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エラリー・クイーン

エラリー・クイーン(Ellery Queen)は、アメリカ推理作家である。フレデリック・ダネイ(Frederic Dannay、1905年10月20日 - 1982年9月3日)とマンフレッド・ベニントン・リー(Manfred Bennington Lee、1905年1月11日 - 1971年4月3日)が探偵小説を書くために用いた筆名の一つ。ダネイとリーは従兄弟同士であり、ユダヤ系移民の子である。上記の彼らの個人名もそれぞれペンネームであり、ダネイの本名はダニエル・ネイサン(Daniel Nathan)、リーの本名はマンフォード・エマニュエル・レポフスキー(Manford Emanuel Lepofsky)。

エラリー・クイーン
Ellery Queen
Ellery Queen NYWTS.jpg
フレデリック・ダネイ(左)とミステリー作家ジェイムズ・ヤッフェ(1943年)
ペンネーム エラリー・クイーン(Ellery Queen)
バーナビー・ロス(Barnaby Ross)
誕生 フレデリック・ダネイ、マンフレッド・ベニントン・リー
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル 推理小説
代表作Yの悲劇』(1932年)
デビュー作ローマ帽子の謎』(1929年)
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小説シリーズでは、エラリー・クイーンは著者の名前だけでなく物語の名探偵の名前でもある。なお共作の手法は、まずプロットトリックをダネイが考案し、それをリーに梗概などの形で伝え、2人で議論を重ねたあとリーが執筆した[1]。2人がこの創作方法をとるようになったのは、プロットを思いつく能力は天才的ながら文章を書くのが苦手なダネイと、文章は上手いがプロットが作れないリーの2人の弱点を補完するためであった。

一般的人気はアガサ・クリスティに劣るものの、日本では昔から特に熱烈なマニアの崇拝を集め、この名を第一に挙げる推理作家や影響を受けた作家が数名存在する[2]

目次

経歴編集

ローマ帽子の謎』から『スペイン岬の謎』までのいわゆる国名シリーズは、S・S・ヴァン・ダインの影響が見られるものの、読者への挑戦状など独自の工夫もあり、手掛りの解釈に緻密さと大胆さを両立させ得た作風は、本格探偵小説として評価が高い。

同時にバーナビー・ロス名義で、聾者の探偵ドルリー・レーンが活躍する4部作も発表している。第2作『Yの悲劇』は、とりわけ日本で評価が高く、ヴァン・ダインの『グリーン家殺人事件』の影響を受けつつも、さらに意外な犯人で、推理小説の歴史に残る傑作とされる(第1期)。

中途の家』から『ドラゴンの歯』までの5作品は、クイーンがハリウッドで脚本の仕事を始めたり、女性誌に作品を発表したりし始めたことから、恋愛小説的要素が増えた(第2期)。

ライツヴィルという架空の地方都市を舞台にした『災厄の町』から、人間の心理面に重きが置かれるようになり、『九尾の猫』では悲劇的な真相に気づいて涙を見せるなど、超人的な名探偵であったエラリーが、間違いを犯し苦悩することもある人間として描かれる。そして、中年となったエラリーが30年前(『ローマ帽子の謎』直後)の事件の真相に気づく、集大成的な作品『最後の一撃』でこの時期は終わる(第3期)。この「間違いを犯し苦悩することもある人間」としての探偵については、後期クイーン的問題としてしばしば議論の対象となる。

1960年代以降の作品のいくつかは、監修は行っていたと考えられるものの、執筆は他の作家によることが知られている。代表的なものには、シオドア・スタージョンによる『盤面の敵』、エイヴラム・デイヴィッドスンの手になる『第八の日』『三角形の第四辺』などがある(第4期)。これらはクイーンの本来の共作スタイルとして、「ダネイがプロット担当、リーが執筆担当」だったものが、リーの衰えにより、ダネイのプロットの作品化を他作家に委ねたものである[3]

