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成井窯

日本にある益子焼の窯元

成井窯（なるいがま）は、栃木県芳賀郡益子町にある、益子焼の陶工であった成井恒雄が築窯した窯元の名称である[1]。

栃木県益子町にある「成井窯」の登り窯[2]。
栃木県益子町にある「成井窯」の細工場[2]。

益子町にかつて存在した円道寺窯の系統を受け継いでおり、現在は成井恒雄の子どもたちが受け継いでいる[1][2][3]。

沿革 編集

1970年（昭和45年）、成井恒雄が31歳の時に「一人で自由にやるのが一番」と大宿窯から独立し[4]、益子に登り窯を筑窯した。

もともと成井家は益子でも有数の窯元であり「円道寺窯」と称していた。そして成井恒雄の兄である成井立歩が3代目となり、その息子である成井俊雄と共に窯を続けていた。ところが2010年（平成22年）に立歩が、そして2011年（平成23年）に俊雄が、そして2012年（平成24年）には成井恒雄がそれぞれ逝去してしまう。そして恒雄の長男である成井亙は[1]、「円道寺窯が終わってしまうのでは、という声もあった」「円道寺窯をきちんとした形で伝えていきたい」と語り、休眠中の円道寺の窯に再び火を入れることを決意した[5]

そして成井亙の妻である成井ふみ[1][6]、成井恒雄の4女であり亙の妹である川崎桃子の3人で[1]、成井恒雄と「円道寺窯」の窯場を受け継ぎ「成井窯」として作陶活動を開始した[1][3]。

2019年には写真家の高橋恭司が成井窯の器に絵付けを施すコラボレーション「炎画（ヒビ）」が企画された[7][8][9][10]。

スタッフ 編集

  • 成井亙
成井恒雄の長男[1]。
父から作陶の手解きを受けていた[11]。
財界人であった木村昌平が益子町で主宰した「益子昌平塾」の第一期生である[12][13]。
  • 成井ふみ
成井恒雄の弟子であり成井亙の妻[1]。
成井恒雄の弟子であり、個人での作陶活動も行っていた[6]。
生前の成井恒雄の映像が用いられた池田泰教による映像作品「3 PORTRAITS and JUNE NIGHT」に
実際には成井恒雄の「義理の娘」となるが、「成井恒雄の娘」として登場している[14][15]。
  • 川崎桃子
成井恒雄の4女であり、成井亙の妹[1]。そして成井恒雄の弟子でもある。

主な展覧会歴 編集

  • 2019年
    • 3月27日～4月15日　益子焼の展示即売会「成井窯展」「ときたまひみつきち COMORIVER（コモリバ）」[16]
    • 4月26日～5月19日　高橋恭司 「やわらかな空間 ｜炎画 ｜写真｜絵画」「TETOKA｜手と花」[17]
  • 2021年
    • 7月31日～9月5日「成井窯と益子」 展「TETOKA｜手と花」[18][19]
    • 9月15日～24日「土祭2021」企画「円道寺 成井窯展」「cafe&art space 1 1/2(イチトニブンノイチ)」[20]
    • 6月19日〜7月8日「成井窯展」「壷々炉」[21]
    • 12月23日～2022年1月23日　益子からの風 ~佐藤敬+成井窯 陶器展~ vol.4 「りゅう（沖縄県読谷村）」[22]

脚注 編集

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出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i 「下野新聞」2014年（平成26年）4月24日付 16面「メタボ記者が挑む 筆彦の散歩でマンボ 12」「春らんまんの陶源境・益子編」「孤高の陶工の窯場再訪」
  2. ^ a b c “成井恒雄さんの窯｜NEWS”. SML エスエムエル (2014年3月13日). 2024年5月20日閲覧。
  3. ^ a b “成井窯の夏のフォルム”. ギャラリー樟楠＆あるぴいの銀花ギャラリー日記 (2018年7月12日). 2023年1月5日閲覧。
  4. ^ 下野新聞社 1999, p. 143.
  5. ^ 「下野新聞」2015年（平成27年）1月9日付 22面「益子・成井兄弟らの製陶所」「「円道寺窯」の歩み 知って」「小山で研究会設立」「220点 きょうから記念展」
  6. ^ a b “2014年11月 益子陶器市｜益子陶芸村”. 水柿モータース (2014年11月). 2023年11月16日閲覧。：一部、画像データが破損している。
  7. ^ 写真家・高橋恭司氏が絵付けした器「炎画（ヒビ）」1stコレクションが、セレクトショップ「HOEK」で独占販売スタート!　｜ウーマンエキサイト
  8. ^ 『炎画 / ヒビ』 一輪挿し｜EDIT LIFE
  9. ^ 炎画/ヒビ　成井窯さんにて | starnet
  10. ^ “成井窯+高橋恭司”. cafe&art space １　１／２　イチトニブンノイチ (2019年9月9日). 2023年6月30日閲覧。
  11. ^ “１１人による陶芸作家による創作鉢展”. 小さな美術館　季（とき） (2019年5月27日). 2022年12月17日閲覧。
  12. ^ 人間学なら益子昌平塾 - 益子昌平塾
  13. ^ 朝日新聞 2017年12月8日 朝刊 栃木県版 p. 24「とちぎの風　世を去った『益子の老子』」
  14. ^ 3 PORTRAITS and JUNE NIGHT｜ふくしまのこえ
  15. ^ SOLCHORD/ALA-SCOPE 02「映像レーベル・ソルコードの作家たち」-2 池田泰教
  16. ^ 益子焼の展示即売会「成井窯展」開催中です（~4/15）。 | ときたまひみつきち COMORIVER（コモリバ）
  17. ^ 高橋恭司 「やわらかな空間 ｜炎画 ｜写真｜絵画」2019年4月26日（金）～5月19日（日） - TETOKA｜手と花
  18. ^ 「成井窯と益子」展 2021年7月31日（土）～9月5日（日） - TETOKA｜手と花
  19. ^ 【Group show】グループ展「成井窯と益子」展 - コグレチエコ : Chieko Kogure
  20. ^ 【展覧会】円道寺 成井窯展｜土祭2021
  21. ^ 成井窯展｜イベント｜Mashiko-DB.net
  22. ^ 益子からの風 vol.4 成井窯 | りゅうのブログ

参考文献 編集

  • 『うつわ作家名鑑　保存版 人気ギャラリーと目利きが選ぶうつわ 400点収録！』株式会社枻出版社〈エイムック 3900　Discover Japan_DESIGN〉、2017年12月10日、61頁。ISBN 9784777948871。 

関連項目 編集

外部リンク 編集

公式 編集

紹介サイト 編集

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