名鉄デキ110形電気機関車
福井鉄道デキ1形電気機関車(ふくいてつどうデキ1がたでんききかんしゃ)は、福井鉄道の電気機関車である。現在デキ3の1両が在籍する。
車両について
本車両は元々、1951年(昭和26年)に東洋電機製造で製造された名古屋鉄道のデキ110形デキ111で、犬山線沿線に工場を構える東洋紡績の専用線で使用される私有機を引き継いだものであった。名鉄時代は西部線所属で主に須ヶ口界隈の入換に使用されていたが、ATS整備時にその対象から外されて休車、その後1968年(昭和43年)に遠州鉄道に譲り渡され、直流1,500Vから750Vへ降圧改造の上で、同社のED21形ED213として主に西ヶ崎の構内入れ替えを中心に使用された。
1975年(昭和50年)3月に、南越線で電気機関車代用として使用されていたモハ111が事故で使用不能に陥った際、急遽福武線のデキ1を南越線に転属させて同線の貨物列車牽引に充当したが、これに伴って不足する機関車を補う必要が生じた。そのため、一旦遠州鉄道から余剰となっていたこのED213の貸し出しを受け、その後同年8月に正式に譲受、運転台を改造の上で形式番号をデキ1形デキ3と改めた。
福武線の貨物輸送廃止後は除雪用に転用されたが、実際にはほとんど使用されず西武生工場にしばらく留置されていた。
しかし、調子の悪くなったデキ2の代わりに1998年(平成10年)に整備されて事業用として復帰を果たし、近年ではイベント時に本線上を運行することもある。