気違いのお茶会(きちがいのおちゃかい、A Mad Tea-Party)は、ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』に登場する三月ウサギ(March Hare)の庭園で催されているお茶会であり、また、その章のタイトルである。

ジョン・テニエル筆、気違いのお茶会(1865年)

このお茶会は、一般的にいかれ帽子屋 (The Mad Hatter) として知られる帽子屋がはじめて登場するシーンである。そのため、しばしば誤って「いかれ帽子屋のお茶会」と呼ばれることがあるが、あくまで三月ウサギの庭園で催されている。

作中での帽子屋の台詞によると、彼がかつてハートの女王に呼ばれ「きらきら光るコウモリさん」の詩[1]を披露したところ、女王から「時間の無駄」と怒りを買ってしまい、それ以来、時間が止まったまま終わらないお茶会を続けている。そのため、テーブルには無数のポットやカップが並び、順番に席をずらしながらお茶会をしている状態である。

映画でのお茶会 編集

不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を原作としたディズニーアニメ映画ふしぎの国のアリス』にも、このお茶会を基にした、いかれ帽子屋(マッドハッター)と三月ウサギ(マーチ・ヘアー)によるお茶会のシーンが登場する。また、映画版では、原書と異なり、彼らが「お誕生日じゃない日の歌 (The Unbirthday Song)」を歌い、白ウサギの大切な懐中時計を壊してしまう。また、ポットの中の1つにヤマネ(ドーマウス)が入っており、前述の「きらきら光るコウモリさん」の詩を披露する。

引用作品 編集

オーエン家のパーティーで『不思議の国のアリス』の一場面として「お茶会」が演じられ、その夜、帽子屋を演じた主人が行方不明になる。

その他 編集

ディズニーランドなどの世界のディズニーパークには、映画版のお茶会をモチーフにしたアトラクションマッド・ティーパーティー」が存在する。

脚注 編集

  1. ^ きらきら星」の替え歌。
  2. ^ 「キ印ぞろいのお茶の会の冒険」(現行版では「は茶め茶会の冒険」と改題された)は、創元推理文庫版『世界短編傑作集 4』に所収されているため、同文庫の『エラリー・クイーンの冒険』では割愛されている。嶋中文庫版の作者短編集『神の灯』には「マッド・ティー・パーティ」のタイトルで所収。

関連項目 編集