同時期にペーパーバック・オリジナルで刊行されたクイーン名義のミステリとロス名義の歴史小説[4]は、他のライターの作品をリーが監修・編集等を行ってクイーン作品としたものである。『二百万ドルの死者』が早川書房から、『青の殺人』など数作が、原書房から翻訳され出版されている。遡って1940年代にも他者の手になるノベライゼーション『エラリー・クイーンの事件簿』(「大富豪殺人事件」ほか数点をまとめた中編集)やエラリー・クイーン・ジュニア名義の児童もの(うち9作翻訳あり[5])がある。

初期から晩年までダイイング・メッセージに固執し続けたが、この点については都筑道夫他評価しない論者もいる。

実作以外には、1933年に創刊された雑誌『ミステリー・リーグ』の編集に参加(2人で参加)。ただし雑誌は4号で廃刊となった。その後1941年に推理小説専門誌 エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』(Ellery Queen's Mystery Magazine、EQMM) を創刊(ダネイ単独[6])して新人作家の育成を行った。また、アンソロジーの編纂により過去の作家の佳作を発掘したりするなどの活動(ダネイ単独[6])も広く行った。「エラリー・クイーンはアメリカの探偵小説である」 "Ellery Queen is the American detective story."という評もある。

1961年MWA賞巨匠賞を受賞している。さらに、1950年にEQMMにもMWA賞特別賞が贈られている。

日本では、『Yの悲劇』が1978年清水邦夫脚本、石坂浩二主演で連続TVドラマ化されている。『災厄の町』も『配達されない三通の手紙』として、野村芳太郎監督により1979年に映画化された。

バーナビー・ロス名義使用の真相編集

エラリー・クイーンが『レーン最後の事件』で表明しているところでは、最後に意外な犯人の新しいパターンを成立させるために、新しいペンネームと新しい探偵を創造した(先行する3作が4作目のトリックを際立たせる仕組み)ということになる。トリック用ペンネームとでもいうべきクイーンの覇気満々の時代の念の入った仕事である。

なお、クイーン名義の『ローマ帽子の謎』中に「バーナビー・ロス殺人事件」なる語句を挿入し、読者にヒントを与えていたのだと主張している。

かつて「クイーン」と「ロス」の2人がそれぞれ覆面をかぶって公開討論したことがある。2人合同でペンネームを二つ持つという事実が秘密だったから可能になった「二人二役」である。

著作リスト編集

長編編集

エラリー&クイーン警視もの編集

ノンシリーズ編集

  • 1954年 ガラスの村 The Glass Village - ニューイングランドの一寒村「シンの辻」で起きた事件を扱う物語。
  • 1969年 孤独の島 Cop Out - 執筆活動40周年記念作品。警官マローンと3人組強盗のクライム・ストーリー。

短編集編集

  • 1934年 エラリー・クイーンの冒険 The Adventures of Ellery Queen - クイーンの第一短編集。
  • 1940年 エラリー・クイーンの新冒険 The New Adventures of Ellery Queen - 第二短編集。「スポーツ」関連の作品が多い。
    • 神の燈火(神の灯) The Lamp of God - 「新冒険」の冒頭に収められたクイーン中編の代表作。「家の消失」トリックで有名[11]
  • 1952年 犯罪カレンダー Calendar of Crime - 月ごとの犯罪を扱う12の物語。
  • 1955年 クイーン検察局 QBI: Queen's Bureau of Investigation - 原題の「QBI」はFBIのもじり。
  • 1965年 クイーンのフルハウス Queen's Full - 3中編と2短編でポーカーの役「フルハウス」に見立てた中短編集。
  • 1968年 クイーン犯罪実験室 QED: Queen's Experiments in Detection - 原題の「QED」は数式・定理などの「証明終わり」の意味。
  • 1999年 間違いの悲劇 The Tragedy of Errors and Other Stories - 未完成長編のシノプシス「間違いの悲劇」を含むクイーン最後の作品集。

