東電学園(とうでんがくえん)は、東京都日野市にあった東京電力職業訓練施設である。東京電力において配電現場に従事する技術系社員の人材育成機関であった。

概要

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元々は東電学園高等部1954年(昭和29年)から廃止される2006年(平成18年)まで存在し、技術系の職員を養成して各地へ輩出した施設である。2012年(平成24年)現在は、東京電力の職員の研修施設「東京電力総合研修センター」だけが存在し、その関連施設が建っている。敷地面積は27万4千平方メートル(27.4ヘクタール)。日野市の「緑の基本計画」でも「緑地保全重点地区」と位置付け、残る敷地半分が樹林地であり、当地が存在する百草丘陵の一連の緑地の重要な構成要素となっている。

東電学園高等部

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1~2学年時は通常の工業高校のように授業が行われる。3学年では各自が選んだ専門クラスへ別れて専門分野を学ぶ(余程の人数の調整が付かない場合や成績的な問題で希望が通らないケースもある)。設置されていた学科は「配電科」「発電科(水力・火力・原子力)」「送電科」「電力業務科」「電子通信科」で、電力業務科では事務職員、電子通信科ではコンピュータ関係の職員を養成するクラスも実在した。

在籍する生徒は全寮制のため、1学年時に高等部に隣接している「百草寮」へ入寮することとなっていた。2学年では調布市柴崎(最寄り駅は京王線柴崎駅)にある「大町寮」へ入寮し、京王線と路線バスによって通学する。3学年になると大町寮と百草寮に別れて寮生活を送るが、電力業務科の生徒は百草寮、配電科の生徒は大町寮になる事が多かった[要出典]

2001年(平成13年)までは大学部も設置されていた。

なお、卒業後に各現場へ配属後も引き続き研修の機会が巡ってくるため、各職場にはシミュレータや研修施設を設けている。原子力部門の場合、運転員は社外のBWR運転訓練センターを使用する機会が多く、保修関係者は福島原子力人材開発センターのような施設を使用した。

アクセス

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参考文献

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  • 東京都内乗合バス・ルートあんない〈NO.16〉 東京バス協会 (監修) 人文社 (2010) ISBN 978-4795912397
  • 百草の光 : 東電学園30年の歩み 東京電力東電学園 1993