森の伝説

日本のアニメ映画

森の伝説』(もりのでんせつ)は、手塚治虫の未完のアニメーション映画1987年12月18日に第一楽章と第四楽章が完成し、1988年2月13日に上映された。一部短編『モモンガのムサ』を踏襲している。

森の伝説 PART-1
監督 手塚治虫宇井孝司
主題歌 チャイコフスキー作曲 交響曲第4番
配給 手塚プロダクション
公開 1988年2月13日
上映時間 29分20秒
製作国 日本
言語 日本語
次作 森の伝説 第二楽章
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未制作となっていた第二楽章と第三楽章のうち、第二楽章は、2014年8月21日に、手塚治虫の息子の手塚眞の手により制作・公開された。

概要 編集

手塚の構想10年に亘るアニメ大作映画として製作された、手塚版『ファンタジア』とでも言うべき内容の作品である。当初は、ディズニー以前のアニメ創成期から現代テレビ・アニメに至るまでのアニメーションの歴史をパロディとして織り込んだ、手塚アニメの集大成として作られるはずだった。しかし、1988年に腹部の痛みで半蔵門病院に入院、後に胃癌と発覚し、製作は不可能となり、翌1989年に手塚が死去したことで遺作の一つとなった。

これに伴い、作品は未完になると見られていたが、2000年に原典『ファンタジア』が『ファンタジア2000』として続編を発表したことがきっかけとなり、2003年IMAXシアター用にリマスター版が再上映された。さらにそれを機に、本作自体への再評価の動きが見られ、2008年に息子の手塚眞が実製作部分の第二、第三楽章を製作することを発表している[1]

2014年に第二楽章が完成する。完成まで6年かかったことについて、手塚眞は「試行錯誤を重ねる間に時間がかかり、さらに東日本大震災の影響で制作が中断していたため」と語っている[2]

キャスト 編集

スタッフ 編集

受賞 編集

第二楽章 編集

森の伝説 第二楽章
監督 手塚眞
脚本 手塚治虫
原案 手塚治虫
主題歌 チャイコフスキー作曲 交響曲第4番
制作会社 手塚プロダクション
公開 2014年8月21日
上映時間 11分49秒
製作国   日本
言語 日本語
前作 森の伝説 PART-1
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2014年8月21日、第15回広島国際アニメーションフェスティバルにおいて初公開[5]、その後、9月5日から14日まで横浜市西区みなとみらいブリリア・ショートショートシアターで開催された「「森の伝説 第二楽章」完成記念 手塚治虫アートアニメーション特集上映」において上映された[6]

スタッフ 編集

  • 原案・脚本 - 手塚治虫
  • 監督 - 手塚眞
  • 音楽 - チャイコフスキー 交響曲第四番より(指揮 小林研一郎
  • 企画 - 松谷孝征、清水義裕
  • プロデューサー - 宇田川純男
  • キャラクターデザイン/作画監督 - 杉野昭夫
  • キーアニメーター - 内田裕
  • 美術デザイン/美術監督 - 河野次郎
  • 撮影監督 - 塩川智幸
  • 色彩設定/色指定 - 小林美代子
  • 絵コンテ - 手塚眞
  • 演出 - 吉村文宏
  • 原画 - 杉野昭夫、内田裕、三浦菜奈、山田桃子、青木一紀、中村路之将、斉藤圭太、篠原隆、吉村昌輝、小林準治、河口俊夫、片山みゆき

受賞 編集

脚注 編集

  1. ^ 手塚治虫の遺作アニメ「森の伝説」手塚眞が未完部分制作 完結へ
  2. ^ 未完の手塚アニメ、息子・手塚眞が完成へ「自分がやるしかない」”. シネマトゥディ (2014年9月7日). 2014年9月7日閲覧。
  3. ^ a b c 森の伝説PART-1”. TezukaOsamu.net. 2018年3月10日閲覧。
  4. ^ 毎日映画コンクール 第42回(1987年)”. 毎日新聞社. 2018年3月10日閲覧。
  5. ^ 『虫ん坊』2014年9月号 特集1 ついに完成! 「森の伝説 第2楽章」手塚眞インタビュー”. TezukaOsamu.net (2014年9月). 2018年12月27日閲覧。
  6. ^ 真狩祐志. “「森の伝説 第二楽章」完成記念 横浜で手塚治虫の実験アニメーション特集”. アニメ!アニメ!. 2018年12月27日閲覧。
  7. ^ 森の伝説 第二楽章”. 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品. 2018年12月27日閲覧。

外部リンク 編集