弦楽四重奏曲第2番 (ボロディン)
アレクサンドル・ボロディンの《弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調》は、1881年にジトヴォで作曲、1882年に初演されたとされる。ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、エカテリーナ・ボロディナ(作曲家夫人)に献呈された。ボロディンの、そして19世紀ロシア帝国を代表する室内楽のひとつである。
以下の4楽章からなる。
構成編集
- 第1楽章:Allegro moderato ニ長調
- ソナタ形式による第1楽章では異例な点が見られ、呈示部で嬰ヘ短調で登場した第2主題が、再現部では、最初にヘ長調で再登場することである。
- 第2楽章:スケルツォ:Allegro ヘ長調
- スケルツォはヘ長調、やはりソナタ形式による。メヌエット風の曲想も古風なら、第2主題が属調で呈示されるところも古典的である。
- 第3楽章:ノクターン(夜想曲、ノットゥルノ):Andante イ長調
- モーツァルトの室内楽によく見られたように、三部形式とソナタ形式、変奏曲形式が折衷されたものとなっている。
- 第4楽章:Finale:Andante - Vivace ニ長調
- 終楽章は、導入部における2つのヴァイオリンによる問いと、ヴィオラとチェロによる応えが発端となって、ソナタ形式による主部に発展していく。導入部の発想は、ベートーヴェンの《弦楽四重奏曲 第16番》の終楽章にいくぶん似ている。
- (他作曲家による編曲)
- 第2楽章の第2主題はミュージカル『キスメット』の中の"Baubles, Bangles, & Beads"という曲で使われている。
- 「夜想曲」として親しまれる第3楽章は単独小品としても演奏され、リムスキー=コルサコフやニコライ・チェレプニン(1928年のイダ・ルビンシュタインのバレエ用のもの)による室内オーケストラ用の編曲、サムイル・フェインベルクによるピアノ独奏用編曲などがある。
- 全曲を通して、ルドルフ・バルシャイ編曲による弦楽合奏版がある。
外部リンク編集
弦楽四重奏曲 第2番ニ長調の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト。PDFとして無料で入手可能。