書斎の聖アウグスティヌス (ボッティチェッリ、ウフィツィ)
『書斎の聖アウグスティヌス』(しょさいのせいアウグスティヌス、イタリア語: Sant'Agostino nello studio)は、1490年から1494年ごろに制作された、イタリアのルネサンス期の巨匠サンドロ・ボッティチェッリによる絵画である。フィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。1779年にウフィツィ美術館が購入した際は、フィリッポ・リッピの作品とされていた、19世紀末に美術史家モレッリによってボッティチェッリの手になるものと鑑定され、以降ボッティチェッリの真作とされている。
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作者 | サンドロ・ボッティチェッリ |
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製作年 | 1490–1494年 |
寸法 | 41 cm × 27 cm (16 in × 11 in) |
所蔵 | ウフィツィ美術館、フィレンツェ |

書斎の聖アウグスティヌス、『聖母戴冠 (サン・マルコ祭壇画)』(1489-1490年) のプレデッラ (全体で、21 X 269 cm) のうちの一点、ウフィツィ美術館
この作品は、聖人が聖公会と隠者の両方の衣服を身に着けているという事実によって示されるように、おそらくサントスピリト聖堂の聖アウグスチノ (アウグスティヌス) 修道会の隠者のために制作された。
ボッティチェッリは、すでに1489-1490年ごろに描いたサン・マルコ修道院の礼拝堂のための『聖母戴冠』のプレデッラに、書斎にいる聖アウグスティヌスの主題を取り上げている。しかし、サン・マルコ修道院の祭壇画では、聖アウグスティヌスは執筆中ではなく、描写も精緻ではない。一方、本作品の聖アウグスティヌスは、入念に描写されている。聖人は、ヴォールト天井の狭い僧房に正面向きに座り、鵞鳥ペンを手にして書き物をしている。机の下には紙屑と鵞鳥の羽が散らばっている。背後の壁には聖母の浮彫が、そして前面の左右の柱の上にはプロフィールの浮彫肖像が描かれている[1]。
ボッティチェッリの晩年の作品の多くと同様に、絵画はサヴォナローラの説教に触発されたものである。
以下も参照してください編集
- 『書斎の聖アウグスティヌス』(ボッティチェッリ、オンニサンティ聖堂)
外部リンク編集
- artonline.itのページ(イタリア語)
脚注編集
- ^ ボッティチェッリ展、朝日新聞社、2016年刊行、138項、2021年5月25日閲覧