ノヴェライズ(小説化)作品集編集

  • 1945年 エラリー・クイーンの事件簿[12]The Case Book of Ellery Queen
(ラジオ・テレビドラマや映画のノヴェライズを集めた中編集。助手でニッキー・ポーターが登場する作品が多い。)

台本・シナリオ集編集

  • 1945年 聴取者への挑戦状 The Adventure of the Murdered Moths and other Radio Mysteries
(ラジオドラマ台本の傑作選。邦訳は『ナポレオンの剃刀の冒険』『死せる案山子の冒険』の2分冊で論創社から出版。)
  • 1945年 犯罪コーポレーションの冒険 The Adventure of the Crime Corporation and other Radio Mysteries - 戦後の推理雑誌である共栄社『探偵倶楽部』、早川書房『HMM』および光文社『EQ』 に不定期掲載[13]
    • 1940年 暗闇の弾丸 The Blind Bullet - HMM ('78.4) に掲載。
    • 1940年 よきサマリア人の冒険 The Adventure of the Good Samaritan - 『EQ』('82.1) に掲載。
    • 1940年 怯えたスターの冒険 The Finghtened Star - 『EQ』('84.'1) に掲載。
    • 1940年 カインの烙印 The Mark of Cain - 『HMM』('99.12) に掲載。
    • 1942年 見えざる手がかりの冒険 The Invisible Clue - 『EQ』('97.5) に掲載。
    • 1943年 一本足の男 The One-Legged Man - 『HMM』('78.4) に掲載。

バーナビー・ロス名義の作品編集

悲劇四部作(ドルリー・レーン)編集

普通小説編集

  • 1961年 クインティン・シーバス Quintin Chivas [15]
  • 1962年 未解読の古文書 The Scrolls of Lysis [16]
  • 1964年 紛糾する政争 The Duke of Chaos [17]
  • 1964年 さまよえるクリー族 The Cree from Minataree
  • 1965年 数奇な親族 Strange Kinsip
  • 1966年 情熱の女王 The Passionate Queen

エラリー・クイーン・ジュニア名義の作品編集

ジュナの冒険編集

ノンシリーズ(児童向けミステリ)編集

  • 1961年 愉快な魔術師の謎 The Mystery of the Merry Magician - ジェイムズ・ホールディング執筆、リー監修。
  • 1962年 消えた犠牲者の謎 The Mystery of the Vanished Victim

ダネイおよびリー単独作品編集

名義貸し作品(ペーパーバック書き下ろし)編集

コリガン警部編集

  • 1966年 ビアンカの行方 Where Is Bianca? (タルメッジ・パウエルが執筆。リーが監修。)
  • 1966年 Who Spies, Who Kills?
  • 1966年 Why So Dead??
  • 1967年 かくして殺人へ How Goes the Murder? (リチャード・デミングが執筆)
  • 1967年 Which Way to Die?
  • 1968年 摩天楼のクローズドサークル(夜の帳が下りる時)[21]What's In the Dark? [22](リチャード・デミングが執筆)
(コリガン警部ものは全6作、次項の「トラブルシューター」も全4作あるとされるが、日本語未訳が多い。)

トラブルシューター編集

  • 1968年 Guess Who's Coming to Kill You? 
  • 1969年 The Campus Murders
  • 1970年 黒の殺人 The Black Hearts Murder(リチャード・デミングが執筆。トラブルシューター・シリーズ。)
  • 1972年 青の殺人 THe Blue Movie Murdersエドワード・D・ホックが執筆、ダネイが監修。トラブルシューター・シリーズ。)
(前項の「コリガン警部」ものは原題が5W1Hのいずれかで始まる疑問形、トラブルシューターは~Murderもしくは~Murdersとなっており(第1作は例外)、悲劇四部作や国名シリーズのような統一感を出している)

