水俣市土石流災害(みなまたしどせきりゅうさいがい)は、2003年平成15年)7月20日4時15分頃に、熊本県水俣市で発生した土石流災害である。

概要

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発生した土石流

水俣市では当時、梅雨前線湿舌の影響で、1時間雨量72mm(アメダス、熊本県設置の深川雨量計では121mm)を記録するなど激しい豪雨であった。大規模な土石流は、市内の深川新屋敷地区と宝川内集地区の2箇所で発生し、19人が死亡、7人が負傷した[1][2]避難勧告の発令は遅れ、土石流が起きた後になって発令された[3]。物的被害は県下50市町村で176億円に及んだ[4]。日赤熊本救護班も出動した。

水俣市は、災害の反省・教訓を後世に伝えようと、『平成15年水俣土石流災害記録誌~災害の教訓を伝えるために~』と題する記録誌を作成している[5]

なお、土石流災害前後の7月18日から20日にかけて、九州では梅雨前線の影響で集中豪雨となっており、熊本県、鹿児島県福岡県長崎県の4県で合計23人が死亡している。

水俣豪雨災害の主な被害状況(熊本県)[4]
人的被害 死者19名(水俣市) 重軽傷者7名(水俣市)
住家被害 住宅全壊20棟(水俣市) 住宅半壊5棟(水俣市) 床上浸水149棟(水俣市20、津奈木町8)
床下浸水354棟(水俣市68、津奈木町 家屋一部破損6棟(水俣市5、津奈木町1)
非住家被害 公共施設16棟(水俣市 その他35棟29、津奈木町6)
水道施設被害 上水道施設2施設(水俣市、芦北町) 簡易水道等10施設(水俣市)
公共土木施設等 道路施設261箇所 橋りょう施設5箇所 砂防施設57箇所
河川施設314箇所 その他12箇所
教育施設被害 浸水被害2施設 他の被害4施設
農業被害 農地の流失、埋没等579箇所 農道、用排水路等の崩壊386箇所 農作物の被害16.7ha
農業施設19箇所
林業被害 林道施設183箇所 山地崩壊141箇所 林産物(立木)121箇所
造林地5箇所 治山施設4箇所

脚注

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