日産・ブレードグライダー
ブレードグライダー(BladeGlider)は、日産自動車が発表したコンセプトカーである。“滑空するように走るクルマ”をコンセプトに、ゼロエミッション車として開発された。
日産・ブレードグライダー | |
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フロント | |
リア | |
ドア・オープン状態 | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
デザイン | ランディ・ロドリゲス[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 3名 |
エンジン位置 | ミッドシップ |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
モーター | 130kWx2(左右後輪内) |
最高出力 | 200kW(272ps) |
最大トルク | 707N・m(72.09kgm) |
前 | ダブルウィッシュボーン式 |
後 | ダブルウィッシュボーン式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,800mm |
全長 | 4,300mm |
全幅 | 1,850mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 1,300kg |
2013年ディスプレイモデル
編集初めて公開されたのは2013年の東京モーターショーであり、そのときは動作しないディスプレイモデルだった[2]。従来の市販車とは大きく変わった特徴を持ち、電気自動車の弱点である航続距離の短さを克服すべく空力抵抗を徹底的に減らした[3]その姿は、デルタウィングの乗用車版のような形となっている。
以下、ブレードグライダーが持つ特徴を挙げる。
- シャシは4輪だが、フロントトレッドが極端に狭く、三角翼航空機のような形状
- 前1人、後2人というレイアウトで、シートベルトは全席4点式
- 操縦桿型ハンドルを採用[3](2013年ディスプレイモデル、2016年プロトタイプモデルではレースカー用のハンドル[4])
- 跳ね上げ式のヒンジドア(バタフライドア)(2016年プロトタイプでは逆ヒンジドア[5])を左右に1枚ずつ採用
- ロールオーバープロテクション構造のオープンルーフ(2016年プロトタイプ)
- 継ぎ目のないウィンドスクリーンを採用したことにより、開放感のある視界
- 空力性能を高めるべくサイドミラーを撤廃、代わりにフロントホイール後方にカメラを装着(デジタルミラー)[6]
- 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の使用による高剛性化及び軽量化[7]
2016年プロトタイプモデル
編集2016年、ブラジル・リオデジャネイロで動作可能なプロトタイプモデルとして披露された[4]。リオオリンピックの期間中には展示やデモ走行が行われた。
その独特な形状故に、重量配分もまた独特であり、最高速度190km/h以上、0-100km/h加速5秒以下を記録している[2]。
構造上、前輪は駆動できない上に十分に切るだけのスペースがない。しかし後輪側は左右それぞれにモーターを配置するインモータータイプを採用しているので左右のトルク差をコントロールできる。このモーターを利用して旋回時に、外側になる後輪に大きなトルクを掛けることにより、コーナリング時の問題を解消している。ブレーキはフロントよりリア側が、大型で強力なブレーキを持っている。リアで加速と減速・停止を、フロントで舵を取りながらコーナリング時のグリップを保つことで、4輪すべてが均等で最適なパフォーマンスを発揮する。これにより、タイヤ交換の頻度を減らすことにも貢献している[8]。
色違いが2種類存在した[9]ことから、市販化を意識していたのではないかと報道されたが、実際に似たような車が市場で販売されないまま、プロジェクトが終了している。
参考文献
編集- ^ “Nissan Reverals DeltaWing For the Road”. 19 Nov 2023閲覧。
- ^ a b 3人乗りEV、日産ブレードグライダー走行開始!今後市販化はされる? 、CarMe、2019年5月31日更新
- ^ a b ブレードグライダー、名車研究所、2020年7月23日公開
- ^ a b 日産ブレードグライダー試乗記・評価 圧倒的な加速力&ハンドリング性能で、スポーツEVの魅力を凝縮! 、CORSIM、2017年4月17日更新
- ^ EVスポーツの可能性は無限大!滑空するように走る日産「ブレードグライダー」は現在も開発継続中!、ForRide、2022年1月7日更新
- ^ 三角翼型EV「ブレードグライダー」ついに走る、エタノールが燃料のFCVもお披露目、MONOist、2016年08月05日公開
- ^ 「ニッサン ブレードグライダー」-新たな価値を創造する次世代EV-、日産グローバル、2023年10月22日閲覧
- ^ ニッサン ブレードグライダー ニッサン ブレードグライダー の卓抜したパフォーマンスの秘密、日産グローバル、2023年10月23日閲覧
- ^ 三角形のスポーツカー!? 2010年代、日産が本気で市販化を検討していたEVスポーツカー「ブレードグライダー」が斬新過ぎた!、MOTA、2021年5月3日更新
外部リンク
編集- 日産自動車、「ニッサン ブレードグライダー」のプロトタイプを初公開 日産自動車ニュースルーム、2016年8月5日公開