ノンシリーズ編集

  • 1961年 二百万ドルの死者 Dead Man's Taleスティーヴン・マーロウが執筆、リーが監修[23]
  • 1962年 死がレコードをかける Death Spins the Platter [24](リチャード・デミングが執筆)
  • 1963年 曰く付きの殺人 Murder with a Past(タルメッジ・パウエルが執筆)
  • 1963年 妻か死か Wife or Death(リチャード・デミングが執筆)
  • 1963年 Kill As Directed
  • 1964年 ジョンが四人 The Four Johns [25]ジャック・ヴァンスが執筆)
  • 1964年 金の鵞鳥 The Golden Goose [26](フレッチャー・フローラが執筆)
  • 1964年 熱く冷たいアリバイ Blow Hot Blow Coldフレッチャー・フローラが執筆、リーが監修)
  • 1964年 最後の大仕事 The Last Score(チャールズ・ラニアンが執筆)
  • 1965年 若者は判ってくれない Reware The Young Stranger [27](タルメッジ・パウエルが執筆)
  • 1965年 嵌められた警官 The Copper Frame [28](リチャード・デミングが執筆)
  • 1965年 チェスプレイヤーの密室 A Room to Dieジャック・ヴァンスが執筆、リーがプロット作りに参加[29]
  • 1965年 殺し屋が接触 The Killer Touch [30](チャールズ・ラニアンが執筆)
  • 1966年 悪魔の料理 The Devil's Cook(フレッチャー・フローラが執筆)
  • 1966年 勝者たちも泣く Losers,Weepers [31] (リチャード・デミングが執筆)
  • 1966年 狂人の論理 The Madman Theory(ジャック・ヴァンスが執筆、リーが監修)
  • 1966年 Shoot the Scene
  • 1969年 接吻で殺せ[32] Kiss and Kill(チャールズ・ラニアンが執筆)

ノンフィクション編集

  • 1956年 私の好きな犯罪実話 My Favorite True Mystery[33]
(他作家の執筆作品も含めたアンソロジー。現実では犯人が完全犯罪を達成した『ベンスン殺人事件』『スタイルズ荘の怪事件』など有名作家作品の元ネタとなった事件も取り上げられている。「テイラー事件」「あるドン・ファンの死」の2作品をリーが執筆。)
  • 1966年 事件の中の女 The Women in the Case(女性が事件のメインとなった犯罪実話集。リーが執筆。)

編書・アンソロジー編集

テーマ別編集

  • 1936年 読者への挑戦 Challenge to the Reader - 作者名探偵の名を伏せて、読者に当てさせるゲーム趣向の短編集。
  • 1941年 101年のお楽しみ 101 Years' Entertainment - 1841-1941 の名探偵・女探偵・怪盗・犯罪ものに分類された短編傑作集。
  • 1942年 血のスポーツ Sporting Blood - 運動・スポーツ関連の犯罪・探偵小説を集めた短編集。
  • 1943年 犯罪の中のレディたち Ladies in Crime - 女性の名探偵や犯罪者が登場する短編集。
  • 1944年 シャーロック・ホームズの災難 The Misadventures of Sherlock Holmes - ホームズもののパロディ・パスティシュ集。
  • 1945年 完全犯罪大百科 Rougue's Gallery - 殺人をはじめとする犯人側が勝利する作品群。いわば悪党見本市。
  • 1947年 殺人は専門家に Murder by Experts - 医師や弁護士など専門的知識を有する人物が殺人者もしくは名探偵の短編集。
  • 1951年 犯罪文学傑作選 The Literature of Crime - 文豪たちが書いた犯罪小説を集めたもの。
  • 1962年 眠られぬ夜の為に To Be Read Before Midnight - 夜の事件・サスペンス中心のミッドナイト・スリラー。
  • 1967年 犯罪は詩人の楽しみ Ellery Queen's Poetic Justice - 詩人によるミステリの集大成。
  • 1969年 ミニミステリ傑作選 Ellery Queen's Mini Mysteries - 最大二千語を超えないショート・ショートミステリ。
  • 1971年 黄金の13 Ellery Queen's the Golden 13 - クイーン主宰の短編コンテスト優勝作品を13年分まとめた短編集。
  • 1976年 警官嫌い Cops and Capers - 警官と刑事を主人公にした所謂「警察もの」。
  • 1977年 兇行の果て Crime and Consequences - 「倒叙」および「半倒叙」ミステリの作品集。
  • 1977年 今際の託言 X marks the Plot - ダイイング・メッセージを扱った短編集。
  • 1978年 日本傑作推理12選 Japanese Golden Dozen - 日本推理作家の短編を集めた企画もの。日本では光文社から1977年に先行出版(日本語から米語への翻訳についての詳細は不明)、1980年から1981年に『傑作推理劇場』のタイトルでドラマ化。

