松生理乃
松生 理乃（まついけ りの、英語: Rino Matsuike, 2004年10月10日 - ）は、愛知県名古屋市出身の日本の女子フィギュアスケート選手（女子シングル）。主な戦績は、2023年スケートカナダ3位、2020年NHK杯3位、2019年ジュニアグランプリリガ大会3位、2020年全日本選手権4位、2020年全日本ジュニア選手権優勝など。
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 2023年スケートカナダでの松生 | ||||||||||||||||||
| 生誕 |
2004年10月10日（19歳） 愛知県名古屋市 | |||||||||||||||||
| 身長 | 150 cm | |||||||||||||||||
| 出身校 |
南山大学附属小学校 聖霊中学校 名古屋市立前津中学校 中京大学附属中京高等学校[1] 中京大学 | |||||||||||||||||
| 選手情報 | ||||||||||||||||||
| 代表国 |
 日本 | |||||||||||||||||
| コーチ |
山田満知子 本郷裕子 村上友季子 | |||||||||||||||||
| 所属クラブ | 中京大学 | |||||||||||||||||
| 練習拠点 | 名古屋市 | |||||||||||||||||
| 開始 | 2012 | |||||||||||||||||
| ISUサイト | バイオグラフィ | |||||||||||||||||
| ISUパーソナルベストスコア | ||||||||||||||||||
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人物
編集聖霊中学校[2]から名古屋市立前津中学校[3]へ転校。血液型はB型[4]。9歳の時にスケートを始めた[2]。憧れの選手は浅田真央と、同門の山下真瑚[5]。
ジャンプに関しては、2回転アクセルが跳べるようになるまで2年かかり苦労したが、2回転アクセルを習得してからの進化は早く、短期間のうちに5種類の3回転ジャンプを跳べるようになった[6]。
経歴
編集ジュニア時代
編集2019-2020シーズン、7月に名古屋市港区の邦和スポーツランドで行われた名古屋市スケート競技会邦和スポーツランド杯ジュニア女子に出場し、ショートプログラム1位の荒木菜那を逆転し初優勝[3]。さらに8月、大津市の滋賀県立アリーナで行われた地方競技会「げんさんサマーカップ」のジュニア7級女子に出場。邦和杯からさらに難易度を上げ、ショートプログラムだけでなくフリースケーティング（フリー）も後半にすべてのコンビネーションジャンプを入れる構成に変え、ほぼミスのない演技で邦和杯に続く優勝を飾った[8]。9月、ジュニアグランプリに参戦し、第3戦のリガ大会では190点台をマークして3位となり、表彰台に乗った[9]。初めてのジュニアグランプリでの190点台での表彰台は2016年リュブリャナ杯での紀平梨花以来の快挙である。第7戦のイタリア大会は臀部打撲により棄権[10]。
2020-2021シーズン、全日本ジュニア選手権で優勝。新型コロナウイルス流行の影響で非公認大会として開催されたグランプリシリーズのNHK杯では3位、全日本選手権は4位に入った。
シニア以降
編集2021-2022シーズン
編集ジャパンオープンでは3回転アクセルに挑戦。回転不足と判定されたものの、135.12点の高得点をマークした[11]。グランプリシリーズに初参戦し、NHK杯で6位[12]、ロステレコム杯で8位となる[13]。北京オリンピック代表最終選考会の全日本選手権では、フリー前半のジャンプでミスが続き、総合7位[14]。オリンピックと世界選手権には選ばれなかったものの、初の四大陸選手権代表に選出された。
四大陸選手権では、ショートプログラム冒頭の3回転フリップで転倒し8位発進[15]。フリーでは後半3本のコンビネーションジャンプを含む計7本のジャンプをミスなく滑り切り、フリー・合計得点ともに自己ベストを更新し総合5位に入った[16][17]。2月のチャレンジカップでは、フリーで150.13点の高得点を叩き出し、優勝を果たした[18]。
2022-2023シーズン
編集グランプリシリーズはスケートアメリカ、フランス杯の2戦に出場。スケートアメリカではショートプログラム後半の演技中に転倒し、ジャンプのミスも影響し8位[19]、フリーは体調不良で棄権した[20]。体力が戻らず万全ではない中臨んだフランス杯では、総合7位となった[21][22]。全日本選手権では13位に終わった[23]。
2023-2024シーズン
