モンパノキ(紋羽の木、学名:Heliotropium foertherianum)は、ムラサキ科キダチルリソウ属常緑低木小高木。別名、ハマムラサキノキ(浜紫の木)。

モンパノキ
モンパノキ(沖縄県西表島
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: ムラサキ目 Boraginales
: ムラサキ科 Boraginaceae
: キダチルリソウ属 Heliotropium
: モンパノキ
H. foertherianum
学名
Heliotropium foertherianum
Diane et Hilger
シノニム
  • Argusia argentea (L.f.) Heine
  • Messerschmidia argentea (L.f.) I.M.Johnst.
  • Tournefortia sibiria L.
和名
モンパノキ(紋羽の木)

アフリカからアジアオセアニア熱帯から亜熱帯の海岸に生育する。

特徴 編集

熱帯から亜熱帯の海岸、砂礫地や砂浜に生える常緑低木~小高木。樹高は10m程度に達する。幹は灰褐色で縦に裂け目が多く、材は柔らかい。径は太いもので30cm程度に達する。葉は倒卵形で大きく、枝先に集まり互生する。大きさは10~20cm。多肉で、表裏ともに細かい毛が密生し、ビロード(紋羽)のような手触りがある。花期は基本的に夏ではあるがはっきりせず、円錐形の集散花序を頂上または腋生する。花は密生し、5mm程の釣鐘型で白色。果実は5mmほどの球形で、数珠または団子状に固まる。熟すと緑色から黄橙色を経て黒っぽく変化する。

日本における自生地 編集

日本では、南西諸島奄美群島以南および小笠原諸島に普通に自生する。種子島にもかつて自生していたが、野生の株は絶滅している。海岸の砂礫地や砂浜を好み、ハマスーキガンチョーギソーギキスビキシサザキ等、島によって多様な地方名を持つ。

利用 編集

葉は民間薬として、絞り汁を服用して食あたりに用いる。また、1884年沖縄糸満において、海人(うみんちゅ)の玉城保太郎氏の考案で、本種の材が柔らかく加工しやすい上、乾燥しても変形しにくい特性を利用して、丸く削った内部をくりぬいてガラスを接着し、アダンの葉で作った紐をつけて水中眼鏡ミーカガン)の材料とした[1]。また、潮害や塩害に強いことから、防風・防砂林として利用される。

脚注 編集