴任中で、祖母と曽祖父母と暮らしている。鉄二という名の犬を飼っている。ソプラノパート。
高峰 冬子(たかみね とうこ)
ポニーテールの女子。最初は蒼井に辛く当たるものの徐々に打ち解ける。
橋田 怜(はしだ れい)
小此木 理沙(おこのぎ りさ)
渡辺 道子(わたなべ みちこ)
山村 千里(やまむら ちさと)

3年 編集

別役 秋年(べつやく あきとし)
部長。過去に生真面目な性格が元で顧問の太田と衝突した。家は音楽一家でピアノをやっている兄妹がいる。妹は御旗中学に在学中。紫外線アレルギー。ピアノ/指揮/バスパート。
唐沢 正史(からさわ まさし)
別役をピアニストとして勧誘するまで唯一の男子部員だった。
三宮 春菜(さんのみや はるな)
七瀬 明日見(ななせ あすみ)
佐藤 有美(さとう ゆうみ)
蜂須賀 実和(はちすか みわ)
三原 純(みはら すみ)

教師 編集

太田(おおた)
合唱部顧問。音大の声楽科を出ているが、社会科教師。
大橋(おおはし)
音楽科非常勤講師で吹奏楽部顧問。自らが所属する河海市民オペラに蒼井を誘う。

その他の学校 編集

島中(しまなか)中学校 編集

斉藤(さいとう)
小学2年生の時に伊勢と鞆と同級生だった。

御旗(みはた)中学校 編集

佐竹(さたけ)
御旗中合唱部顧問。プロの声楽家。

その他 編集

ウラジーミル・イリイチ・ポポフ
ロシアのボーイソプラノ。世界中でもてはやされているが、黒い考えの裏の顔を持つ。日本語が喋れる。叔父のアナトリー・ユーリエヴィチ・ポポフがマネジメントをしている。

作中に登場する楽曲 編集

春に
谷川俊太郎作詩、木下牧子作曲。混声合唱曲集「地平線のかなたへ」に収録。
COSMOS
ミマス作詞作曲。
君をのせて
宮崎駿作詞、久石譲作曲。
二十億光年の孤独
谷川俊太郎作詩、木下牧子作曲。混声合唱曲集「地平線のかなたへ」に収録。劇中に出てくる女声二部版は存在しない。
VOICE
ポップス歌手リリコの作った架空の曲。Nコン課題曲。近年は実際のNコン中学校課題曲も、ポップス歌手によるものを採用することが多い。
ねじの回転
ベンジャミン・ブリテン作曲のオペラ。
アマールと夜の訪問者
ジャン=カルロ・メノッティ作曲のオペラ。
涙をこえて
かぜ耕士作詞、中村八大作曲。
あしたはどこから
平峯千晶作詞、三枝成彰作曲。平成15年度NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲。
あくび
岩河三郎作詞作曲。楽しい発声のドリルの1曲目。
スターバト・マーテル
歌詞のみ登場。スターバト・マーテルも参照。
夜の女王のアリア
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲。オペラ「魔笛」のアリア。
旅立ちの日に
小嶋登作詞、坂本浩美作曲。
寒ブリの歌
宮沢章二作詞、岩河三郎作曲。少年少女合唱組曲「海の風景」に収録。
いまぼくに
谷川俊太郎作詩、信長貴富作曲。混声合唱組曲「いまぼくに」に収録。
山賊の歌
田島弘作詞、小島祐嘉作曲。
フィガロの結婚
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲のオペラ。劇中でポポフがまくし立てているのは、ケルビーノのアリア「自分で自分がわからない」。

書誌情報 編集

外部リンク 編集