年度別編集

  • 1962年 EQMMアンソロジー Ellery Queen's 1962 Anthology - 1962年の短編傑作選[34]
  • 1966年 ミステリー短篇傑作集 Ellery Queen's 1965 Anthology - 1965年の短編傑作選[35]
  • 1967年 ミステリー短篇傑作集 第二集 Ellery Queen's 1966 Anthology - 1966年の短編傑作選。
  • 1967年 名探偵の供宴 Ellery Queen's All-Star Lineup - 1967年の短編傑作選。
  • 1968年 Ellery Queen's Mystery Parade
  • 1969年 Ellery Queen's Murder Menu
  • 1970年 Ellery Queen's Grand Slam
  • 1971年 立て役者が多すぎる Ellery Queen's Headliners - 1971年の短編傑作選。
  • 1977年 状況証拠 Ellery Queen's Circumstantial Evidence - 1977年の短編傑作選。
  • 1980年 隠された真実(クイーンズ・コレクション) Ellery Queen's Veils of Mystery - 1980年の短編傑作選[36]

作家別編集

(クイーンが編纂したアンソロジーは、「テーマ別」と「年度別」の他に「作家別」の編書が多数ある[38]が、上記で邦題があるもの以外は日本語単行本がなく、また翻訳版はクイーン編オリジナルと収録作が違うことがある)

評論・その他編集

  • 1934年 芸術としての殺人 Murder as a Fine Art
(エラリー・クイーンの推理小説論・エッセイ)
  • 1942年 推理短編目録 The Detective Short Story: A Bibliography
(作者別アルファベット順の探偵小説の短編集目録)
  • 1943年 黄金の二十 The Golden Twenty
(クイーンが推理小説通の人々にベスト作品を問うアンケートを実施し、長編10、短編10を決定しコメントしたもの。アンソニー・バウチャーは本作に賛否もろもろの意見を述べた評論『シルバー13』を発表している。)
  • 1946年 クイーン好み To the Queen's Taste
(クイーン主幹の雑誌『ミステリ・リーグ』に連載のコラムを纏めたもの。ダネイが執筆。)
ポー以前にまでさかのぼり、クイーンが年代ごとに番号をつけ解説する推理小説の歴史。ダネイが執筆。)
  • 1957年 クイーン談話室 In the Queen's Parlor, and Other Leaves from the Editor's Notebook
(自作・他作問わず、ミステリ関連の話題を語った評論・エッセイ集)
(ダネイとリーの往復書簡。2人の没後、Joseph Goodrich により纏められ出版。)

