河野 多麻(こうの たま、1895年10月 - 1985年1月24日)は、日本の国文学者河野与一の妻。

人物・来歴 編集

静岡県浜松市生まれ。旧姓中村。1913年静岡女子師範学校卒、小学校教諭を一年勤めたのち、東京女子高等師範学校に入り、1918年卒業、川越高等女学校教諭、1920年から1923年まで東京帝国大学で初の女子聴講生となり国文学を学び、実践女学校専門部国文科教師、1928年東北帝国大学法文学部に入学、当時助教授であった河野与一と知る。1931年卒業し実践女子専門学校講師。1937年教授となり、河野との結婚を公表する。1943年辞職し、1944年河野のいる宮城県築館町に疎開、戦後1950年に与一が岩波書店顧問となり上京、1962年『宇津保物語』全三巻を岩波古典文学大系として刊行する。1974年「宇津保物語傳本の研究」で東北大学文学博士。与一が死去した半年後、自らの失火による火事で死去した。

著書 編集

校注 編集

回想 編集

  • 『回想 河野與一 多麻』岩波ブックセンター 信山社、1986
桑原武夫谷川徹三田中美知太郎丸山真男寺田透加藤周一斎藤茂太北杜夫ほか寄稿