札幌市交通局600形電車(さっぽろしこうつうきょく600がたでんしゃ)は、札幌市交通局1949年昭和24年)に導入した札幌市電路面電車車両である。

札幌市交通局600形電車
601(615)号
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概要 編集

車両番号 製造年月 製造元 廃車年月
601号 1949年6月 日本車輌製造
東京支店
1971年12月
602号
603号
604号
605号
606号
607号
608号
609号
610号
611号 1950年
612号
613号
614号
615号
(現601号)
616号 1951年 日本鉄道自動車
617号 1951年4月 汽車製造
東京製作所
618号
619号
620号

1949年昭和24年)から1951年(昭和26年)にかけて、市営化後に導入された、単一型式の車両としては最大の20両が製造された。 日本車輌製造BLA形の流れを汲む半鋼製低床ボギー車で、函館市交通部500形電車も同じグループである。

単車の2倍の収容力がある大型車で、戦後の復興輸送に貢献した。BLA形と比べ、車体は全溶接構造となっていたが、室内と屋根は木造の半鋼製車であった。また、電気暖房が初めて装備された。

登場当初の塗色は窓周りがクリーム、ほかはブルーであったが、「札幌スタイル」と呼ばれた330形の導入後、それに揃えたベージュとグリーンのツートーンに白ヒゲを付けた、現在の塗色に変更された。

高速電車(地下鉄)開業に伴う路線縮小の行われた1971年(昭和46年)12月に全車廃車となり、ワンマン改造は受けていない。集電装置は当初ポールであった。日本鉄道自動車で製造された616号のみ前面下部の排障器周辺の形状が他車とは異なっていた。

改造 編集

集電装置 編集

1952年(昭和27年)の市電全車のビューゲル化に伴い、集電装置がポールからビューゲルに変更されたが、611号以降の車両にはパンタグラフを装備した。しかしこのパンタグラフは故障が多く、後に全車ビューゲルに換装された。

前面窓 編集

1960年(昭和35年)に、3枚窓から330形に倣ったHゴム固定の曲面ガラス1枚窓に改造され、方向幕も大型化された。

ドア配置 編集

1962年(昭和37年)に後部扉を埋めて中央部に1,400mm幅の両開き扉を新設する改造が行われ、一部の側窓もHゴム固定に改造された。埋められた後ろ扉の痕跡が内外に見られる。同時に室内照明の蛍光灯化も行われた。後に601~614号は前扉の鋼製化と側窓のアルミサッシ化が行われた。

制御器 編集

1963年(昭和38年)に601・602・611・612号の制御器を直接制御器から間接非自動制御器に変更した。

保存車 編集

615号が601号に改番のうえ、廃車時の形態で札幌市交通資料館に保存されている。実際の601号はミニバッファーが2つ設置された特徴あるスタイルであった。

主要諸元 編集

  • 全長:12,350mm
  • 全幅:2,230mm
  • 全高:3,730mm
  • 自重:15.0t
  • 定員:90人
  • 出力・駆動方式:37.3kW×2・吊り掛け式
  • 台車型式:扶桑金属ブリル76E