海上運送法(かいじょううんそうほう、昭和24年6月1日法律第187号)は、海上運送事業の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、海上運送の利用者の利益を保護するとともに、海上運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする日本法律である。

海上運送法
日本国政府国章(準)
日本の法令
法令番号 昭和24年法律第187号
種類 行政手続法
効力 現行法
成立 1949年5月26日
公布 1949年6月1日
施行 1949年8月25日
所管 国土交通省
主な内容 海上運送などについて
関連法令 道路運送車両法、道路交通法、港湾運送事業法
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主に旅客自動車運送であるフェリーなどの事業、また海運仲立業および海運代理店業についての法律となっている。

構成 編集

  • 第一章 総則
  • 第二章 船舶運航事業
  • 第三章 船舶貸渡業、海運仲立業及び海運代理店業
  • 第四章 海上運送事業に使用する船舶の規格及び船級
  • 第五章 雑則
  • 第六章 罰則
  • 附則

定義 編集

この法律で海上運送事業とは、船舶運航事業、船舶貸渡業、海運仲立業及び海運代理店業をいい、それぞれ以下のように定義されている(第2条)[1]

  • 船舶運航事業 - 海上において船舶により人又は物の運送をする事業で港湾運送事業以外のもの (第2条2)
  • 船舶貸渡業 - 船舶の貸渡又は運航の委託をする事業 (第2条7)
  • 海運仲立業 - 海上における船舶による物品の運送又は船舶の貸渡し、売買若しくは運航の委託の媒介をする事業 (第2条8)
  • 海運代理店業 - 船舶運航事業又は船舶貸渡業を営む者のために通常その事業に属する取引の代理をする事業 (第2条9)

また、船舶運航事業には定期航路事業不定期航路事業に分けられる (第2条3,6)。

なお利用運送事業については、1989年に貨物利用運送事業法に移管された[1]

海上運送事業と内航海運業の関係 編集

船舶運航事業や船舶貸渡業のうち、本邦内2地点間の物品の運送を担う事業については、一般に内航海運業法に定める内航海運業に該当する。但し、海上運送法上の旅客定期航路事業及び旅客不定期航路事業は、内航海運業に該当しない。

歴史 編集

1939年 海運組合法 編集

第1条 本法に於て海運業とは左に挙ぐる事業を謂ふ。
 一 船舶により人または物を運送する事業
 二 船舶の貸渡(期間傭船を含む)を為す事業
 三 船舶に依る人若は物の運送に関する仲介業又は船舶の貸渡(期間傭船を含む)若は媒介に関する仲介業

第4条 海運組合は左の事業を行ふことを得
 一 組合員の事業のためにする共同施設
 二 組合員間に於ける事業の統制
 三 組合員間に於ける事業に関する紛争の解決の斡旋
 四 組合員の事業に関する證明鑑定
 五 組合員の事業に関する指導、研究及調査
 六 前各号に挙ぐるものの他組合員の目的を達するに必要なる事業

海運組合法

1939年4月 - 海運組合法が制定[1]。対象業は以下であった。

  • 汽船海運業[1]
  • 船舶貸渡業[1]
  • 海運仲立業[1][2][3]
    • 甲種海運仲立業(甲仲) - 不定期船貨物の海上輸送・船舶の貸渡し・売買・運航委託などを行う
    • 乙種海運仲立業(乙仲)- 船会社と荷主の間で、船積み貨物の仲介・取り次ぎを行うブローカー

1949年 海上運送法 編集

1949年、海上運送法に改定[1]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 鈴木暁「海貨業の現状と課題--総合物流業へ向けて」『海事交通研究』第57巻、2008年、67-79頁、NAID 40016372451 
  2. ^ 柴田悦子「ターミナル機能と港湾」第38巻第3-4号、1993年、NAID 120006811825 
  3. ^ レファレンス協同データベース 97035』(レポート)国立国会図書館、1997年7月14日https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000000439 

参考文献 編集

関連項目 編集