東方教会
東方教会(とうほうきょうかい、英語: Eastern Christianity)は、中東・ギリシャ・アナトリア・東ヨーロッパに広がり成長したキリスト教諸教派(正教会、東方諸教会)の総称。広義の意味では東方正教会と東方諸教会をも含んだ意味で用いられるが、「東方教会」が正教会を指している場合もある。 西方教会と対比する意味での東方教会は、いわゆる東方正教会とその他の東方諸教会とに大別される。[1]
歴史編集
東方教会の歴史編集
・451年、東方諸教会は、カルケドン公会議で異端とされて東ローマ帝国の教会(のちの正教会)から分離した。
詳細は「正教会の歴史」を参照
キリスト教としての信仰の確立の歴史編集
聖書は神の言葉という信仰の確立編集
聖書は神の言葉という信仰の確立については、旧約聖書#神の言葉として成立した聖書の歴史を参照
組織と信徒数編集
広義の東方教会には以下の諸教会が含まれる[2]。
2013年現在、世界に約23億人のキリスト教の信者がいて、その内、正教会の信者は約3億人である。
詳細は「キリスト教#信徒数」を参照
正教会編集
- コンスタンディヌーポリ総主教概算信徒数3,500,000人[4]
- グルジア正教会、概算信徒数3,500,000人[5]
- ブルガリア正教会、概算信徒数8,000,000人[6]
- ロシア正教会、概算信徒数 90,000,000人[7]
- セルビア正教会、概算信徒数9,000,000以上[8]
- ギリシャ正教会、概算信徒数10,000,000人[9]
- ルーマニア正教会、概算信徒数18,817,975人[10]
- 日本正教会、概算信徒数 9,619人[11]
- 在外ロシア正教会、
アメリカ正教会、といった、諸々の独立正教会・自治正教会・準自治正教会が連合体を形成している[12]。
非カルケドン派編集
- アルメニア使徒教会、
- コプト正教会、現在、エジプト・エチオピア及びエリトリア・アメリカ・オーストラリアを中心に、総計5千万人のコプト系キリスト教徒がいる。[13]
- シリア正教会、
- エチオピア正教会、世界中で公称3600万人の信徒がいる。[14]
- インド正教会等が含まれる。
アッシリア東方教会編集
東方典礼カトリック教会編集
- 典礼(奉神礼)形式は正教会や非カルケドン派と同一であるが、ローマ教皇権を認めその傘下に入り、教義をローマ・カトリック教会と等しくする諸教会[2]。
上記諸教会から異端とされるグループ編集
教義編集
童貞女マリヤより生まれたイイススハリストス(イエスキリスト)編集
- ナザレのイエスは、処女マリアから生まれた、と信じる。聖書に書いてある通りである。
ナザレのイイスス(イエス)は死んだけれども、よみがえった編集
- 罪がないナザレのイエスは死刑になったが、死んでから三日たってからまた生き返った、と信じる。聖書に書いてある通りである。
ナザレのイイスス(イエス)は天に昇って行ってから、神の右に座った編集
- ナザレのイエスはみんなの見ている前で、天に昇って行った、と信じる。聖書に書いてある通りである。
- ナザレのイエスは再び天から降りてきて、最後の審判の時に、今現在生きている者と、すでに死んだ者とをさばくと信じる。
- すでに死んだ人でも生き返ると信じる。イエスを救い主と信じる人は、神の国が到来したら、新しい命がもらえると信じる。
聖書は神の言葉だと信じる編集
指導者が聖神(聖霊)に満たされて語る言葉は、神の言葉とされているので、聖神に満たされて書かれた聖書は、神の言葉である。[17]
生神女マリヤは神の母である編集
マリアは神を生んだ母親として聖人であるとされる。
樹形図(概略)編集
キリスト教諸教派の成立の概略を表す樹形図。更に細かい分類方法と経緯があり、この図はあくまで概略である事に注意。
脚注編集
- ^ 岩波キリスト教辞典P803
- ^ a b c d e "The Blackwell Dictionary of Eastern Christianity" Wiley-Blackwell; New edition (2001/12/5), p168 - p169, ISBN 9780631232032
- ^ 東方正教会とアトス(長司祭長屋房夫によるページ)
- ^ コンスタンティノープル総主教庁を参照
- ^ グルジア正教会を参照
- ^ ブルガリア正教会を参照
- ^ ロシア正教会を参照
- ^ セルビア正教会を参照
- ^ ギリシャ正教会を参照
- ^ ルーマニア正教会を参照
- ^ 日本正教会を参照
- ^ 世界正教会(長司祭長屋房夫によるページ)
- ^ コプト正教会を参照
- ^ エチオピア正教会を参照
- ^ Assyrian Church of the East
- ^ "The Blackwell Dictionary of Eastern Christianity" Wiley-Blackwell; New edition (2001/12/5), p122 - p123, ISBN 9780631232032
- ^ なお、聖書が神の言葉として成立した経緯については旧約聖書#神の言葉として成立した聖書の歴史を参照