編集先シーズン選ばれていた日本スケート連盟強化選手から外れる[24]。グランプリシリーズのアサインはなかったが[25]、紀平梨花の欠場によりスケートカナダへの出場が決まり[26]、再度強化選手Aに選ばれた。スケートカナダではショートプログラム・フリーともに3位、合計198.62点で、グランプリシリーズ初の表彰台となる3位に入った[27]。12月の愛知県競技会では、非公認ながらショートプログラムで71.64点の高得点を叩き出した[28]。全日本選手権では17位に終わった[29]。
技術・演技
編集ジャンプ
編集アクセルを除く5種類の3回転ジャンプを跳ぶことができる。第39回全国中学校スケート大会女子シングルプレビューのコラムの中ではジャンプの質の高い選手と紹介された[30]。
現在は3回転アクセルを練習しており、お手本として紀平の名前を挙げている。また4回転トウループや4回転サルコウの習得も目指している[31]。3回転ルッツ-3回転トウループや3回転ルッツ-3回転トウループ-2回転トウループのコンビネーションジャンプを得意とし、プログラムの中に取り入れている。
構成
編集2019-2020シーズンからショートプログラムでは後半に3回転ルッツ-3回転トウループのコンビネーションジャンプを入れ、フリースケーティングでは後半に3つすべてのコンビネーションジャンプ（3回転ルッツ-3回転トウループ-2回転トウループ、3回転フリップ-3回転トウループ、3回転ループ-2回転トウループ）を固める構成に難易度を上げた。
主な戦績
編集
マークが付いている大会はISU公認の国際大会
| 大会/年 | 2016-17 | 2017-18 | 2018-19 | 2019-20 | 2020-21 | 2021-22 | 2022-23 | 2023-24 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 国際大会（シニア） | ||||||||
 四大陸選手権
|
5 | |||||||
| GPスケートアメリカ
|
WD | |||||||
| スケートカナダ
|
3 | |||||||
| GPフランス杯
|
7 | |||||||
| GP NHK杯
|
3[注 1] | 6 | ||||||
| GPロステレコム杯
|
8 | |||||||
| 国際大会（ジュニア/ノービス） | ||||||||
| JGPイタリア
|
WD | |||||||
| JGPリガ
|
3 | |||||||
| 国内大会 | ||||||||
| 全日本選手権 | 4 | 7 | 13 | 17 | ||||
| 全日本ジュニア選手権 | 8 | 9 | 1 | |||||
| 全日本ノービス | 14 A | 11 A | ||||||
- J=ジュニアクラス
- A=ノービスAクラス
詳細
編集| 2023-2024 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2023年12月20日 - 24日 | 第92回全日本フィギュアスケート選手権（長野） | 12 58.97 |
15 115.37 |
17 174.34 |
| 2023年10月27日 - 29日 | ISUグランプリシリーズ スケートカナダ（バンクーバー ）
|
3 66.29 |
3 132.33 |
3 198.62 |
| 2022-2023 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年12月21日 - 25日 | 第91回全日本フィギュアスケート選手権（門真） | 20 56.01 |
13 123.84 |
13 179.85 |
| 2022年11月4日 - 6日 | ISUグランプリシリーズ フランスグランプリ（アンジェ）
|
9 57.68 |
6 118.84 |
7 176.52 |
| 2022年10月21日 - 23日 | ISUグランプリシリーズ スケートアメリカ（ノーウッド）
|
8 59.50 |
WD |
WD |
| 2021-2022 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年1月18日 - 23日 | 2022年四大陸フィギュアスケート選手権（タリン）
|
8 60.16 |
3 142.05 |
5 202.21 |
| 2021年12月22日 - 26日 | 第90回全日本フィギュアスケート選手権（さいたま） | 6 72.31 |
7 126.46 |
7 198.77 |
| 2021年11月26日 - 28日 | ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯（ソチ）
|
7 62.98 |
8 121.38 |
8 186.17 |
| 2021年11月12日 - 14日 | 2021年NHK杯国際フィギュアスケート競技大会（東京）
|
7 63.34 |
5 122.83 |
6 122.83 |
