早指し(はやざし)は将棋チェスなどのボードゲームにおいて、

  1. 着手するのが早いこと。「早指しの棋士」などと用いる。囲碁の場合は早打ち(はやうち)と呼ぶ。
  2. (一手の)制限時間が通常の対局よりも短く設定された対戦形式。囲碁の場合は早碁(はやご)と呼ぶ。

ここでは2の意味について解説する。

将棋

編集

プロ棋戦や一部のアマチュア棋戦では、持ち時間を使い切った後でも、制限時間内に着手し続けていれば時間切れ負けとはならない。プロ棋戦ではその制限時間が「1手につき1分未満」(1手1分未満で指さなければならない)と設定されていることが多いが、一部のプロ棋戦や多くのアマチュア大会では制限時間を「1手につき30秒未満」(稀に40秒未満)と設定しており、このようなルールのことを一般に早指しと呼んでいる。早指し棋戦は持ち時間も短く設定されていることが多く、50分を超えるものはほとんどない。

早指しのプロ公式棋戦には、下記のものがある。いずれも、テレビ放送・公開対局・リアルタイムのネット中継を前提に開始した棋戦である(予選は該当しない場合あり)。

棋戦名 持ち時間※ 備考
棋士の公式戦
NHK杯テレビ将棋トーナメント 10分、切れたら1手30秒(1分単位で10回の考慮時間あり) NHK Eテレで放送
将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 10分、切れたら1手30秒(1分単位で5回の考慮時間あり) 全国主要都市での公開対局
銀河戦 15分、切れたら1手30秒(1分単位で10回の考慮時間あり) 囲碁・将棋チャンネル」で放送
女流棋士の公式戦
女流王将戦 25分、切れたら1手40秒 2009年より。「囲碁・将棋チャンネル」で放送
YAMADA女流チャレンジ杯 20分、切れたら1手30秒 決勝は公開対局
休止・終了した棋戦
早指し将棋選手権
早指し新鋭戦
1手20 - 30秒(1分単位で3回の考慮時間あり)
※41手目以降。詳細は当該記事参照
テレビ東京で放送
大和証券杯ネット将棋・最強戦 30分、切れたら1手30秒 インターネットで対局状況をリアルタイム配信
富士通杯達人戦(非公式戦) (決勝のみ)15分、切れたら1手30秒(1分単位で10回の考慮時間あり) 決勝のみ早指し・公開対局
鹿島杯女流将棋トーナメント 10分、切れたら1手30秒 MXテレビで放送
大和証券杯ネット将棋・女流最強戦 30分、切れたら1手30秒 インターネットで対局状況をリアルタイム配信
新銀河戦(非公式戦) 初期1分、1手ごとに10秒加算のフィッシャールール 囲碁・将棋チャンネルで放送
YAMADAチャレンジ杯 20分、切れたら1手30秒 準決勝・決勝は公開対局

※特記なき限り本戦の持ち時間。予選は異なる場合がある。詳細は各記事を参照。

囲碁

編集

「早碁」の明確な基準はない。1954年~1961年に存在した棋戦「早碁名人戦」は、持ち時間が4時間であった。阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦は早碁を名乗っているが、持ち時間は1時間半(本戦は2時間)、切れた後も1手60秒未満で打てばよい。一方、NHK杯テレビ囲碁トーナメントは原則一手30秒、1分の考慮時間を10回使えるというシステムである。

一般に早碁とみなされるプロ棋戦には、下記のものがある。

チェス

編集

「持ち時間5分」や「持ち時間なし・1手10秒」などの方式がある。大きな大会の追加イベントとして実施される場合も多い。

脚注

編集

関連項目

編集