村上朝日堂』(むらかみあさひどう)は、村上春樹エッセイ集、および公式サイト

村上朝日堂
著者 村上春樹
イラスト 安西水丸
発行日 1984年7月15日
発行元 若林出版企画
ジャンル エッセイ
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 並製本
ページ数 223
コード ISBN 4948718068
ウィキポータル 文学
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エッセイ集(1984年) 編集

概要 編集

1984年7月15日、若林出版企画より単行本が出版された。表紙は安西水丸1987年2月25日に新潮社から新潮文庫として文庫化された。

日刊アルバイトニュース』(1982年8月16日号 - 1984年5月21日号)連載のコラム「シティ・ウォーキン」、『ビックリハウス』1984年2月号掲載の「千倉における朝食のあり方」、同誌1984年3月号掲載の「千倉における夕食のあり方」、『GORO』1984年2月23日号掲載の「男にとって早い結婚はソンかトクか」などがまとめて収録されている。

シリーズ初回より安西水丸挿絵を担当した。「付録 (1) カレーライスの話」と「付録 (2) 東京の街から都電のなくなるちょっと前の話」の2編は安西が文を書き、村上が挿絵を描いている。

後に、同じスタイルのエッセイが『週刊朝日』誌上で『週刊村上朝日堂』として連載され、『村上朝日堂の逆襲』として書籍化された。『日刊アルバイトニュース』の連載は朝日新聞社に関係なく、「朝日」の冠は偶然である。

内容 編集

  • 一度僕の働いている新宿のレコード店に藤圭子さんが来たことがあった。すごくすまなそうかんじで「あの、売れてます?」とニコッと笑って僕にたずねた。
  • 昔僕の家は毎月河出書房の「世界文学全集」と中央公論社の「世界の歴史」を一冊ずつ書店に配達してもらっていて、僕はそれを一冊一冊読みあげながら十代を送った。
  • フリオ・イグレシアスのどこが良いのだ! 僕のこれまでの経験によると、あの手ののっぺりした顔だちの男にロクなのはいない。
  • 先日久々に「ロシアより愛をこめて」を観ていたら、「君がいなくなるとイスタンブールもさびしくなるね (Life in Istanbul will never be the same without you)」と言うシーンがあった。
  • 僕はお正月にはあまり他人の家には行かない。テレビの音がうるさいからである。お正月のテレビ番組ってどうしてあんなにみんな絶叫しているんだろうか?

ウェブサイト 編集

1996年6月に村上は同名のウェブサイトを開設した[1]。サイト内で読者と交わしたメールの類はCD-ROMと書籍で、朝日新聞社が販売した。

更新期間 CD-ROM 書籍
1996年6月4日 - 1997年11月11日 夢のサーフシティー(1998年6月) 「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける
282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
(2000年8月)
「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける
330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
(2006年3月)
1998年2月14日 - 1999年11月18日 スメルジャコフ対織田信長家臣団(2001年4月)
2006年3月8日 - 2006年6月8日 未刊 「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける
490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?
(2006年11月)

「村上朝日堂」関連書籍リスト 編集

単行本 編集

「村上朝日堂ホームページ」より再編集されたもの 編集

上記参照

「村上朝日堂」を冠していないが同コンセプトのもの 編集

脚注 編集

  1. ^ 村上はそのほかに、新潮社を運営母体としたウェブサイトを2度開設している。「海辺のカフカ公式ホームページ」(2002年)と「村上モトクラシ」(2005年)である。前者は『少年カフカ』(新潮社、2003年6月)として編集・出版されている。