| 2020-2021 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年12月24日 - 27日 | 第89回全日本フィギュアスケート選手権（長野） | 7 65.57 |
4 139.17 |
4 204.74 |
| 2020年11月27日 - 29日 | 2020年NHK杯国際フィギュアスケート競技大会（門真）
|
4 65.74 |
2 133.23 |
3 [注 1] 198.97 |
| 2020年11月21日 - 23日 | 第89回全日本フィギュアスケートジュニア選手権（八戸） | 1 69.06 |
1 129.32 |
1 198.38 |
| 2019-2020 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年11月15日 - 17日 | 第88回全日本フィギュアスケートジュニア選手権（横浜） | 3 61.91 |
14 94.79 |
9 156.70 |
| 2019年9月4日 - 7日 | ISUジュニアグランプリ リガ（リガ）
|
4 66.41 |
2 126.62 |
3 193.03 |
| 2018-2019 シーズン | ||||
| 開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2018年11月23日 - 25日 | 2018年全日本ジュニアフィギュアスケート選手権（福岡市 ） | 7 53.62 |
10 97.00 |
8 150.62 |
プログラム使用曲
編集| シーズン | SP | FS | EX |
|---|---|---|---|
| 2023-2024 | One Day I'll Fly Away 映画『ムーラン・ルージュ オリジナル・サウンドトラック』より 振付：佐藤紀子 |
ネッラ・ファンタジア 作曲：エンニオ・モリコーネ 振付：宮本賢二 |
|
| 2022-2023 | Papa Can You Hear Me? 曲：バーブラ・ストライサンド 振付：佐藤紀子 |
ネッラ・ファンタジア 作曲：エンニオ・モリコーネ 振付：宮本賢二 |
Skinny Love 曲：バーディー 振付：村上佳菜子 |
| 2021-2022 | À quoi ça sert l'amour? (恋は何のために) 作曲：Michel Emer 振付：樋口美穂子 |
Moonlight 曲：Victoria Tocca, Jennifer Thomas 振付：樋口美穂子 |
Say Something 曲：ア・グレイト・ビッグ・ワールド |
| 2020-2021 | 映画『カラーパープル』より 作曲：ジョン・ウィリアムズ 振付：樋口美穂子 |
Parhaps Love 振付：樋口美穂子[33] |
Spanish Dance No. 1 (from La vida breve) 曲：Manuel de Falla 振付：樋口美穂子 |
| 2019-2020 | ドリュアデスとパン 作曲：カロル・シマノフスキ |
脚注
編集注釈
編集- ^ a b ※2020/2021 ISUグランプリシリーズは非公認大会。新型コロナウイルスの影響で変則開催の為、ISUの公認記録に反映されない。また世界ランキングのポイントも付与されない 各大会の出場者を地元選手や開催国に拠点を置く選手らに制限しており、公平性を保つため。国際スケート連盟（ISU）2020年10月26日[32]
出典
編集- ^ “１６歳松生理乃 ＳＰ７０・２７点で暫定トップ「ホッとした」”. デイリースポーツ (2021年8月11日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b 松生理乃“真央２世”目指す ジャンプが得意な中学２年
- ^ a b 松生理乃、邦和杯ジュニア逆転Ｖ！ 復活を印象づける３連続ジャンプ成功
- ^ 日本スケート連盟強化選手 - 松生理乃
- ^ 〈ジュニア強化合宿メモ〉松生理乃選手。憧れは浅田真央さんと同門の山下真瑚選手。ジュニア合宿は初参加。高難度ジャンプを跳ぶ選手が多いなか、表現力でアピールしたい
- ^ 第39回全国中学校スケート大会（全中） 女子シングルレビュー
- ^ 名古屋テレビ（2023年4月4日）
- ^ 松生理乃 ２大会連続Ｖで飛躍の予感！ げんさんサマーカップ ジュニア７級女子フリー
- ^ 松生が3位＝フィギュア・ジュニアGP
- ^ https://x.com/sportsjapan/status/1179298215943761925
