池田1号墳 (豊田市)

日本の愛知県豊田市にある古墳

池田1号墳(いけだいちごうふん、池田第1号古墳)は、愛知県豊田市猿投町池田にある古墳。形状は円墳池田古墳群を構成する古墳の1つ。愛知県指定史跡に指定されている(指定名称は「池田第1号古墳」)。

池田1号墳

墳丘
別名 池田第1号古墳
所属 池田古墳群
所在地 愛知県豊田市猿投町池田81-28
位置 北緯35度9分35.33秒 東経137度10分25.25秒 / 北緯35.1598139度 東経137.1736806度 / 35.1598139; 137.1736806座標: 北緯35度9分35.33秒 東経137度10分25.25秒 / 北緯35.1598139度 東経137.1736806度 / 35.1598139; 137.1736806
形状 円墳
規模 直径19メートル
高さ2.5メートルもしくは3.5メートル
埋葬施設 横穴式石室
出土品 須恵器[1]山茶碗の小片[2]
築造時期 7世紀初頭前後[2]
史跡 愛知県指定史跡「池田第1号古墳」
地図
池田1号墳の位置(愛知県内)
池田1号墳
池田1号墳
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概要 編集

愛知県中部、猿投山から南に延びる台地性丘陵上に築造された古墳である[3]。標高は約125メートルで平野との比高は26メートルを測る[2]

1933年昭和8年)に行われた砂防工事の際に石室の入口が現れ、若干の須恵器片・山茶碗の小片が採取されたという[2]。愛知県教育委員会により1971年(昭和46年)に墳丘・石室の実測調査が、1973年(昭和48年)には墳丘と石室床面の発掘調査がそれぞれ実施され[2]、これらの調査結果を踏まえて1977年(昭和52年)に古墳域が「池田第1号古墳」の名称で愛知県指定史跡に指定されている[4]

墳形は円形で、直径は19メートル、高さは2.5メートル[2]もしくは3.5メートル[5]を測る。墳丘は2段築成[3][1]。各段裾には人頭大の角礫による外護列石が認められる[3]。埋葬施設は巨石を用いた複室構造の横穴式石室で、南西方向に開口する[1]。羨道の崩壊のため全体像は明らかでないが、推定全長約12メートルと見られ[3][1]、三河地方では最大級の規模の石室である[5]。築造時期は古墳時代後期から終末期にさしかかる7世紀初頭前後と推定される[2]

埋葬施設 編集

 
石室俯瞰図
左から右に、羨道・前室・奥室(玄室)。
 
石室展開図

埋葬施設としては横穴式石室が構築されており、南西方向に開口する[1]。奥室(玄室)・前室・羨道からなる複室構造の石室である。石室の規模は次の通り[1]

  • 石室全長:残存9.9メートル(推定12メートル)
  • 奥室(玄室):長さ3.2メートル、最大幅2.4メートル
  • 前室:長さ2.8メートル、幅2.2メートル

羨道の大部分が崩壊しているため、石室の全体像は明らかでない[1]。石室の石材には花崗岩の巨石が用いられている[1]

石室内からは、清掃の際に須恵器片が検出されている[1]

文化財 編集

愛知県指定文化財 編集

史跡
  • 池田第1号古墳 - 1977年(昭和52年)5月16日指定[4][6]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i 池田1号墳(古墳) 1989.
  2. ^ a b c d e f g 池田古墳群(新修豊田市史) 2015.
  3. ^ a b c d 池田第一号墳(平凡社) 1981.
  4. ^ a b 豊田市(愛知県ホームページ「文化財ナビ愛知」)。
  5. ^ a b 史跡説明板。
  6. ^ 史跡(豊田市ホームページ)。

参考文献 編集

  • 史跡説明板(豊田市教育委員会設置)
  • 「池田第一号墳」『日本歴史地名大系 23 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN 4582490239 
  • 田端勉「池田1号墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
  • 「池田古墳群」『新修豊田市史 資料編 考古Ⅱ 弥生・古墳』愛知県豊田市、2015年。 

外部リンク 編集

  •   ウィキメディア・コモンズには、池田古墳群に関するカテゴリがあります。