関連文献編集

クイーン研究書編集

クイーン作品のパロディ・パスティシュなど編集

(エラリー・クイーン名義での作品(『青の殺人』など)発表もあるホックなどが書いた探偵エラリー登場のパロディ集)
  • 1969年 10か月間の不首尾 The Ten Months' Wander - J・N・ウイリアムソン
(『十日間の不思議』The Ten Days' Wonder のもじり。クイーン後期作品のパスティシュ。)
(クイーン主宰の『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』で書評欄を務めるブリーン(『女装好きな男』『虚栄殺人事件』などコナン・ドイルやヴァン・ダインの文体に似せた作品を書いたことでも知られる)による国名シリーズのパスティシュ。
北欧民話「幸福の長靴」に因むとともに、クイーンの『オランダ靴の謎』The Dutch Shoe Mysteryのもじり。)
昭和11年、映画脚本を書くため来日したエラリイは銀座で殺人を目撃する。日本の習俗を知らないエラリイに永井荷風がヒントを与える。
(ドルリー・レーン4部作の「本歌取り」ミステリ。八田家の当主の死に端を発する連続殺人を、耳の不自由な旅回りの役者が解決に導く。作品名の後半「猥の悲劇」は『Yの悲劇』のもじり。)
(雑誌社の社長が殺され、3人の容疑者にはそれぞれアリバイがある。その謎の解明に集結したファイロ・ヴァンスヴァン・ドゥーゼン教授ネロ・ウルフともう一人、彼らの前で鼻眼鏡(パンス・ネ)をはめて「Q・E・D」と素人探偵気取りで真相を語る「私」。)
  • 2002年 Qの悲劇 または二人の黒覆面の冒険- 芦辺拓
(マンフレッド・リーとフレデリック・ダネイが謎の覆面作家エラリー・クイーンとバーナビー・ロスとして講演会を催す当日、現実の殺人事件に巻き込まれ、講演会で事件の解決を余儀なくされる。作品名の前半「Qの悲劇」は『Yの悲劇』のもじり。)
  • 2010年 視聴者への挑戦状 The Television Adventures of Ellery Queen - リチャード・レビンソンとウイリアム・リンク
(『刑事コロンボ』原作者コンビによるTVドラマ『エラリー・クイーン』のシナリオ集。ドラマの途中でエラリーが視聴者に「挑戦」をいどむ趣向の作品[41]。日本では23作[42]のうち『ミステリの女王の冒険』(エラリー・クイーン原案)と題し、表題作ほか4本を収録した単行本が論創社から発行。)