- ^ “全日本ジュニア女王・松生理乃 トリプルアクセルは回転不足も高得点で「一歩前進」”. スポーツ報知 (2021年10月2日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃、大人の階段上ったＮＨＫ杯「後悔しない演技が出来ることを学べた」…女子フリー終えて、一問一答”. スポーツ報知 (2021年11月15日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2021年11月28日). “松生理乃「ものすごく悔しい」／フィギュア”. サンスポ. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃は悔し涙の7位…冒頭のジャンプでミス連発「自分のメンタルが弱かった」【フィギュア全日本選手権】：中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃、初の四大陸はＳＰ８位 転倒のミスで「悔しいって気持ちしかない」”. スポーツ報知 (2022年1月21日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃、フリー１４２・０５点の自己ベスト「安心とうれしさで、涙が出ちゃいました」”. スポーツ報知 (2022年1月22日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ “【フィギュア四大陸選手権】三原舞依がフリーの自己ベストを更新し5年ぶり2度目の優勝 松生理乃が5位 横井ゆは菜が7位：中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃が完全優勝 ジャンプは全てノーミス、ステップ＆スピンもレベル４ - フィギュア : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃は59・50で8位 演技後半に転倒とジャンプに乱れ 女子SP - スポニチ Sponichi Annex スポーツ”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “世界女王・坂本花織、圧勝のＧＰシリーズ通算３勝目「どうしてもファイナルにいきたい」／フィギュア”. サンスポ. SANKEI DIGITAL INC (2022年10月24日). 2022年10月24日閲覧。
- ^ “【フィギュア】松生理乃SP9位発進 涙声で「何が何だかわからなくなっちゃって…」 - フィギュア : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年12月27日閲覧。
- ^ 「フィギュア＝フランス大会男子で山本2位、友野は3位」『Reuters』、2022年11月5日。2023年12月27日閲覧。
- ^ “得意のジャンプ転倒で涙、体調不良の悔しさ、主役候補の気負い...全日本フィギュア女子で足跡を残した３人の「敗れざる者たち」”. 集英社 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (2022年12月27日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ “【フィギュア】23年度の特別強化選手に宇野昌磨、りくりゅう、ダンス強化Aかなだい他／一覧”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2022年4月26日). 2022年4月26日閲覧。
- ^ “【フィギュア】GPシリーズ出場選手を発表 宇野昌磨は第４戦中国杯＆第６戦NHK杯”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2022年6月28日). 2022年6月28日閲覧。
- ^ “スケートカナダ出場選手について”. 公益財団法人日本スケート連盟 (2023年9月29日). 2023年9月29日閲覧。
- ^ “松生理乃「３位になることができるなんて想像していなかった」 代替出場でＧＰ初の表彰台”. スポーツ報知 (2023年10月29日). 2023年12月27日閲覧。
- ^ “松生理乃が優勝「気持ち良く滑ることができた」年末の全日本選手権へ弾み【フィギュア・愛知県競技会】：中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2023年12月27日閲覧。
- ^ “第92回全日本フィギュアスケート選手権：女子シングル結果”. 日本スケート連盟. 2023年12月27日閲覧。
- ^ 第39回全国中学校スケート大会 女子シングルプレビュー
- ^ 【フジテレビ公式】松生理乃 ジュニア合宿
- ^ “フィギュア、今季GPは得点非公認 変則開催で”. 日本経済新聞. (2020年10月27日) 2021年9月7日閲覧。
- ^ 全日本ジュニア選手権 選手情報詳細(PDF) - フジテレビ
外部リンク
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