関連項目編集

脚注編集

  1. ^ 『エラリー・クイーン 推理の芸術』第7章
  2. ^ 誰にでもわかるような形でペンネームに名前を取り入れた依井貴裕、警視の父親を持つ作者と同名の作家兼探偵という主人公をそのまま踏襲して作品を発表し続けている法月綸太郎のほか、『ニューウェーブ・ミステリ読本』(1997年原書房)では有栖川有栖千街昌之によって「日本のクイーンの称号に相応しい」と記され、同書のインタビューでは綾辻行人が好きな作家として「海外では断然クイーン」と語っている。
  3. ^ 飯城 勇三『エラリー・クイーンの騎士たち―横溝正史から新本格作家まで』(論創社)
  4. ^ 歴史小説は長編6作あるが2015年現在、翻訳なし
  5. ^ 2017年現在、『黒い犬の秘密』が『見習い探偵ジュナの冒険 黒い犬と逃げた銀行強盗』、『緑色の亀の秘密』が『見習い探偵ジュナの冒険 幽霊屋敷と消えたオウム』のタイトルで角川つばさ文庫から出版されているほか、「紫の鳥の秘密」のみHMM連載されている。
  6. ^ a b フランシス M.ネヴィンズ Jr.『エラリイ・クイーンの世界』 (早川書房)P.41
  7. ^ 早川書房では『日本庭園の秘密』
  8. ^ 角川書店では当初『処女の跡取り娘』のち『許されざる結婚』
  9. ^ 原題は巨大な靴の家に住む老婆を扱うマザーグースの冒頭の歌い出し。『生者と死者と』は東京創元社の旧版の邦題
  10. ^ 『エラリイ・クイーンの世界』(早川書房)、『熱く冷たいアリバイ』解説(原書房)など
  11. ^ 江戸川乱歩が「黒い家」と改題して訳している(江戸川乱歩推理文庫『海外探偵小説作家と作品3』)。
  12. ^ 邦訳は5話のうち2作品がHPB1207『大富豪殺人事件』(早川書房)、全5話が創元推理文庫『エラリー・クイーンの事件簿1・2』の2分冊(東京創元社)で出版。
  13. ^ 光文社『EQ』掲載作では、邦題が「~の冒険」となっている。
  14. ^ 角川書店(旧版)のみ『最後の悲劇』。早川書房は『ドルリイ・レーン最後の事件』
  15. ^ 「Chivas」(家系・銘柄)は「シーバス(ウイスキーなど)」だが、人名・地名では「チーバス」と発音する場合もあり。
  16. ^ 「Lysis」は「溶解」と「謎解き」のダブル・ミーニング。
  17. ^ 「Duke」は「公爵」と「喧嘩・拳闘」のダブル・ミーニング。
  18. ^ 角川書店での邦題は『見習い探偵ジュナの冒険 黒い犬と逃げた銀行強盗』(2017年、角川つばさ文庫)
  19. ^ フランシス・M・ネヴィンズ著『エラリー・クイーン 推理の芸術』(2016年、国書刊行会)
  20. ^ 角川書店での邦題は『見習い探偵ジュナの冒険 幽霊屋敷と消えたオウム』(2016年、角川つばさ文庫)
  21. ^ 早川書房HMMでは『夜の帳が下りる時』。単行本の邦題は原書房のもの
  22. ^ 英国での題名はWhen Fell the Night?
  23. ^ 早川ポケットミステリ1006(1967年
  24. ^ アナログ・レコードの再生(針でなくターンテーブルのほうが回る)より。邦題は飯城勇三の翻訳。
  25. ^ 英国での題名はFour Men Called John
  26. ^ グリム童話のDie goldene Gansに因む
  27. ^ 英語タイトルは、娘に容疑者の青年と駆け落ちされた主人公の口癖。邦題は1959年のフランス映画『大人は判ってくれない』のもじり。
  28. ^ 「Copper」は「逮捕する」の米俗語
  29. ^ 『2016本格ミステリベスト10』(原書房)ほか
  30. ^ 「Touch」は「犠牲者についた犯人の痕跡」と「殺し屋とのコンタクト」のダブル・ミーニング
  31. ^ 慣用句「Finders keepers, losers weepers.(正直者は馬鹿を見る)」から。ただし本作は、金を巻き上げられそうな「Loser」たる主人公が勝者(3人)に一泡吹かせる。
  32. ^ HMMで「死の接吻」であった表記を、アイラ・レヴィンの同名和訳タイトルがハヤカワ・ミステリ文庫から出版されたため改題
  33. ^ The American Weekly ,USA 1956.
  34. ^ 邦訳は『EQMMアンソロジーI・II』(早川書房)の二分冊。
  35. ^ 邦訳が「洋販出版」のため、1962年の「早川書房」と邦題が統一されていない。また『ミステリー短篇傑作集』(洋販出版)は二分冊にせず、全作品を収録するが抄訳。
  36. ^ 1967年以降の邦題はHMM掲載時。単行本では『クイーンズ・コレクション1・2』のような平凡なタイトルになっている。
  37. ^ 新樹社では『エラリー・クイーンのライヴァルたち1』
  38. ^ クイーン研究書『エラリー・クイーンの世界』など
  39. ^ 邦題は飯城勇三による仮題。2017年時点では日本語未訳。
  40. ^ 以前の筆名は「フランシス・M・ネヴィンズ・ジュニア」だったが、現在は「ジュニア」がない。(解説:飯城勇三)
  41. ^ 日本のドラマ『古畑任三郎』が同じ手法を採用している。
  42. ^ 「奇妙なお茶会の冒険」のみはエラリー・クイーン原作の短編を元にした台本である。